「今日何食べたい?」

DISH//
「今日何食べたい?」
2025年10月1日に“DISH//”がニューシングル「ごはん」を配信リリースしました。同曲は、タイトルの通り“ごはん”を通して、大切なひととの時間や、自分を大切にするひとときを描いた作品。作曲を橘柊生(DJ&key.)と泉大智(Dr.)、作詞を北村匠海(Vo&Gt.)が担当しております。 さて、今日のうたではそんな“DISH//”の北村匠海による、歌詞から派生したストーリーをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 ごはん 」にまつわるお話です。<僕>にとって、一日一日のごはんが大切であるその理由は…。ぜひ、歌詞とあわせてお楽しみください。 「あのね、今日のごはんは君の大好物にしたよ。明日は僕の大好物にしても良いかな? そうやって毎日繰り返せたら、きっと人生が目を閉じる時笑える気がするんだよね」 僕らは小さな小さな人間で、誰かと支え合って生きなくちゃとてもじゃないけど立っていられない。 そんな弱い僕らだからこそ、あのファストフードも、たまにの贅沢も、冷蔵庫の残り物も、いつものごはんも、全部美味しいねって思えるのかもしれない。 「美味しいね」 いつも元気で明るくて誰かを思いやって生きているあなたは、僕のことはもちろん(嘘でもそうであってくれ)世界中の人のことを優しく包んでいるようだ。何度も何度も転けては起きてを繰り返した僕の膝小僧は、あなたと会うまでは傷だらけだった。 「ありがとう」 こんな簡単な5文字しか出てこない僕をどうか怒ってはくれないか。 そんな情けない僕なのだ。 そんな僕にも自慢できることはある。それはあなた専用のシェフであることだ。 「今日何食べたい?」 僕の中で1番カッコをつけて言える言葉だ。決まっていつもドヤ顔をしている。そんな僕をみてケラケラと笑うあなたは、世界で1番綺麗な人だ。 「……」 そんなあなたも、落ち込む日はある。苦しそうに我慢をしている日だってある。あまりに神様は残酷で、良いことばかりが人生ではないと地面に叩きつけてくるんだ。 「今日…何食べたい?」 少し間ができてしまった。 「いらない」 そんなことを言わないでおくれよ。でも僕はめげない。 「こんな時こそ、ごはん食べなくちゃ」 「……」 人生はシーソーのようであると、時々思う。相手が地面を思い切り蹴って空に飛び上がると、自分はその勢いで下がってしまう。今度は自分が勢いよく地面を蹴ると、相手はスッと下に向かう。でもそれが良い。家族、恋人、友人、今日すれ違った誰かとだって、シーソーのように繋がっているんじゃないかと。僕はそう思う。 どんな人生だって良い。 誰かの為にあれば良い。 ごはんが今日も美味しいと良い。 あのね、僕は今日を愛しています。 <DISH// 北村匠海> ◆紹介曲「 ごはん 」 作詞:北村匠海 作曲:橘柊生・泉大智・Carlos K.