2025年2月5日に“『ユイカ』”が新曲「おくすり」をリリースしました。20歳を迎えた『ユイカ』初の配信リリース曲で、編曲はトオミヨウが担当。従来のバンドサウンドではなく、シンセや打ち込みのビートがメインの爽やかなエレクトロ風なサウンドと、自らを”おくすり”に例えたPOPな歌詞が特徴的なラブソングに仕上がっております。
さて、今日のうたではそんな“『ユイカ』”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「おくすり」にまつわるお話です。この歌を書いた3つの理由とは…。自分自身でも大好きと思える新曲への想いを明かしてくださいました。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。
元々こうして書いた曲について語るのはすきじゃない、というか、してはいけないと思ってた。
だって私が書いた曲を私が解説したら、聴いてくれてるみんなは答え合わせしちゃって今後曲を聴いてもおもしろくないじゃん!ということで。
今回は曲の解説が欲しいという貴方に向けて書きますので、知りたくない貴方はここでもう読むのをやめてください。
あら、貴方は私の解説が聞きたい変わり者ですね、前置きが長くなっちゃってすみません、それではお話します。
今回「おくすり」という曲を書いた理由は3つ。
1つ目は私にしか書けない曲を書きたかったから。
両親が薬剤師で小さいときからおくすりが身近にあったのと、元々音楽をする前は薬剤師を目指していたから、それは私の個性かなって。
2つ目はちょうどそのとき風邪をひいておくすりの処方箋があったから。
曲を書こうと思ったとき、風邪ひいて曲書けないよ~って思ってたけどなんならそれを逆手に取ってやろうと思って目についたのが処方箋でした。
3つ目は「おくすり」っていう字面がなんかかわいかったから。
これに特に理由はないの、なんかかわいい。
インタビューではかっこつけて1つ目の理由しか言わないけど、ほんとは3つ目がいちばん大きいかも、内緒だよ。
特に今回こだわったのは、見栄を張らないこと。
私はよく曲の中で「自分はできないくせに」みたいなことを書いちゃう。
「恋泥棒。」とか、告白しようとするシーンがあるけど、そもそも私、放課後2人きりの空間とか作れないし、呼び出したりできないし!
だから今回は取り繕わない、そのままの私を曲にすることを裏テーマに書いた。
それが1番出てるのは2番Bメロの
ご飯は毎回奢らなくていいからね。
ご飯は毎回奢らなくていいからね。
交互で払うルールにしよう、
私貴方より食べちゃうかもだから。
の部分。前の私ならきっと「全部食べる!って言いながら結局食べれないから貴方は少なめに頼んでね」とか書いたと思う。
まあそれもかわいいと思う、たぶん。
だけど私めっっちゃご飯食べちゃうの、食べられちゃうの、ご飯残したくないの!!
でも、そんな私も見せていいかなって、この曲を聴いてくれるはずのみんなにはそういうのバレてもいいかなって思って書きました。
その分私はこの曲に共感できるし思い入れがあるしこの曲がすき!
今まで曲のタイトルは曲が完成した後につけるタイプだったけど、今回はタイトルを決めて、テーマを決めて書き始めた。
最初はテーマに縛られすぎて難しいかも…と思っちゃったけど、もうここは縛られまくろうと吹っ切れておくすりにまつわる言葉ぜんぶ詰め込んだ。
楽しかった、曲を書くことがこんなにうきうきしたのは久々だった。
というのも、あまり表で言わなかったけど曲の書き方を忘れちゃう時期があって、自分の書く曲の良さが分からなくて、悩んでた。
私は悩んでるとか、不安だとか、そういうマイナスことを表に出せなくて、どうしても元気な顔をしちゃう。
そんなときに「おくすり」を書こうと思って、自分の書きたいこととか、使ってみたい言い回しとかぽんぽん頭に浮かんで、とても、とっても楽しかった。
今思えば自分にとっての「おくすり」がこの曲だったのかもしれない。
この曲を書けなかったらきっと私はずっと悩み続けてたかもしれない。
だから私にとってこの曲はずっと愛していたいし、みんなにも愛される曲になってほしい。
顔出しをして、活動スタイルも大きく変わっていって、まだみんながそんな私を受け入れきれてないはずのときに出した曲だからちょっといけすかないぜって思っちゃうかもだけど、私はこの曲がだいすきだから、いつか同じようにみんなにも愛してほしいし、愛してもらえるようにがんばるね。
この曲が貴方のおくすりになりますよーに!!