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  • 植田真梨恵
    今回のアルバムは間違いなく、私の居場所になったよ。
    今回のアルバムは間違いなく、私の居場所になったよ。

    植田真梨恵

    今回のアルバムは間違いなく、私の居場所になったよ。

     2022年9月21日に“植田真梨恵”がニューアルバム『Euphoria』をリリースしました。今作は2011年に構想が生まれ、ずっと温めてきた大切なアルバム。初めて楽曲提供を受けた前作から一転、全作詞作曲を手がけたのは植田真梨恵。アレンジは、弾き語り曲を除く全曲、森良太(Brian the Sun)と植田が共作。植田の頭の中になっている音をこれまでの作品よりいっそう忠実に再現した作品となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“植田真梨恵”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、自信も力もなかったあの頃を経て、アルバム『Euphoria』を届ける今の気持ちです。大切な<あなた>への想いを受け取ってください。 ねえ、アルバムができたよ。もう出会って10年を超えるね。あの頃に「こんな曲ができた」「でもまだこれは出せない」と言ってた曲たちよ。私たちはあの頃まだ全然お互いを知らなかったね。全然違う毎日を生きてきて、でも出会えたし、仲良くなれたね。   あれから私たちも色々変わったね。生活が変わって、住むとこも変わって、それでも今も大好きでいられるのはたぶん、考え方とか価値観が似ていたからなんだろうね。   当時できたての"シグナルはノー"を聴いてくれて、ライブハウスのフロアでギターを弾きながら歌ったね。私の歌でそんなふうに、誰かが一緒に大きな声で歌ってくれることなんて、それまで一度もなかったよ。両手を大きく振りながら。そんなふうな歌が初めてできたんだなって、静かに嬉しくてたまらなかったよ。   新しい曲ができればすぐに送って、聴いてもらってたね。いつからかそれもしなくなって、でも、しなくなったからこのアルバムの曲たちをまとめてあなたに聴いてもらうことができるよ。   あの頃の私にはまだこれを作り上げる力がなくて、いつの日か完成させられる日がくることにも、自信なかったよ。自分の思い通り作りたくとも、私は打ち込みで曲を作れないし、だいたいのことを気合いでしかやってこなかった。少しずつバンドメンバーともっと音楽を作りたいと思うようになって、みんなで向き合ってアレンジを始めたり、レコーディングのディレクションをなんとかかんとかやったり、でもずっと、いつも力不足で、これでいいのかなと思い続けてたよ。でも今となっては、そんな日々がずっと続いてきたから、このアルバムを作ることができたのかとも思うよ。   すごくつらいことがあるたび、会って話したね。誰かを信じたり、それでも期待したりするたび、人に期待してはいけないとか学びながら、それは確かにそうかもしれないと思うよ。でも最近は、期待したっていいとも思うよ。そうじゃなかったら、私がアルバムを、音楽を作って歌う意味がなくなってしまうよ。   私は子供の頃から歌手になりたかったし、その過程でたくさんの人たちと出会ってきたけど、友達と呼べる人なんてほんとになかなかできなくて、大人になって弱くなってく過程で出会えたから、わたしたちは友達になれたんだと思うよ。期待していいのが自分だけなんてのは、寂しすぎるよ。裏切られたとかってわざわざ泣いたりすることないけど、ほんの少しだけやっぱり期待しながら、私はこのアルバムをあなたに聴いてもらうんですよ。 ずっと自分の居場所を探していたね。私も。あなただって、今も探してるね。私のお母さんだって、お父さんだって、マネージャーの佐藤さんだってそうなのかもなと思うよ。ここはいてもいい場所なのかな、ここにいてもいいのかな、ここにいるべきなのかな、ここで何ができるのかな、って思いながら、生活をなんとか続けているよ。   私は歌の人になりたかったから、子供の頃から歌を追いかけてきたけど、子供の頃テレビで観てた世界はもうほとんどないよ。でも正直、歌の人であればなんでもいいし、歌は時代時代によっても常に在りつづけるし、私が死んでも歌は残っていくし、おんなじ時代を生きてる人に私の歌は少なからず届けられるから、どんな形かで、どんな形でもいいから届くならいいと思うよ。だから今はやっと、歌の中に私の居場所があるなと思うよ。今回のアルバムは間違いなく、私の居場所になったよ。   当時ユーフォリアって言葉をこのアルバムにつけたのは、なんとなくだったよ。でも、根拠のない過度な幸福感、とか陶酔感とか、意味合いとして今となってはぴったりのタイトルだったなと思うよ。世界はいつも大変だし、人生もいつも大変で、しあわせな瞬間なんて長くは続かないけど、間違いなくあるのはあるよ。いつもあったよ。そんなに大きなことじゃなくて、ガチャガチャしたうるさい世界の中で小さく、ほんのりと、目を凝らすと、意識して照準を合わせると、どうやらあったよ。   このアルバムのどんなとこに共鳴してくれるのかとか、どこを好きになってくれるかとか、そもそも好きになってもらえるかなんて全然わからないけど、10年前思い描き始めたイメージのまんまでちゃんとできあがったから、もしよかったら聴いてほしいな。たくさんまわりの人が助けてくれたよ。毎日を一生懸命生きてるあなたへ。今も居場所を探し続けてるあなたへ。綺麗なものが好きなあなたへ。いつも美しく生きようとしてるあなたへ。 < 植田真梨恵> ◆ニューアルバム『Euphoria』 2022年9月21日発売   <収録曲> 1.EUPHORIA 2.最果てへ 3.ダラダラ 4.“シグナルはノー” 5.プロペラを買ったんだ最近 6.HEDGEHOG SONG 7.BABY BABY BABY 8.モアザンミューズ 9.黎明 10.エニウェアエニタイム 11.ユートピア  

