長編歌謡浪曲 信長

三波春夫

長編歌謡浪曲 信長

作詞:三波春夫
作曲:三波春夫
編曲:桜庭伸幸
発売日:2013/07/17
この曲の表示回数:8,520回

長編歌謡浪曲 信長
尾張のお国はわが日乃本の
要なりゃこそよく解る
乱れ乱れた世の相(すがた)
正して呉れよう信長は
時期(とき)こそ今かいざや
征くぞ嵐の桶狭間

「者共、陣触れじゃ、
藤吉郎、猿よ、馬を引け!」

永禄三年六月の
朝霧ようやく晴れる頃
熱田の宮に祈りを籠めて
乾坤一擲(けんこんいってき)信長は
鳴海街道ひた走る
敵将今川義元は
率いる軍勢四万余騎
京の都を目指しつつ
駒を進めた勝ち戦さ
折しも丁度お昼どき
酒や肴でもてなされ
悠々くつろぐ田楽狭間
この時突如轟然と
天の味方か嵐が起こる
その只中を信長軍は
怒濤の如く斬り込んで
遂にあげたる勝名乗り
織田の勝鬨天下に響く。

楽市楽座の賑わいぶりよ
夢を興(おこ)した岐阜の街
広い世界を目に入れて
日本を動かす信長も
今宵は少時それよ
鵜飼楽しむ長良川
関所は要らぬぞ誰でも通れ
旧い暦は捨てるのだ
戦さするのも新しい
時代を創る信長ぞ
天下の民がそれよ
活きる姿を観る為よ

「蘭丸、光秀が謀反(むほん)とな。彼の兵力は確か一万参千、
この寺を囲んだか。先の見えぬ大白痴(たわけ)。
己が此の御国の舵取りをどの様に進めていけるのだ。
蘭丸、余はそれが無念ぞ。うふふふ、うははは、人間とは愚かな者よ」

下天(けてん)は夢かや幻なるか
所詮人間五十年
燃えて崩れる本能寺
炎の中に信長は
男の最后それよ
何んの言葉も要るものか
噫(あ)々嵐呼ぶよな朝が来る

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