静まり返った卒業式

 2022年12月25日に“ちゃんゆ胃”が新曲「Dear.a(2022ver.)」をリリースしました。今作は2020年12月にリリースした親友へ送った楽曲「Dear.a」のバンドアレンジver.で、リリース前からSNS上で“友達との思い出動画“のBGMとして使用され、ファンの投稿でも2000人を超えるユーザーがシェア。合計200万を超える「いいね」を獲得。週間USEN HIT J-POPランキングでも8位にランクインするなど話題となった1曲です。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな“ちゃんゆ胃”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、「Dear.a(2022ver.)」にまつわるお話。どのようにこの歌が生まれたのか、そして今、自身にとってこの歌がどんな存在になっているのか。想いを明かしてくださいました。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。



2022年12月25日(日)に「Dear.a (2022ver.)」をリリースしました。ちゃんゆ胃が初めてリリースした楽曲「Dear.a」が2年の時を経てバンドアレンジで再リリース。大切な友達のことを思って聴いてほしいです。そして、普段伝えることのできない友達への気持ちをこの楽曲で伝えてほしいと思います。
 
【静まり返った卒業式】
 
人生で一番濃い思い出のある高校3年間の最後の日は「寂しいな、物足りないな」そんな思いを抱き、あっけなく終わってしまいました。
 
新型コロナウイルスの流行で在校生が歌うヴェートーヴェンの「第九」も吹奏楽の演奏も私たちにはなく、気持ちも体育館も静まり返っていました。友達と楽しく過ごした日々の最後は満足した形で迎えることができず、新しい日々のスタートにも寂しさを感じていました。楽しかった思い出が脳裏に浮かび、それを語り合うことすらも出来ませんでした。
 
期待を膨らましていた大学の入学式もなくなり、友達もできないまま画面と向き合う大学生活を過ごしていたある日、高校で出会った親友と久しぶりに電話で何時間も談笑しました。その時、親友から「私の曲作って」と冗談混じりに言われ、私もなんとなく曲を作り始めました。
 
その人だけに、親友だけに向けた曲を作っていく中で、友達の大切さ、会える距離にいなくても音楽で気持ちを伝えることのできる素晴らしさを感じることができました。
 
こうして出来たのが「Dear.a」です。
 
【アーティスト活動のはじまり】
 
自分の素直な気持ちを歌詞に乗せて曲を作り、歌詞動画としてSNSに投稿したところ多くの人から反応をいただきました。「この曲を通して、コロナ禍でなかなか会えない友達に想いを伝えることができました」や「素敵な曲を作ってくれてありがとうございます」といった共感や感謝の声を頂きました。当初の私は親友に向けた楽曲を多くの人にも共感していただき驚きでいっぱいでした。
 
それからこの「Dear.a」をきっかけに、ちゃんゆ胃としての音楽活動が始まりました。
 
コロナ禍が長引き、なかなか親友に会うことができない中、アーティスト活動の幅はどんどん広がっていきました。その過程で原点である「Dear.a」をリアレンジすることが決まり、一番に親友に伝えました。「何回聴いても胸がいっぱいになる、作ってくれて本当にありがとう。」親友の言葉に懐かしい気持ちが蘇り、改めて出会えてよかった、作ってよかったと強く感じました。
 
「Dear.a」は何年経っても友達と繋がるきっかけになり友情を深めることのできる、私にとって一番大切な楽曲です。2年越しの再リリース。今以上に多くの人の中で友達と繋がるきっかけになって欲しいと思っています。そして、この「Dear.a」という曲が届いた人の中でずっとずっと在り続けて欲しいです。

<ちゃんゆ胃>



◆紹介曲「Dear.a(2022ver.)
作詞:ちゃんゆ胃
作曲:ちゃんゆ胃