「6人目の登場人物として歌詞を書いてほしい」と

 2024年10月30日に“森 大翔”がニューアルバム『Let It Grow』をリリースしました。今作には、ドラマ『マイダイアリー』挿入歌「群青日記」、2024年2・3月度TBS系『よるのブランチ』エンディングテーマ「アイライ」、そのほか真骨頂のハイエナジーなRock/Popナンバーやバラッドのみならず、アルバムならではの新ジャンルにも果敢にチャレンジした全14曲が収録されております。
 
 さて、今日のうたではそんな“森 大翔”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、収録曲「群青日記」にまつわるお話です。ドラマ『マイダイアリー』挿入歌として書き下ろしたこの歌。自身を6人目の登場人物として、脚本を読んでみたとき、溢れてきたもの。そして、自身の経験とリンクしたものは…。ぜひ改めて、歌詞と併せてエッセイを受け取ってください。



「群青日記」は、ABCテレビ・テレビ朝日系10月クールドラマ『マイダイアリー』挿入歌として書かせていただきました。ドラマの挿入歌を担当させていただくのは初めてでした。
 
プロデューサーさんとお話をした際、「6人目の登場人物として歌詞を書いてほしい」と言っていただき、脚本を読んでみました。
 
すると、登場人物それぞれ、優しさ故の不器用さがあったり、見えない傷を抱えていたり。そうやって悩みながらも、互いに真っ直ぐ向き合い、信じ支え合う姿がとても温かくて。登場人物たちが自分の心の中に居るように感じて、今まで蓋をしてきた感情が共感と共に溢れてきたのを鮮明に覚えています。
 
僕は昔から、心で思ったことを打ち明けて言葉にするのが得意ではなく、15年育った地元を離れた時からずっと、正体不明の孤独みたいなものがありました。ただ、弱さは悪いものだという思い込みが強かったこともあり、誰かにその悩みを打ち明ける事はなく、忙しい日々で紛らわす事を続けて、“ひとりが怖いのに ひとりが怖いと言えない”というもどかしさのなか、ずっと独りで戦っていた気がします。
 
そんな僕が2年前に上京した際、奇跡的に地元が同じ同級生の友達が近くに住んでいて、週2くらいで一緒に夜ご飯を食べて銭湯に通っていました。(その銭湯は去年惜しくも閉店…)。
 
直接抱えていた悩みを話さずとも、一緒に美味しいご飯を食べて笑い話をしていると、自然と悩みや痛みが和らいで忘れていく温かく不思議な感覚を知り、そんな経験がドラマの物語とリンクして曲と歌詞が生まれました。
 
僕にとって、素直でありのままでいられる存在が友達でしたが、それは別のものでも言えると思います。たとえば、音楽や作品。『マイダイアリー』もまた、心に寄り添って、ずっと居場所の様な存在になってくれる優しいドラマだと感じました。そんな作品に関わる事ができて本当に嬉しいです。
 
初めてドラマの中で自分の曲が流れた時は、自分の中から生まれ、作り上げていった曲がとうとう旅立ち、ドラマの世界で流れている実感がなくてドキドキだったのですが、回を増す毎に、物語や登場人物の心情に曲が馴染んでいってくれて、ドラマと共に沢山の人に届いていると実感しました。それは僕の音楽人生の中でかけがえのない経験でした。
 
「群青日記」はこれからも大切に歌い続けたい一曲です。
 
<森大翔>



◆紹介曲「群青日記
作詞:森大翔
作曲:森大翔

 
◆ニューアルバム『Let It Grow』
2024年10月30日発売
 
<収録曲>
01.I thank my self (for all of me)
02.アイライ (Let It Grow Ver.)
03.Chaotic世界
04.夏の落とし物 (Let It Grow Ver.)
05.大都会とアゲハ
06.mom
07.雪の銀河
08.きっと上手くいくよ
09.悲しみの空の果て
10.群青日記
11.VSプライドモンスター
12.Crybaby Fly!
13.ラララさよなら永遠に
14.光の風になって