伝えたいこと。

 2022年8月15日に“麗奈”がDIGITAL SINGLE「好いひと」(いいひと)をリリースしました。同曲は、ABEMAオリジナル恋愛番組『オオカミ』シリーズ最新作『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』のBGMとして起用されているナンバー。好きになった人を信じたいけど、信じていいのか、信じちゃいけないのか。その狭間で迷いながらも抱える恋心や、きっとどんなことがあっても変わらない想いを歌ったラブソングとなっております。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“麗奈”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「好いひと」に通ずる想いです。大人になればなるほど、純粋に「好き」だけではいられなくなりがちなわたしたち。みなさんは自分にとっての“好いひと”に、伝えたいことをちゃんと、伝えることができていますか…? 歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。



君のことが好きだ。他の誰よりも。
毎日のように考える、朝も昼も夜も。
 
そんな想いに一生懸命向き合っているあの頃の自分もいた。
ずっと昔の話になるかもしれない。
そして誰の心にもある「壊れやすい気持ち」なのかもしれない。
 
純粋に好きだという気持ちは、歳を重ねるにつれ疑いになってしまうことに気が付いたこの頃。それは少し心が賢くなってしまったのか、臆病になってしまったのか、ただ損得を考えてしまうようになったからなのかは分からない。好きなはずの相手の行動が不意に全てまやかしなんじゃないかって思う時、あなたならどうするんだろう。
 
きっとそうやって自分の頭の中で好きな人にそっぽ向かれたって、目の前に立ったらまた照れくさいんだろう。
 
片想い、こんな時が一番“感”を“動”かされる。
 
誰だって振り向いて欲しいと頑張るだろう。相手の好みの髪型に変えてみたり、相手の好きな音楽をこっそり聴いてみたり、寝る前に泣いてしまったり…。そんな合間の好きな人の優しさっていうものはとてつもなく嬉しい反面ものすごい恐怖が迫ってくる。
 
「希望」と「絶望」。
 
少しは気があるのかなとか、そんな気持ちがないならもう優しくしないでとか、信じたいけど信じてしまったらまた傷付くのは自分だけで相手は何も知らない。そんなの理不尽だって思いながらも恋って止められない、神様にも友達にも誰にも。
 
たとえ、振り向いてくれなくても相手が遠くへ行ってしまっても心の隅にはずっと生きていて、心の引き出しを整理しようとする頃にまた思い出として思い出す。
 
「ああ、あの時ちゃんと信じていれば」「あの時信じていなければ」叶っていたのかもしれない、苦しまずに済んだのかもしれない、少しの後悔も残っていたりする。
 
そうして回りくどい大人になってしまった恋心は、喜びよりも苦しみばかり見つめて誰かを純粋に「信じる」事を忘れかけてしまっているんだろう。
 
だけどいつになったって恋はする、大人になってしまったっておばあちゃんになったって。それは誰にも止められない、神様でも友達でも自分でも。
 
あなたは今恋をしているのだろうか。
その恋はどんな恋なのだろうか。
 
ちゃんと相手のことを信じてあげられているのか。それとも信じることが出来ずにもがいてもがいてぎゅっとなる心を押さえてるのか。
 
いつか名前を呼んで欲しい。一目惚れなんて変だ。ずっと忘れられずにいたなんて言えない。振り向いて欲しい。好きになって欲しい…。
 
でも、傷つきたくはない。
 
そんな臆病さも余計な考えも丁寧にしまって、たまにはちゃんと伝えるのもいいんじゃないかな。いいよね。好きになったのなら、その相手はもう特別で何もかもが自分にとっては最高で、好いひと、なんだから。
 
「毎日のように考える、朝も昼も夜も。
君のことが好きだ。他の誰よりも。」

<麗奈>



◆紹介曲「好いひと
作詞:麗奈
作曲:麗奈・野村陽一郎