    2022/09/21

  • 植田真梨恵
    あの子とあの子とあの子。
    あの子とあの子とあの子。

    植田真梨恵

    あの子とあの子とあの子。

     2022年5月から“植田真梨恵”が、3カ月連続でシングルを配信リリース!5月28日にグランジテイストのギターロック「“シグナルはノー”」、6月29日にメジャー1stシングル「彼に守ってほしい10のこと」のカップリングに収録されていた「ダラダラ」のフルアレンジバージョン、7月24日にこれまで何度もライブで披露している「BABY BABY BABY」を配信リリース。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“植田真梨恵”による歌詞エッセイをお届け!今回が最終回です。綴っていただいたのは、新曲「 BABY BABY BABY 」にまつわるお話。描かれている<あの子>とは…。あなたにとっての“愛おしい命”を思い浮かべながら、この歌詞とエッセイを受け取ってください。 正直なところ彼女は何も覚えていませんでした。   あの子は1999年、夏祭りの神社の大きな石段を一段ずつ両足で降り、蒸し暑く黒い夜にたくさんの灯篭が川を流れていくのを見ていました。不思議な夏の儀式に少々の怖さと、夜のおでかけのドキドキの両方を感じていました。家族揃って車に乗って、降りれば大勢の人人人。はぐれてしまわないように母の手を握っていました。   あの子は父親の肩の上、くるくるの巻き毛は森永チョコレートの銀色の天使のキャラクターのようでした。部屋の中でならぺたぺた走り回るのに、外で靴を履くとうまく歩きませんでした。その様子をもどかしく思いながら、そして愛おしく思っていました。   愛おしいという気持ちがそういうことだとは、その時のあの子にはわかりませんでした。今思い返せばそんな気持ちが愛おしいという名前で呼ばれていることを、今の私が知っているのでそう呼んであげるのでした。   あの子は脱衣所の白い床の上、お腹をぺったりと冷たいタイルにくっつけて微睡んでいました。長い毛足がところどころ絡まっていました。でも体を櫛で梳かされるのは基本的にいつも迷惑でした。こんな暑い日はいつも白い床の上で白い体を同化させて溶けていました。   あの子がベッドに入ると、白い床を離れてベッドにのぼりました。マットレスの端っこで、あの子の髪の毛が自由気ままに横たわるのを手で押さえながら毎晩目を閉じました。人間にとっては手だけれど、これは手と言うべきか、どちらかと言うとこれは前脚なのでした。   あの子と私の家に、女の子が泊まりに来ました。全然違う匂いがするけど、2人は声が似ていました。それ以外は別段どうでもよくて、時々私の背中を撫でたり、高く抱き上げたりしました。あの子は何日かするとどこかへ帰って行きました。ちがうところにおうちがあるのでしょう。   あの子は東京に住み始めました。靴を履くと歩かなかったなんてこと、今や本人には覚えもないことでした。大人になるにつれてか、くるくるの巻き毛でもなくなっていました。とてもわがままで可愛いと思っていたあの子は、自分の気持ちをあんまり話さなくなっていました。だけど、カメラに写ると変な顔をしてしまう癖は、変わらずにあの頃のままなのでした。   1人で暮らし始めた彼女の部屋に私は、何度か泊まりに行きました。何日かそばで眠って起きて、何も喋らない時間に家族の幸せを感じたりしました。天井を見つめているようで、何も見ていない無の瞬間が10秒ほど続いていました。私はそれを見つめて、きれいと思い、歌を書きました。彼女もまた、歌を歌い始めていました。     あの子のことを抱き上げているようで、本当のところ私の方が抱きしめられていました。私よりも10倍小さい、いや私の0.1倍ほどしかない体で、自分よりも10倍大きな私のことをあの子はいつも抱きしめていました。命が終わる時もまた、私はあの子を抱き上げたけれど、その最後の瞬間にも彼女は私を抱きしめました。その事にやっと気づいて、これからも私はいつも、彼女にずっと守られていくのかと、母のような大きさを感じたのでした。   小さな生きものでした。 あの子も、あの子も、あの子も、小さな生きものでした。 あの子とは、子供の頃の私のことで、 妹のことで、 猫のララのことでした。     正直なところ、私は何も覚えていませんでした。 この曲を書いている時の気持ちを。 ただただ心に浮かんでくるのは、わたしたちはとても小さき生きもので、命が生きてて、とても愛おしい。これを書いた11年前の私もまた別のあの子となっていて、小さかったあの子やあの子やあの子が、今の私に向かって呼びかけてくるように思うのでした。 <植田真梨恵> ◆紹介曲「 BABY BABY BABY 」 作詞:植田真梨恵 作曲:植田真梨恵

