一握の歌 1

 2021年10月6日に“ベリーグッドマン”がニューアルバム『必ず何かの天才』をリリース!タイトルナンバー「必ず何かの天才」は、彼らの真骨頂である人生の応援歌。そして、今年の夏にピッタリの応援歌「ナツノオモイデ」、史上最愛のラブソング「それ以外の人生なんてありえないや」、テンポのいい人生讃歌「散々」、新曲「new era」など、ベリーグッドマンの“ありのまま”を詰め込んだバラエティ豊かなフルアルバムです。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ベリーグッドマン”のRoverによる歌詞エッセイをお届け!今回は第1弾。これまでも今もこれからも、彼が歌い続けている理由とは…。今、自分の夢や生き方に対して悩んでいるあなたへこのエッセイが届きますように。

~歌詞エッセイ第1弾~

―あの子の横は嫌やな―
クラスの席替えは毎回のように願った。
“誰と組む”とか“誰とやる”は
小学生の頃からすごく気にするタイプでした。

―自分のペース―
共同生活においてこれは厄介で
“自己中”と思われるのは怖いので気を遣って
周りのテンポに合わせるタイプでした。

―大きな夢を持ちなさい―
ちびっ子の僕にはそもそも難題でした。
“ビートルズになる!”という
ファンタジーな妄想で終わらせていた
めでたい少年でした。

―努力は報われる―
きっとそう思わないと頑張れなかった。
的のない所に矢を打つような日々だった。
“信じる心”は少年時代に芽生えたのかも知れません。

そんな少年が“人の前で演奏したい”と思い立った日がありました。
感動させたかったのか、存在意義を示したかったのか、あまり覚えてません。
でもいつかどこかで「とにかく音楽を演奏したい」って。

親戚は言いました。
「ミュージシャンなんて一握り」

それはそれは大変な恐怖でした。
まぁ無理だなと。
でもなんだかずっと胸騒ぎがしてる。
泣きそうな気持ちで音楽に恋をしているような。

中学では吹奏楽に。
13歳の僕にはずっしり重たいトランペット。
ぜんぜん楽しくなかった。
だってビートルズが好きだから。

中1 夏。初めての大会。
緊張で音が出ない。
5分経って舞台をハケないと行けない。
恥ずかしさと恐ろしさで袖にて泣きました。
顧問はすごく優しい顔で
「これが舞台だよ。明日から練習しなさい。」

高校3年の卒業ギリギリまで、
1日たりとも休む事なく練習できた。
その言葉だけで。

なぜだろう。
人は“悔しさ”で動くのか。
“情けなさ”か。

高校では大会を何度も制覇した。
周囲から天才とも言われた。

でも拭えない“恐怖”が毎日こちらの胸を刺してくる。最悪の6年間だった。
もうトランペットなんて吹きたくない。
残酷な楽器だ。

18歳で譜面の世界から抜け出した。
いや譜面を自分で作ることを選んだ。
それが今やっている仕事です。

いま過去を振り返っていいならすんなり思える。

―嫌なものは嫌―
―自分だけのテンポだって必要―
―大きな気持ちで夢を保つ―
―努力を報うのは自分―

嫌だったら辞めればいい。
誰も止めないよ。

人が決めたテンポやペース。
どこまでタイトに合わせ続けられるかな。
無理だろう。自己中でもいい。
自分の歩幅があるんだから。

大きな夢を持つということは、
それだけ大きな度量でそれを保ち続けることが条件なんだ。

努力は自分が味わうものだから
誰かからの何かを求めすぎないように。


....。


学生時代、辛くて、どうにかしたくて、
こうして大人になりました。

すると物事を恐れなくなった。
ぜんぜん怖くない。

良かったぁ。まじで。


でもね、大人になりすぎて
ひとつだけ忘れてた部分があるんです。

「人の前で演奏したい」
ということ。

なんだか色々ありすぎて分からなくなってたけど、ずっと演奏してきたじゃないか。
これが全てで、これが夢なのに。
なぜだか忘れてしまう。
時の苦労とか、周りの言葉に粉動されて。


僕は最初から夢を叶えていました。
いまさら新しい夢なんてない。
ずっとずっと。
観客の前で演奏したいです。

ベリーグッドマンのRoverでした。

<ベリーグッドマン・Rover>

◆ニューアルバム『必ず何かの天才』
初回限定盤 CRCP-40625 ¥3,500+税
通常盤 CRCP-40626 ¥2,545+税

<収録曲>
01. Intro ~必ず何かの天才~
02. 必ず何かの天才
03. new era ※eオールスター2021最終決戦テーマソング
04. それ以外の人生なんてありえないや
05. baby you
06. ナツノオモイデ
07. GroovyでDancingなParty
08. Alarm
09. 散々
10. Distance