だから僕らが記していかなきゃいかない、伝えていかなきゃいけない。

 2021年6月28日に“Tani Yuuki”が新曲「Over The Time」を配信リリースしました。月9ドラマ『ナイト・ドクター』のために書き下ろされた楽曲です。これまでのドラマ主題歌の概念を覆し、各話によって異なるアーティストの楽曲が劇中に流れる同ドラマ。Tani Yuukiの「Over The Time」は、苦悩や葛藤を抱えながらも成長していく、劇中の医師たちの姿を彩るエモーショナルで壮大なバラードナンバーとなっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Tani Yuuki”による歌詞エッセイをお届け!新曲「Over The Time」に込めた想いを綴ってくださいました。当たり前だったことが、そうではなくなってしまった世界にぶつかり、今を生きているすべてのひとへ。是非、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。

~歌詞エッセイ:「Over The Time」~

しばし僕の独り言にお付き合いください。


時間が経つと感覚は忘れてしまうものである。

時間が経つと記憶は薄れてしまうものである。

例えば鈍く刺さった苦い経験や嬉しかった日の感情。

久しく会っていない誰かの顔とか。

そういえばそんなこともあったね。

なんて時々思い返して笑ったりする。

それはどうしようもなく自然なことで、

逆らえないものだと思う。



では災害や常識を超えた不幸だったらどうだろう。

当たり前だったことが

そうではなくなってしまった世界。

僕自身もぶつかった。

一人暮らし、

人と会えない日々、

世間がざわつく厄災に。

僕は今ごくごく当たり前なことを言っている。

だけど、それを当たり前にしたくないと思った。

当たり前になってしまったものから

順番に薄れ、忘れてしまう。

だから僕らが記していかなきゃいかない、

伝えていかなきゃいけない。

そこから学んでいこう、

そんな当たり前なことを僕は痛感した。

大事にしていきたい。そう思ったのだ。

<Tani Yuuki>

◆紹介曲「Over The Time
作詞:Tani Yuuki
作曲:田中隼人