「紅組優勝はなぜ?」のモヤモヤ解決!
「第67回NHK紅白歌合戦」が12月31日、東京・渋谷の“NHKホール”から生放送され、紅組が2年連続で勝利を果たしました! しかし、『視聴者審査』と『会場審査』では圧倒的に白組が優勢だったにもかかわらず、最後の『審査員票』により紅組が大逆転優勝した結果に、紅組司会者の有村架純さんも「え!?」と驚きの様子でした。もちろん多くの視聴者の方々が違和感を覚え、ネットは炎上。また、期待されていた“SMAP”の出場は叶わず、紅白名物歌手の和田アキ子・小林幸子らも不在でインパクトに欠けるなか、さらに内容が「グダグダ」「ガチャガチャしすぎ」といった厳しい声もたくさん上がっていた模様…。ただし、歌詞アクセス数に現れた紅白での反響に注目してみると、大晦日の「紅組優勝はなぜ?」のモヤモヤは解決するかもしれません!この特集では、そんな“紅白効果”を分析してみました。
最も歌詞アクセス数が上昇したのは、AIの「みんながみんな英雄」です。2016年1月5日に配信リリースされたこの曲は、プラチナリリックに認定されている歴代人気曲。紅白での歌唱により、もともとの人気に加え、さらに幅広い世代にその<歌詞>を印象付けました。その結果、紅白放送後にはなんと通常の約10倍近いアクセス数を獲得。現在、100万回アクセス突破間近です!
「みんながみんな英雄」は、桃ちゃん(松田翔太)・浦ちゃん(桐谷健太)・金ちゃん(濱田岳)らでおなじみのau“三太郎シリーズ”のCMソングとして昨年始から流れ、話題になった楽曲。メロディーはあの「オクラホマミキサー」をアレンジしたものです。この曲は、CM放送当初から「歌詞が最高!」と称賛されておりましたが、大晦日にこそピッタリ!AIのパワフルな歌声&笑顔で放たれる<あたらしい明日が待っている>、<あたらしい未来がやってくる>というフレーズが、2016年の終わりを、そして2017年の始まりを、パーッと太陽のように照らしてくれました!そんな楽曲が“紅白効果”の首位を獲得したことから、多くの視聴者が改めてこの歌詞に胸を打たれたことがわかります。
 紅白効果の【楽曲別アクセスランキング】TOP20内にランクインしている楽曲のうち、“紅組出場者”の楽曲が上位を占めていることに注目!3位にランクインしている松田聖子「薔薇のように咲いて 桜のように散って」は、昨年放送されていたドラマ『せいせいするほど、愛してる』の主題歌。紅白ステージでは作詞作曲を手がけた“X JAPAN”の“YOSHIKI”によるピアノ生演奏に乗せて、彼女の伸びやかで切ない歌声が披露され、その歌詞の美しさもお茶の間を魅了しました。さらに、7位の大竹しのぶ『愛の讃歌』は圧倒的でしたね…。彼女の全身全霊の歌唱が、多くの視聴者の心を震わせ、Twitterでも即トレンド入り!

 9位の椎名林檎「青春の瞬き -FROM NEO TOKYO-」もSNSを大きく盛り上げました。同曲は、彼女が結成したバンド“東京事変”解散ライブのアンコールで披露された特別な曲。さらに椎名林檎はこの曲を、解散直前の“SMAP”とスマスマにてコラボ披露したため、歌詞が話題となっていたのです。そして、SMAPが解散する大晦日。彼女はまさかの東京事変を引き連れて紅白に出場!完全サプライズでのバンド再結成にファン感涙のツイートが多く見られました。同時に、この一夜限りの再結成はSMAPに対する「解散してもいつかまた集まれるよ」というメッセージなのでは…?という思いを抱いた方も多数いらっしゃったようです。こうして様々な角度から注目を浴びたことが、歌詞アクセス上昇に繋がったのではないでしょうか。

 さて、2015年は紅組の勝因について<歌詞力>と<歌魂>がよりストレートに伝わった結果であると述べました。そしてそれは、2016年も同様なのかもしれません。今回の「紅組優勝はなぜ?」の答えは、女性アーティストたちの歌そのもののチカラであったということが、歌詞の“紅白効果”に注目すると明らかになりますね!
 特別企画枠であるため、ランキングには反映されませんが、嵐「ふるさと」の合唱も非常に大きな“紅白効果”を得ました。この曲は、紅白司会者プレゼンツのスペシャル企画として、紅白出場歌手全員で歌われたのです。大晦日のステージでは日本中でふるさとを支えている人々にエールを送るため、台風10号で大きな被害を受けた岩手県久慈市を訪れた有村架純さんの映像や、嵐・相葉雅紀が1964年東京五輪の金メダル第1号に輝いた重量挙げの三宅義信さんを訪問した映像が流れました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けて、歌に乗せた強い想いが視聴者に届いた結果、たくさんの歌詞アクセスを記録したのでしょう。
 今回の紅白で、盛り上がったステージといえばやはり“星野源”の「恋」でしょう!この曲は、自身が出演し大きな話題となったドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌。ドラマエンディングで“新垣結衣”ら出演者と踊る<恋ダンス>は社会現象にもなるほどのブームを巻き起こしました。紅白では、審査員としてガッキーが参加していたため、星野源と並んでの<恋ダンス>も期待されていましたが、残念ながらそれは叶わず。しかし、審査員席でひっそりと照れながら振り付けをする彼女の姿もまた「可愛すぎる!」と大反響で、歌手別の視聴率では星野源「恋」が2位の42.9%を記録!

 ただ、歌ネットの【楽曲別アクセスランキング】では星野源の「恋」が最下位だったのです。各配信サイトでは紅白出場以降、ますます人気が上昇しているのに、何故歌詞の“紅白効果”は最も薄かったのでしょうか…。その理由は複数あり、ドラマ最終回で歌詞人気のピークが過ぎてしまったこと、すでに歌詞を見なくとも歌って踊れる楽曲であること、などが挙げられます。また、同じく高視聴率を記録した“ピコ太朗”の「PPAP」も紅白効果がほとんど見られなかったことから、必ずしも<話題性>や<視聴率>が歌詞の“紅白効果”に比例するわけではないことがわかる結果となりました。