    2022/07/25

  • 植田真梨恵
    わたしはものすごく小さな穴が好き。
    わたしはものすごく小さな穴が好き。

    植田真梨恵

    わたしはものすごく小さな穴が好き。

     2022年5月から“植田真梨恵”が、3カ月連続でシングルを配信リリース!5月28日にグランジテイストのギターロック「“シグナルはノー”」、6月29日にメジャー1stシングル「彼に守ってほしい10のこと」のカップリングに収録されていた「ダラダラ」のフルアレンジバージョン、7月24日にこれまで何度もライブで披露している「BABY BABY BABY」を配信リリース。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“植田真梨恵”による歌詞エッセイをお届け!今回は第2弾です。綴っていただいたのは、新曲「 ダラダラ 」にまつわるお話です。幼い頃に見ていたとある風景。そこに繋がっているかもしれないフェチ。「ダラダラ」の中にある宇宙の謎を紐解くエッセイを、ぜひ、歌詞と併せてお楽しみください。 昔母が父の、背中の、 にきびになりかけている、なるかわからない、硬い小さなものを、 両手の指でぎゅっと挟んで、出していた。 父がこれを読んだら、すごく嫌がると思う。ごめんなさい。 そんな時期が、あった、うちにも。 わたしの小さい頃はたまに見ていた風景だった。   時が経って私も、それをするのが好き。 この曲は私が21歳なりたてくらいの頃に書いた曲。 よくわからないけど好きなものって、あって、 わたしはものすごく小さな穴が好き。 例えば蟻の巣とかはわかりやすいかもしれない。 とても小さいのに、とてもまんまるで、どこまで深くつづいているのかわからない。ギリギリ崩れずに、きれいな小さな穴が空いている。 例えばその小さな穴が、例えばおまんじゅうの頭頂部に5つ開けてあって、 とても近い配置で並んでいるのに、 それでいて極めて小さいのに、ひとつひとつの穴が隣の穴と干渉せずにしっかりと穴として在る、なめらかに。 そんなところを想像すると、ほーーーー、と言いたくなる。感心する。ぞくぞくくる。 このぞくぞくはものすごく良いぞくぞくで、不思議で惹き込まれる。なんていうのか、興奮する。 例えばその穴をなにかやわらかいものを使って型で取って、美しく引き抜けたらと想像するとより、ぞくぞくする。   この穴についての話を母にしたことはないけれど、その背中の件と繋がっている気がする。 わかりやすいもので類似品をあげるとしたら、 海に行った後、家に帰って頭や背中の皮膚が剥がれるのをどれだけ大きく破かずに取れるかにも近い。 フェチっていうのは「なんで」っていうのが通用しないと思う。なんですきなのって聞かれても、自分でもよくわからない。謎で、謎なのだけど、ものすごく心が動かされる自分がいる。   2011年にダラダラという曲ができて、わたしのユーフォリア計画がはじまった。 多幸感、幸福感、高揚感、陶酔感という意味合いのこの言葉がこれについてきているのは、ダラダラという曲にそんなフェチの部分が含まれているからだったんだろう。たぶん。     今時が経って、そんな風景、二度と見ることはない。絶対に無い。でも、わたしにはフェチが受け継がれている。わたしの中には根付いている。ていうか、いつのまにか目覚めてしまっていた。   宇宙の話を聞くのが嫌いだ。 ものすごく大きなものなんだろう、と思う。 想像を絶する。何億光年、何万光年離れた先の死んだ星の光が届いている、なんて話、理解が追いつかなさ過ぎて、なんの話なのかわからなくなってしまうみたい。 そんな話をする人はとても嬉しそうで、嬉しそうに話をされることは好きで、なんとなく聞いているうちによくわからない気持ちになって、嫌いだと思うようになった。 宇宙が無いなんてことは思っていなくて、たぶんある。おそらく地球は青いんでしょう。ブラックホールとか、あるんでしょう。大きすぎて、途方もなくて、見たことな過ぎて、わからないだけ、それで不安になってくるだけ。たぶん私は、こわいんだろうと思う。   このダラダラって曲の中には、たぶん宇宙がある。ダラダラだけじゃなく、"シグナルはノー"にも、続くBABY BABY BABYという曲にもある。 小さな部屋と宇宙がなぜだかずっとある。私は宇宙なんて見たことない。よく知らない。深海も知らない。潜ったことない。あんまり潜りたくもない。 でも、輪廻とか遺伝とか、愛とか、恋とか、心とか、そういうものが巡ることを近く近くで向き合って考えるほどに、これは宇宙だな、と思わざるを得ない。 どれも深く知らないし、よくわからない。ただそこに在るということだけが、明らか。 細胞がばらばらにならずひとつにとどまって、個の体を形作っている限り。時間の中で混ざり合って、どうしてか私の中に生きている。   そんな昼間の、ラブソングです。 <植田真梨恵> ◆紹介曲「 ダラダラ 」 作詞:植田真梨恵 作曲:植田真梨恵

