いろんな“すき”を探している。

 来年2024年9月18日に“SARD UNDERGROUND”がデビュー5周年を迎えます(アーティスト写真:坂本ひろ美(Key)、神野友亜(Vo)、杉岡泉美(Ba))。彼女たちは、令和の時代に“ZARD 永遠のスタンダード・ナンバー”を継なぐトリビュートバンド。2019年にZARDの数々の名曲が詰め込まれたトリビュートカバーアルバムでデビュー。そして現在に至るまで、数々のZARDのカバー曲と、坂井泉水の未公開詞によるオリジナル曲の他、ボーカル神野友亜によるオリジナル曲を発表し続けております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんなアニバーサリーに向けて“SARD UNDERGROUND”の神野友亜による歌詞エッセイを1年を通じ、12ヶ月連続でお届け!今回は第3弾です。綴っていただいたのは楽曲「オレンジ色」にも通ずるお話。気持ちいい天気の日にしたくなる散歩。神野友亜がその帰り道で決めているとある“ルール”とは…?



秋の空は天候が変わりやすく、心も揺れやすい。
どの季節も快晴の空が一番好きだけれど、
雨上がりの少し湿った空や、
可愛らしい形の雲がぽつぽつと浮いている空も好き。
 
気持ちいい天気の日は、その日が休日だとなおさら、外に出ないと勿体無い。
 
近くの公園で本を読んでみたり、
近くのカフェを探索してみたり、
子供たちのキャッキャという声に心を和ませたり。
近くでなくても、行きたい場所リストから一つ選んで、そこを目指すのもいい。
 
でも、私が一番好きなのは、行き当たりばったりの旅。
行き先は決めずに、
歩いたり、たまに電車やバスに乗ったり、
何も考えず、ただ景色を楽しみながら進む。
そうしていると、いつもずいぶん遠くまで来ていて、気がつけば三つの県を跨いでいた…なんてこともありました。
 
それにしても、紅葉に包まれた街並みのあたたかさには毎年驚かされる。
心の中の冷たい空気を全部入れ替えてくれるみたい。
 
帰り道は、“来た道を同じようには帰らない”というのが私のルール。
違う線の電車に乗ったり、同じ道路を歩くなら、横断歩道を渡って反対側の道を歩く。
そうやっていつも新しい景色を求めて、その日に出逢う、いろんな“すき”を探している。
好きなことが増えると、同時にまた一つ自分を好きになれる気がする。
 
散歩の後はいつも心が優しくなっていて、
そんな心につい微笑んでしまいます。
 
秋は食べ物も魅力的。
私の推しは、きのこたっぷりの炊き込みご飯。
今年も既に三回は作っています。
今も食べたい…。
 
オレンジに染まる葉っぱが落ちたら、ぎこちなく漂いはじめる冬の香り。
冬の散歩はどんな出逢いがあるのでしょう。
また散歩をしよう。

<SARD UNDERGROUND・神野友亜>


◆紹介曲「オレンジ色
作詞:神野友亜
作曲:川島だりあ・Chris