中学生の頃、シンガーソングライターというスタイルに憧れ、曲を書き始めました。はじめは日記の延長のようなものでした。その後メジャーデビューしましたが、喉を壊し思うように歌えない時期があり「ならば自分が歌わない曲も、もっと書かせてもらいたい！」と作家としての活動をはじめた次第です。

あらゆるものです。ですが、本など、既に言葉としてそこにあるものよりは、音楽や詩がまだそこにない映像や会話のほうが、ヒントになることが多いかもしれません。

作詞・作曲をさせていただく場合は、メロディーを作る段階でフックになる部分の歌詞も一緒に考えてしまい、そのまま採用することが多いです。（「ここはアイラブユーだ！」と思ったら、じゃあどういうタイプの愛を歌う歌にしよう……など）

他の作曲家さんのデモテープを受け取って歌詞を乗せる場合は、初めにひたすら聴いて、曲の見せ所を掴めたら、その箇所から書いていきます。

作詞に限らずですが、集中力が色んな場所に分散していまして、それを追いかけながら移動していく狩猟民族スタイルな生活をしています……。なので、自宅・カフェ・散歩、「集中力が切れた！」と思ったらいつでも次の場所に移動できる環境が理想です。逆に、それ以外には何も要りません。

シンガーソングライターとしてリリースした『Rinkle-Rinkle』というアルバムでは、初めて他の作詞家さんに作詞を添削していただくという経験をしました。もちろん歌詞は自分で書いていますが、制作途中で「この歌詞の主人公は可愛くない！」など指摘していただいて書き直したり、反抗して書き直さなかったり（笑）。作詞を仕事にしていく上でとても良い経験をさせていただいたな、と今でもたまに思い出します。

常に「良い歌詞ってなんだろう」にぶつかっているので答えは分かりませんが、街中で知らない曲が流れてきて「タイトルが知りたい、歌詞でググろう」といった場面、最短ルートで結果が出てくる歌詞を書きたい、と思っています。語彙や言葉の順序が、まだ使い古されていないという意味で……。

石崎ひゅーい「ピリオド」
映画のモノローグのような、引き込まれる歌い出しの歌詞。
職業作詞家として憧れる歌詞・嫉妬する歌詞は次から次へとキリがないですが、シンガーソングライターとしては「この曲が私の行きたい到達点だ」と思ってしまいました。

完全に無意識ですが、以前クリエイターの川田十夢さんに「シンガーソング・タグ・クラウド」という分析ツールで私の歌詞を分析していただいた際、「笑う」が多いと指摘されました。確かに……。意図的に使うようにしている言葉などはありません。

心身ともに健康でいることです。長く続けていくために一番大事なことだと思います。
あとは、新しい表現を模索するのを諦めない、というのは大事にしたいです。

書き続けて、発表し続けることです。あとは、漠然とした感情を掘り下げること！