    2022/06/29

  • 植田真梨恵
    橙色に染まる部屋はなんだかこわい。
    橙色に染まる部屋はなんだかこわい。

    植田真梨恵

    橙色に染まる部屋はなんだかこわい。

     2022年5月から“植田真梨恵”が、3カ月連続でシングルを配信リリース!5月28日にグランジテイストのギターロック「“シグナルはノー”」、6月29日にメジャー1stシングル「彼に守ってほしい10のこと」のカップリングに収録されていた「ダラダラ」のフルアレンジバージョン、7月24日にこれまで何度もライブで披露している「BABY BABY BABY」を配信リリース。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“植田真梨恵”による歌詞エッセイをお届け!今回は第1弾です。綴っていただいたのは、新曲「 “シグナルはノー” 」にまつわるお話。11年前に生まれたこの曲を今、どんな思いで世界に放つのか…。歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 日に焼けたアルバムと蔦の絡まる苺の実 気がつけばもうどこにも行けなくなっていた二人   橙色に染まる部屋はなんだかこわい。夕方、夜の手前にベランダから注ぎ込み西陽で部屋の中がまオレンジになる。この歌詞について書けることがそれくらいしかない。がんばってもう少し書いてみる。   MDプレーヤーだったんだろうか。DVDプレーヤーだったかもしれない。「NO SIGNAL」と映し出された文字に切なさを感じていた。   歌ネットのページを見ているあなたが、ポエミーな世界をばかにしない人だと信じて書くよ。こんなことツイッターには書けない。恥ずかしいもん。そんなものに切なさを感じるなんて。何を機械に感情移入して。どんなけ切なさに飢えているの。今となってはこんなこと書くの恥ずかしいけど、私は切ながりさんなのだ。なんだそれは。   "NO SIGNAL"信号がありません   宇宙へたった2人で旅立った恋人が、空中を彷徨ううちにお互いを繋いでいる信号が、少しずつ少しずつ離れて途切れていく。いよいよ何も聞こえなくなって宇宙服の中の目の前の画面に"NO SIGNAL"と表示される。そんな物語を空想した。   今の私の部屋には、寝室があってキッチンがある。当時、私が住んでいた部屋はワンルームで、東向きの窓からオレンジの西陽が容赦なく照りつける中この曲を書いた。   この曲を書いたのは11年も前のこと。それからいろんなものが変わって、音楽シーンもかなり変わった。何を書いたらいいのかわからなくなっていた私に、久しぶりに何曲かの曲が生まれた。それが「ダラダラ」「最果てへ」「“シグナルはノー”」「BABY BABY BABY」という曲たち。   これを読んでいるあなたの生活にどうしたら、この曲が関わり合いを持てるのかわからない。なぜなら、空想の物語であって感情ではない。けっこう関係のない話かもと思う。   あなたを好きで、会いたくて、そんな歌詞を書けていない。仕事がつらくて、そんな共感も多分ないと思う。ほんとうに大事なものはこれだよ、って何か教えてくれるわけでもない。この曲たちに、どうしたらあなたの生きている日常の架け橋をかけてあげられるのかわからない。それなのに必要とされるだろうか。そこにまったく自信がない。   つい先日、音楽をむしょーに聴きたくなった。2ヶ月前に私は財布を落として、中にデビッドカードが入っていたので、やむなく止めた。財布は見つかってない。そういうわけでサブスクで音楽を聴ける方法がなくて、2ヶ月のあいだ気軽に音楽を聴くことができなかった。2022年の今私は、たいていそうやって音楽を聴いていたのだ。   夜中に部屋で無性に音楽を聴きたくなったので、片っ端から聴きたいものをかけているうち、なんかものすごく気持ち良くなってきた。ふだんは飲まないお酒を、ウイスキーをキッチンから出してきて濃いーオレンジのまんまコクコク飲んだ。お香も炊いた。電気も消して、立ったままで聴いてたら踊っていた。なんだこれ。へんなやつ。気持ち悪い。こんなとこ人には見せられん。   気持ちいい音楽を聴いて、こんなふうになるんだなあと思った。人って。猫が不思議そうに見ていた。それでなんか、その日はものすごくいい日になってしまった。私は疲れて眠った。音楽が気持ちよかった後は無音も気持ちよかった。   そんなふうな音楽の力を、生まれてこのかた知らなかったのかもしれないなとすら思う。この"シグナルはノー"を、必要としてくれる人がいるだろうか。全然自信がないけれど、そんな曲たちをしばらく私は出していきます。   私にとってはものすごく、ものすごく大好きな曲。誰のことも救ったりはできないかもしれない。これをライブで実際に鳴らせる日が、ほんとうにたのしみだなあ。 <植田真梨恵> ◆紹介曲「 “シグナルはノー” 」 作詞:植田真梨恵 作曲:植田真梨恵

