長編歌謡浪曲 赤穂城の内蔵之助

三波春夫

長編歌謡浪曲 赤穂城の内蔵之助

作詞:北村桃児
作曲:伏見竜治
編曲:山倉たかし
発売日:2013/07/17
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長編歌謡浪曲 赤穂城の内蔵之助
春の風が 乱れて吹いて
雲が飛ぶ飛ぶ 赤穂城
殿の形見の かずかずに
心の奥で 問いかけて
しみじみ泣いた 内蔵之助

「殿、御無念で御座りましたろう。
殿が家督(かとく)をお継ぎ遊したは御年九ツの時、
その頃内蔵之助も家老の重職を承わった、
私は十九で御座りました、
それより数えて二十何年勿体なき事ながら吾が弟とも、
わが子とも思い参らせて、お育て申しました。
殿、内蔵之助が江戸に居りましたなら、
貴方様の口惜しさもお慰め出来たものを。
……何時ものあのお声でこの内蔵之助をお叱りなされて下さりませ」

殿が愛した 民百姓を
何んで見捨てゝ 良いものか
騒ぐ波風 おだやかに
必らず静めて 見せましょう
最後のこれが 御奉公

「殿が十七才、お輿入れなされた奥方様が十才の春、
御祝言の席上お祝いを申し上げました内蔵之助の目に
まるで一対のお雛様のような可愛い御夫婦に見えました。」

今日が最後の 大評定(だいひょうじょう)と
覚悟みなぎる 赤穂城
されど人数は 五十六
すゝり泣きすら 洩れる中
静かに坐る 内蔵之助

「扨(さて)、御一同 赤穂浅野家最後の評定をとる者は、
わずか五十六人かと最前まで内蔵之助は残念に存じておりましたが、
各々方のお顔を見てこれこそ忠誠無二、
大石の心中を打ち開けて頼むに足る方々のみと、
私は嬉しく存じまする。本日まで馴れぬそろばんを手にして
どうか領民の生活の立つようにと苦心致しましたのも御主君が
死して後まで陰口叩かれては家来として何んの面目が御座りましょう。
扨、各々方私が只今から申す一事(ひとこと)を
どうぞお聞き捜しなきよう、お願いを申上げる。
この大石が今日まで密かに恐れおのゝいていた事は
一天万乗帝の勅使を迎えた当日、例え意趣であり遺恨であるにもせよ
刀を抜いて血で汚した主人内匠頭が犯せし無礼が
帝の御宸禁(ごしんきん)を如何に悩し奉ったかと云う事で御座った。
若しや勅使を蒙(こうむ)る身とならば死して尚、
末世末代内匠頭は皇室不敬の大罪人、我等一同とても日本国中、
身の置き処なき浪人となるで御座りましょう。
それが……それが昨夜京都留守居役小野寺十内どのが帰国致して申さるには、
近衛関白を初め勅使に立たれし柳原大納言様や
公卿の方々より吉良上野介を討ち洩した浅野は不便(ふびん)じゃと
手厚きお悔やみのお言葉を戴きました。
それのみか!それのみか各々方、
京都御所紫宸殿貴き御簾の内より
「浅野内匠頭 想いを達せずはまことに哀れな者」
と畏くも帝の御声を洩れ承わったのじゃ!
喜び召され御一同これにて亡君長矩(ながのり)様は
救われ……救われましたのじゃ!!
この上は最早や何処を憚(はばか)り 何処を恐るゝ処もない。
決死の勇士五十六人力を合せて吉良上野介を討つ事で御座る。
又、二ツには幕閣につながる人々の悪政は限りを知らず、
当五代将軍御代に於て取り潰し又、改易となったるは、
大小四十八頭(かしら)その最も大きくは越前宰相五十二万石を始めとして
作州(さくしゅう)津山十八万六千石、その他、合せて、
二百七十一万四千石を幕府の手に取り上げ、
三万有余人の我等と同じ浪人を生むに至った。
御一同よいか、只ひとりの吉良殿を討つ事は
即ち日本国の政道に批判の一矢(いっし)を報ゆる事じゃ、
各々方の、その赤き血を以って連判状に只今から何卒御署名を
願いたいので御座いまする!!」

固き誓いの 連判状に
燃ゆる真心 鬨(とき)の声
一人一人を 見渡して
何時しか突いた両の手に
涙が落ちる 内蔵之助

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