まず表全体を見ると、なんと総合TOP20の上位7作までが4月クールのアニメやドラマのタイアップ曲だったことが分かる。つまり、巷での話題番組は2、3に限られていたとしても、実際に関心の高かった楽曲はその倍以上あるということだ。
その中でダントツは、UVERworldの真骨頂とも言えるダイナミックでワイルドな「CORE PRIDE」。彼らは、もともと歌詞検索数の多いバンドだったが、今回はアニメ・タイアップに加え、6thアルバム『LIFE 6 SENSE』が6/1に発売になったことで、6月度のアーティスト別歌詞検索数でも1位となった。アルバム中で、特に人気なのが「いつか必ず死ぬことを忘れるな」。他の根拠なきエールソングがバカらしく聞こえてしまうほど、言葉に説得力がある。
2位は、ドラマ視聴率が20%を超えるお化けヒット・ドラマから平井堅の「いとしき日々よ」。平井も、6/8にアルバム『JAPANESE SINGER』が発売となったが、こちらはエロからクールまで、歌手としての振り幅の大きさに唸らされる秀作。
3位から5位には、この大ヒット・ドラマには視聴率は到底及ばないものの、楽曲の人気は同程度というドラマ・タイアップ曲がズラリと並んだ。これらは、同じく大ヒット・ドラマ『マルモのおきて』の主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」よりも上位なので、大健闘と言えるだろう。中でも、JUJUは、昨年末の「この夜を止めてよ」以降、CDや着うた以上に歌詞検索の上位が顕著に出ているので、7月13日発売のニュー・アルバムはオリジナル前作『JUJU』(累計14万枚)を大きく超える可能性が出てきた。
アニメ・タイアップでは、1位のUVERworldのみならず、6位のGalileo Galilei、10位のSPYAIRといずれもソニー系列のタイアップ枠がランクイン。アニメ・タイアップのCDは、ステッカーやDVDなどの付属品の魅力から、CDでのヒットが出やすい状況にあるが、このように歌詞検索が伸びるのが多いということは、やはりそれだけタイアップ枠に安住することなく、関心度の高い楽曲をグループ内で厳選していることも大きいだろう。
以上のように、アニメやドラマのタイアップは、番組が大ヒットしているものは勿論のこと、それ以外の楽曲でも大いに注目されるキッカケとなっていることが分かった。たとえ、そのシングルが話題とならなくとも、アルバム(とりわけベスト)発売時には、大きな訴求力となりうるので、レコード会社やCDショップには手を抜かず、タイアップ獲得時以外でもアーティストの支援を続けてもらいたいものだ。それが、音楽ファンを徐々に増やしていくのに、実は最も近道と言えるかもしれない。