    2022/06/06

  • 植田真梨恵
    このアルバムのテーマは「愛と血」だということがわかった。
    このアルバムのテーマは「愛と血」だということがわかった。

    植田真梨恵

    このアルバムのテーマは「愛と血」だということがわかった。

     2020年8月26日に“植田真梨恵”がニューアルバム『ハートブレイカー』をリリース。「メジャーデビュー5周年を終え、植田真梨恵とはなんぞやというところに立ち返った。この先も私がメジャーシーンで歌っていくために、“植田真梨恵にしかできない音楽”を見つけ、金字塔となる一作を作りたい」そう強く感じたという彼女。そこからひたすらに音楽に没頭する制作期間を経て出来上がった、全17曲が収録されているのが今作です。    さて、今日のうたコラムではそんな“植田真梨恵”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届けしてまいります。今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回。綴っていただいたのは、ニューアルバム収録曲であり、アルバムタイトルにもなっている「heartbreaker」にまつわるお話。みなさんにとって、愛するとは? 幸せとは? そんなことを考えながら、最後までご堪能ください…! ~歌詞エッセイ最終回:「heartbreaker」~ 雨が降っている。梅雨なので当然だけど、今は雨が降ると心配なことがある。もうあんまり降らないで欲しい。 歌詞を書くということへの今回の私のエッセイももうこれが最終章。不器用な人間です。って口に出すのは逃げにも感じる。不器用だからってなんでも許されるわけではないから。完璧な人間なんてどこにもいないから。だから、ちゃんと気を配りながら、言葉や態度を選んでみんな生きている。 新しいアルバムのことが発表になった。今年に入ってからずっと取り組んできたアルバムで、私にとって大切な1枚になった。8月26日に発売するから、もう完成していて、手を加えることはできないけれど、みなさんのところに届くまではまだ時間がある。この時間のあいだをどう過ごすのが正解かわからないけど、すでに次の曲たちに手をつけたい気持ちがふつふつと膨らんでいる。かんたんに言えば、手持ち無沙汰だから。歌詞や曲を書いて形になるものを作って満足感を得たい。何かしていないとなんだか心が落ち着かない。 『ハートブレイカー』というアルバムにした。アルバムの曲を書き始めて、「heartbreaker」という曲が書けて、このアルバムを代表するのはこの曲だと思った。まだ聴いてもらっていない曲の説明をするのはちょっと野暮にも感じるので、関係あるような無いようなことを書いておこうと思う。 このアルバムの曲たちを書いてる間、読んでいる本があった。長年そばでお仕事をしてくれているマネージャーさんから借りたもの。マネージャーはとても本が好きで、関わり始めてすぐの頃から、何冊かの本を貸してくれた。いまだに読み終わってないものもあって、返せていない本の方が多い。でも今回お借りした本は、歌詞を書いている期間中何度も開いて、全部読んでしまった。だからこれはもうちゃんと返せる。ウィリアム・ブレイクの「無心の歌、有心の歌」という詩集である。 何かの映画の台詞で「詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなものだ」というのを聞いた。この本を貸してくれるとき、マネージャーさんも「英語のままで読んだ方がいいんですけどね」と言っていた。確かにほんとにそうだろうなと思った。翻訳をする人はたいへんだなと思う。違う国の言語に言い換えただけで、もう別の物になってしまうもんな。言葉を扱うお仕事をさせてもらっているけれど、言葉とは本当に難しい。人に何かを伝える事は難しい。 表題曲の「heartbreaker」という曲は“昔見たアラブの王様と”という歌詞から始まる。語感や韻とかを重視して書いたわけじゃなくて、とってもシンプルに、愛するとは?ということを書いた歌。メロディに引っ張ってもらいながら、メロディをねじ伏せながら、この歌に書くべき歌詞だけを綴った。これ以上他に何も言えないし、これを短くまとめることもできない。 この曲ができて、他の曲たちが出揃ってきて、このアルバムのテーマは「愛と血」だということがわかった。生まれもった血、誰かと分け合った血。生まれてきて、死ぬまでに、いったい私は何をして過ごしていればいいんだろう。大きな仕事を成し遂げたり、成功を収めたり、子供を持って子孫を残したりすることだろうか。手持ち無沙汰に過ぎる時間を、歌詞を書いて歌を作って過ごす以外に、何をして過ごせばいいんだろう。特に他に今なんにも見当もつかないので、私はまた歌を作り歌詞を書き、歌って過ごすんだろうと思います。 みなさんの日々はどうですか。やっぱり、家族ができると毎日の意味はもっともっと大きくなったりするのでしょうか。幸せっていうのはどういう瞬間のことでしょうか。わたしは今日、今もたぶん、とっても幸せです。大好きな人たちがいます。私の歌を大好きとか言って、聴いてくれる人たちがいます。それでもう本当に、十分です。退屈したら、歌詞を書きます。 これで私の歌詞エッセイはおしまいです。おんなじようなことを何回も何回も書いてしまったような気もするけれど、読んでくださって、ありがとうございました。歌詞のことについて何か書くのは結構ふしぎなきもちでした。 今度のアルバム、どれも好きな歌詞が書けたので、お届けできる8月26日になったら、きっと聴いてもらえたらいいなと思いながら。あなたにも、好きっていうものがその中に見つかったら、私にとっては何よりのしあわせです。まだ雨は止みません。平穏に暮らせるいつものしあわせな日々がはやく、みなさんのところへ戻りますように。 <植田真梨恵> ◆紹介曲「heartbreaker」 作詞:植田真梨恵 作曲:植田真梨恵 ◆3rd Full ALBUM『ハートブレイカー』 2020年8月26日発売 【コレクション盤】 GZCA-5297 ¥4500(tax out) 【通常盤】GZCA-5298 ¥3000(tax out) <収録曲> 1.heartbreaker 2.WHAT’s 3.まぜるなきけん 4.Black Cherry In The Dirty Forest 5.Stranger 6.小さな恋の誓い 7.眠れぬ夜に 8.鍵穴 9.スルー 10.my little bunny 11.REVOLVER 12.バニラフェイク 13.I JUST WANNA BE A STAR 14.てとてとめとめ 15.IN TO 16.憂うべき 17.ERROR

