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Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。
10代の頃はハードコアバンドでギターを弾いていて、ボーカルがどんな歌詞を歌っているのかも(恐らく英語?)分からないまま演奏していました。
そんな時に、住んでる団地の盆踊り大会で弾き語りをやってみないか? というお誘いを頂き、そこで生まれて初めての作詞(日本語で)に挑戦したのがきっかけです。 -
Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?
日記や手紙を書くように取り掛かる事が多いので、色んな場面に出会えるように動いて、思いを交わしたくなる相手を求めながら生きています。
沖縄音楽の大先輩から、「歌や詞は音楽が生み出すものではなく、元来そこに無形のままあったもの達が蘇生されて出来ている。だから我々は、謙虚に真摯に日常の中に埋もれたままの欠片たちに耳と心を傾けて助産する生業なんだよ」という言葉を頂きました。
今の僕がそれを実践出来ているか分かりませんが、いつも心に留めるようにしています。 -
Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?
色んな方法を試しながらやっていますが、以前スランプ的な状態に陥り五十音表の上でサイコロを振って作詞しようとした時は、メンバーから心配されました。その内、コックリさん方式を試す日も来るかも知れません。
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Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。
沖縄県北部の「やんばる」と呼ばれるエリアに行くと、とてもクリエイティブになれる気がします。海と空と風がそうさせてくれるのかも知れません。
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Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?
「さよなら」という曲の詞は、ドラマ主題歌という事もあり様々な方の意見を受けて30回以上変更され、結果的に最初のものに戻るという経緯で完成しました。
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Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?
何語に翻訳されても伝わる歌詞、もしくは何語にも翻訳できない日本独自のニュアンスに満ちた歌詞。
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Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。
BEGIN「ハンドル」です。
暮らしの何気ない風景を描きつつ、人間の愛しさと哀しさが滲み、しかも物語が迎えた謎のエンディングを匂わすニヒルさも兼ね備えた歌詞で、比嘉栄昇さんの才能の奥深さに驚愕しました。 -
Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
または、使わないように意識している言葉はありますか?「永遠」と「刹那」の対比をよく使って来たのですが、今後はそこを避けようかなと思っています。
理由として、40歳を迎えるまでは人生をより濃密に生きる事を自分にも聴く人にも訴えたかったんだと思うのですが、今後は逆でいかに伸びやかに生きるかを人生の軸にしたいなと感じ始めてるからかも知れません。 -
Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?
表現者にとって最大の功績は、新たな表現者を産む事だと思っているので、誰が作ったかよりも、誰に届いたかを大切にしたいです。
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Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。
日本語という世界最高峰の言葉と向き合う営みを、どうか思いっきり満喫してください。
2005年4月沖縄で結成の4人組バンド。
沖縄音階にロック、レゲエをチャンプルーしたサウンドと、かざらない言葉でメッセージを発信し、世代を超え人気をよんでいる。2006年2月ミニアルバム『恋人よ』でデビュー。 母への感謝の気持ちをストレートに唄った「アンマー」が多くの共感を呼び、日本有線大賞新人賞を受賞。 精力的な活動を続け、今年2月22日にはデビュー16周年を迎える沖縄で生まれ育った彼らならではの『島唄』を全国に向け唄い続けている。