2022年10月23日に“麗奈”が3rd Single「ワカレミ」を配信リリースしました。絶賛配信中の「好いひと」が、ABEMAオリジナル恋愛番組『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』のBGMとして起用。そして今作「ワカレミ」は、「キミをアイス」「好いひと」に次ぐ、“恋”三部作の第三弾となる楽曲で、実は『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』にインスパイアを受けて、制作された楽曲となっております。
さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“麗奈”による歌詞エッセイをお届け!麗奈がこれまで書いてきたラブソング、「僕だけを」、「キミをアイス」、「好いひと」、そして新曲「ワカレミ」にまつわるお話を綴っていただきました。それぞれの歌に込められた“好いひと”への想いを、歌詞と併せて受け取ってください。
これまで、恋のうたを何曲か書いてきました。
まず「僕だけを」
これはタイトル通り、僕だけを見ていてという想いが込められた作品です。
この曲の主人公“僕”が“君”に対しての気持ちを綴った歌なんですが、その“君”は私のことだったりします。そして、私は貴方から離れようとするんです。
強くならなきゃいけないから、一人でも生きていけるように、貴方の優しさに甘えてばかりじゃ駄目だから。一人じゃ何も出来ない人にはなりたくない、弱くてちっぽけな人間のままじゃ嫌だと。
でも貴方は、強くならなくてもいい弱いままでいい、そう言ってまた優しい言葉をかけてくれた、僕だけを見てて欲しいって。
私自身の想いと貴方の想いを同時に、目の前が真っ暗になるぐらい考えたんです。だけど、ただただ不安に駆られていました。貴方が私から離れてしまったら? と考えた時の恐怖。貴方がいなくなってしまって、私だけが取り残されて何も出来ないままでうずくまる辛さ。
だからこそ、貴方が離れてしまう前に、私だけでも生きていけるような強さが欲しかった。そして、こんな思いに染まる自分が嫌いだった。わがままで、きっと貴方からすれば私は最低な女の子なのかも知れません。
私はその時、ノートに「僕だけを」の歌詞を書きなぐりました。嫌いな自分ではなくて、好きな貴方の気持ちを想いながら。
この「僕だけを」って曲は、
そんな自分勝手でわがままな、
私だけの曲なのかも知れません。
そして夏にできた曲が「キミをアイス」
monogatari.comさんとのコラボで作らせて頂いた曲。「好き、でも言わない、言えない。」というテーマで小説を募集して頂き、その中の1作品をもとに曲を書きました。
気になる相手は、凄く仲のいい友達。いつも一緒にどうでもいい事も笑いあって、同じ時間を過ごして、同じ景色を見てきた、最高の友達。
ただ、気になってるだけ。
今、胸のどこかにある素直な気持ちを伝えてしまった後の未来への不安。その不安を考えてしまうと、臆病になり「言えない、言わない」。きっと、凄くもどかしい気持ちが、コラボさせて頂いた作品にも描かれていた。
どんなに近くに居ても伝わらないものがあって、どんなに仲良くても届かない想いがあって、どんなに目を合わせても言えないことがある。
きっと誰もが経験したことのあるような気持ちだと思う。
私こそそうだ。
なかなか素直な気持ちは伝えられない上に、恥ずかしがりや、そして臆病者だから、気持ちなんて上手く伝えられないし、伝えた後の不安には勝てない。たとえ自分の想像するいい結果が待っていても、気持ちを伝えることは凄く難しい。
相手のことを好きって気持ちだと尚更。
ほんとにもどかしいこの気持ちが、作中からすごく伝わってきてそれを上手く表現したかった。そしてこの歌詞を書きました。
そんななかで「好いひと」という曲が出来ました。
この曲はほんとに純粋で、繊細な曲です。
弱さを隠すための強がりにも、優しくしてくる君は、なんのために優しくしてくれるのか。嬉しさで舞い上がりそうになるような君の言葉や行動は、少しでも私のことを想ってくれてるからこそなのかな。そう考えちゃう時は変に冷静になるもので、よからぬ事も考えてしまうものです。
こんな舞い上がってちゃダメだとか、でも少しくらい希望をもっててもいいよねとか。信じているつもりでも、どこかでは疑っちゃってる。
近くにいるのに遠くにいるような、触れられる距離にいるのに触れられないような、1歩踏み出せば何もかも解決しそうだけどそう上手くは行かない恋。だからこそ、少しだけでも繋がった部分を大事に大事にしてる、どんなに辛くても、君がそっぽ向いてても。
本気で想ってるからこそ、本気で振り向いて欲しいからこそ、ずっと考える。本当はそのひとつひとつがとても大切で、全部を君に伝えたいという想いを綴った曲です。
最後に、別れの歌でもある「ワカレミ」
ずっと想い続けている人との別れ。きっとこの世のどこにもないような辛さと、心にぽっかりと穴が空いてしまったような気持ちになってしまう。
いままでの思い出、写真、贈り物、肌、匂い。
別れ際、全部が鮮明に蘇ってくるようで、その時にようやく私はあなたの事を何もかも覚えてるんだと気づく。
これまでの1秒が恋しくて、その1秒を思い出す度に辛くて辛くてどうしようも無くなったりして。忘れたい思いのはずなのに、とても大切なものばかりで、丸めて捨てたいのにどうしても捨てられない。
そんな風にずっと過去を引きずっているような想いを、未練がましいだとか、女々しい、だという人がいるだろうけど、きっと素敵な思い出が沢山あったからこそ、心の中でずっと輝いているんだと思う。それがいずれこれからの人生の栄養となって、素敵な人になっていくんだと私は思ってる。
苦しさが和らいだ時、きっとその時は前を向く合図で、その時にちゃんと「さよなら」すればいいと私は思います。