    2020/07/15

  • 植田真梨恵
    人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。
    人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。

    植田真梨恵

    人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。

     2020年5月1日に“植田真梨恵”がダブル配信シングルをリリースしました。「WHAT's」は、映画『ミセス・ノイズィ』の主題歌。そして「I JUST WANNA BE A STAR」はドラマ『ピーナッツバターサンドウィッチ』エンディング主題歌です。また現在、絶賛アルバム制作に入っているという彼女。近々発表されるであろうアルバムを楽しみに、まずは今年の第1弾リリースとなった2曲を是非、歌詞と併せてチェックしてみてください…!    さて、今日のうたコラムではそんな“植田真梨恵”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届けしてまいります。今回は 第1弾 に続く、第2弾!綴っていただいたのは、新曲「 I JUST WANNA BE A STAR 」にまつわるお話。彼女にとっての、歌詞とは?メロディーとは?歌とは? みなさんにとって、音楽とはどんな存在のものでしょうか…。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 I JUST WANNA BE A STAR 」~ 歌詞。アルバムを作っている。おおむね全ての曲の歌詞を書き終えた。歌詞を書きながら、自分の中にある自分でも気付いていなかった気持ちに出会う。書き上がるまで自分でもそれがなんのことなのかわからない。その大きなものをなんとか操縦しようとしても、そんなにうまくいくことはない。とにかくからっぽの器を、気の力だけをつかってガタガタ震わせるようなつもりで、心に圧をかけて歌詞を書く。 思ったけど、歌詞は体だと思う。人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。以前は考える余地もなく、ただなんとなく、歌詞が心だと思っていた。けど違うなと思った。心はメロディーのほうだ。浮遊している霊魂みたいに、メロディーは漂っている。意外と、それが入るべき、おさまるべき型のような、体のようなものが歌詞のように感じた。なぜか。歌詞はひとめ見て一読することができる。もちろん、1行ずつ味わうこともできるけど、決められた時間軸はなく、パッと目で見て文字が羅列されている、見てくれである。 体がないと、メロディーはふわふわ浮いているだけだ。そのふわふわ浮いているメロディーは、目には見えない。だいすきな人と話をするみたいに、すこしずつ心に触れるように、時間をかけてメロディーが入ってくる。歌詞を書くというのは、その心がおさまるべき、美しい腕や目や口や腰を形作るような感じがした。だからなんなんだ。だからなにというわけでもない。とにかくお互いがないと歌にはなれない。 最近こんなことを感じたのにはわけがあって、今作っているアルバムの中で初めて、人様に書いてもらったメロディに対して歌詞を書いている。基本的にわたしはふだん、メロディと歌詞をほとんど同時に書いていくことが多いので、独立したメロディーに歌詞をあてがうことがとても難しかった。しかしおもしろかった。久しぶりに次に曲を書くとすれば、歌詞の方を先に書いて歌にしたいな。 今から8年前、21歳の頃に24時間ぶっとおしの生配信を行なった。