1位、2位は、ともに前年10月クールのドラマ主題歌となった楽曲。どちらもオリコンではTOP10入りしていないが、歌詞サイトでは総合でも月間1位、2位という高さ、ダウンロードでも週間1位を獲得、FMでもヒット、カラオケでも上昇中で、むしろオリコンだけがガラパゴス化しているようにも思える。
3位と5位は、back numberとスキマスイッチの本格ブレイク前の代表曲で、こうした長い支持が顕著なのも歌詞サイトの特長だろう(back numberは、15年1月21日発売の新曲「ヒロイン」で更に化けそう。レミオロメン「粉雪」をスローにしたような名曲感のあるナンバーだなと思っていたら、小林武史プロデュースで納得!)。6位の吉田山田「日々」や12位のKANA-BOON「シルエット」もTV番組等で歌唱される度に、如実に歌詞サイトやダウンロードサイトで急浮上する、れっきとした「ヒット曲」だ。
本テーマのTOP10内に6作もの女性アーティストの楽曲、しかもすべて女性ソロであることも大きなポイントだろう。シングルを出そうにも、多種類販売で稼ぐとしてもメンバー別個別特典が出来るわけでもないし、現状のシングルチャートでは、まさに多勢に無勢だ。しかし、だからと言って、女性ソロの楽曲がヒット曲かどうかはシングルチャートの最高位では測れないというのが今回の分析でも明らかだ。
このような中でも、aiko、コブクロ、ゆず、DREAMS COME TRUEらは、オリコンTOP10入りをほぼ継続させているが、今年あたり、冒頭の“予約入金集団”によりTOP10入りが阻まれる可能性も十分にある。そういった場合でも、他のヒットチャートも複眼的に見ることで、本当のヒット曲を見出し、その中から自分の心の支えを見つけていただければ、とても嬉しく思うし、いい加減、音楽業界の人達も、そういった見識を持ってほしいと心から願うばかりだ。本当に支持されるヒット曲を大衆により多く楽しんでもらうこと。これが、音楽業界が必要とされ続ける唯一の方向だと信じている。