配信中はいろんな企画をして過ごした。なんでそんな企画が持ち上がったのかももう覚えてないけれど、久しぶりに、そんな24時間生配信企画をやろうという話が出た。せっかく24時間かけて配信をするならば、何かをつくる工程にしようとなった。何かを作るならば、歌にしよう。歌をつくって、アレンジをして、レコーディングをして、もしかしたらミュージックビデオまで作ってしまえば、配信終了とともにそのまま、できたてほやほやの歌を他の曲とおんなじようにお届けできるかもしれない。そうやってできた曲が「I JUST WANNA BE A STAR」だ。 日頃から「どんな曲にする」という構想を持って作り始めることがないので、この日もなにも考えずに画面の前で作り始めた。というか、作り出してみないとどんなものになるのかまったくわからない。でも、せっかくみんなが画面越しに観ていて、コメントを送ってくれるなら、観てる人たちからコメントで飛んで来た歌詞のイメージを一曲にまとめられたら素敵じゃないかと思った。それで、その当時わたしの心の中におおきくドンと幅をきかせていた「わくわくすること」というのをテーマに、観てる人たちからたくさんのイメージをもらった。 「わくわくすること」と一言で言っても、どんなイメージにもなりえる。それこそ人の数だけわくわくはあるだろう。断片的にイメージを拾っていくうち、ちょっと悪いことをしているような、夜に車を飛ばしてひとつのミッションを遂行するような、そんなシチュエーションだとわたしもわくするな、と思いながら歌詞のイメージが膨らんでいった。作りながらそのイメージを、観てる人たちとどれくらい共有できていたのかはわからないけれど、なんというか、結果的にものすごく素直な歌ができた。 人前で作詞作曲をするというのはやったことがなかったので、まずそもそも一曲できあがるのかまとまるのかもわからないし、集中力が何回も切れかかった。けどまあなんとか、ひらめきとかアイデアのしっぽを、ひっつかむような感じでできあがった。時間の限りがあることによって、普段ならもっとかっこつけてしまうところがそうはいかず、より素直な歌詞になったのかもしれない。たくさんの人のイメージが含まれたことによって、大声で歌えるような大きな私の願いを歌って、大切な曲になるようにしたいと思えたのかもしれない。いろんな要素がふくまれて、ぎりぎりのバランスで一曲になっている。 私が歌のことをものすごく、すきだなって感じる部分がある。たかが歌、されど歌なのだ。別に誰かを感動させる決まりなんかなくて、むしろ何の意味もなくたっていい。でも何の意味もなくただ好きなことばたちが羅列されただけでも、メロディといっしょになるとそれはもう歌になる。逆に好きなだけ疑って、こだわってもいい。でも好きなだけこだわったところで、それが人に届くかなんてわからない。もっというと人に届かなくたっていい。誰にもわからなくってもいい。なのに、ものすごく、わかるなって瞬間がやってきたりもする。ぜんぜんわかんなくたって、なんかすっごい好きっていう場合もある。 好きな人のどこが好きなのかうまく言えないみたいに、共に過ごした年月や巡り合わせで、大切に思う歌が私にも何曲も思い浮かぶ。たったの5分弱でいくらでも、何回でも、気が済むまで心に抱きしめられる。これからどれくらいの歌を、どんな歌を書いて歌って死ねるだろうかと思う。まだ今の私には、なんにもわからない。できるだけいっぱいの歌を作りたい。満足いくまで歌って死にたい。 <植田真梨恵> ◆紹介曲「 I JUST WANNA BE A STAR 」 作詞:植田真梨恵とみんな 作曲:植田真梨恵 ◆ダブル配信シングル 「WHAT's / I JUST WANNA BE A STAR」 2020年5月1日発売

    2020/06/15

  • 植田真梨恵
    シンガーソングライターに自分がなると思っていなかった。
    シンガーソングライターに自分がなると思っていなかった。

    植田真梨恵

    シンガーソングライターに自分がなると思っていなかった。

     2020年5月1日に“植田真梨恵”がダブル配信シングルをリリースしました。「WHAT's」は、映画『ミセス・ノイズィ』の主題歌。そして「I JUST WANNA BE A STAR」はドラマ『ピーナッツバターサンドウィッチ』エンディング主題歌です。また現在、絶賛アルバム制作に入っているという彼女。近々発表されるであろうアルバムを楽しみに、まずは今年の第1弾リリースとなった2曲を是非、歌詞と併せてチェックしてみてください…!    さて、今日のうたコラムではそんな“植田真梨恵”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届けしてまいります。今回はその第1弾。綴っていただいたのは、新曲「 WHAT's 」に通ずる想い。何故、彼女はシンガーソングライターになったのか。そして、シンガーソングライターになって大切にしていることとは何なのか。記憶を小学生の頃まで遡って、明かしてくださいました…! ~歌詞エッセイ第1弾:「WHAT's」~  歌詞。シンガーソングライターとは。シンガーソングライターに自分がなると思っていなかった。小学生の頃、家族を繋ぐ居間でひとつのテレビにかじりついて観ていた音楽番組。まさしく音楽番組が、家族を繋いでいた。そんな頃、オーディションを受けて歌手になろうとしていた。歌手になるということ。歌手というのは歌がうまいからなるんだと思っていた。歌がうまい人がなる職業は、歌手しかないと思っていたから。両親ともに歌が好きで、日々めちゃくちゃ歌うということ以外は、平凡な家庭だった。  オーディションにはなかなか受からなくて、ギリギリでいつもだめだった。負けず嫌いな性格で、ダメってなってもなかなか諦めきれなかった。そんな風に大きくなり、中学生になった。中学では部活もやって、普通に受験して、わたしも大人になるのかとほんのり思い始めてしまった。別に悪いことじゃない。でも夢に翳りが見え始めたことは確かだった。それまでは、自分のこと、歌手になるって信じてやまなかったから。  中学時代から、音楽の聴き方が変わった。それまでは歌を聴いていて、熱唱できるような、ダイナミックな歌が好きだった。というかそういう歌を探していた。そういう歌い手にすごいなと憧れを持っていた。それが、周りの友達の影響から、いわゆるシンガーソングライターである人や、バンドの曲を聴くようになった。それはどうやら、歌をうまく歌うことに特化した音楽ではなかった。    いろんな音たちが遊ぶように鳴っていて、不思議な響きだったり、毎日の暮らしが目の前に見えるようだったりする歌詞が、その人の持つ声で歌われていた。自分にはなぜか遠い音楽のように思っていた。わたしは遊びで歌を歌っているつもりはなかった。でもなんだか、おもしろくて、自分で歌をつくり歌を歌っている人たちの音楽をもっと聴きたいと思った。勝手にのめり込んでいた。  その後、わたしは中学卒業間近で、ようやくオーディションに合格する。やっと歌手になるために掴んだ道。自分がどんな歌を歌う歌手になるのかもわからないまま、歌いたいテーマなんて全くないまま、一人暮らしが始まった。そんな日々の中で、出会ったひとりのスタッフさんの勧めで、歌を作ることになった。    曲を書く。歌詞を書く。一人での暮らしは思ったよりずっと寂しく、充実させるには難しく、それで、私の生活のなかにはいつも好きな歌があった。そんな歌たちが、歌ってくれている生きた人間の歌詞やメロディが、一人きりの私の生活を支えていた。  そういうわけで私は、シンガーソングライターになった。歌詞なんていまだに上手に書けない。でも、歌詞のプロとして誰にお願いされた仕事でもないわけだから、とにかく私が感じていることや、送っている日々のことや、なんとも言い難い感情なんかを、歌にする他に、できることなんかなんにもないのだ。ましてや私の本名で世の中に残すものなのだ。人にあげるものではないのだ。私が中学時代のめり込んで聴いていたように、誰かに命のにおいを届けるように、そんな風に歌を作るしかないと思った。今もそう思う。  「WHAT's」という曲は、日々の中での大切な人のすれ違いから生まれた曲だ。映画に向けて書いたものではあるけれど、作品向けという以上に、ふつうに生きてる中で起きた出来事から歌詞が生まれた。メロディと一緒になって、どうしようもない想いを1曲にしておこうと思った。自分にしか歌えない歌なのだろうか。個性的な言い回しも言葉遊びもない、なんの奇をてらうこともなく作ったこの曲が、そうなのかはわからない。    でも、間違いなく、生活をしているわたしの中から生まれた歌詞で、ただのノンフィクションな1曲です。大好きな人と分かり合えないとき、聴いてくれるその人のものにこの曲は成り得るのかもしれないと、思います。 <植田真梨恵> ◆紹介曲「 WHAT's 」 作詞:植田真梨恵 作曲:植田真梨恵 ◆ダブル配信シングル 「WHAT's / I JUST WANNA BE A STAR」 2020年5月1日発売

    2020/05/15

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