この曲がきっと、12月に出すアルバムの代表曲になると思った。

 京都発・スリーピースガールズバンド“nolala”が2021年12月15日に1st EP『sequence』をリリースしました。今作には9月に配信リリースされた「生き辛い世の中だ」を含む全5曲を収録。“私の居場所は音楽のあるこの場所だ”。“人生”を感じさせられる1枚となっております。現在は今作を引っ提げたリリースツアーを全国で開催中!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“nolala”による歌詞エッセイを3日連続でお届け。今回が最終回。執筆を担当したのは、メンバーのひな(Dr.Cho.)です。綴っていただいたのは、今作の収録曲生き辛い世の中だ」のお話。体調もメンタルも最悪だったある日のこと。曲が誕生するまでのエピソードを是非、歌詞と併せてお楽しみください。



確かしんどかったと思う。
朝早いし。
引越し後で部屋汚いし。
生理2日目やし。
結構、何もかもどうでもよかった。
情緒終わってた。
頑張るけど。
 
機材を抱えて家を出る。
リハーサルスタジオに3人で入った。
千陽ちゃんが新曲を1曲持ってきた。
スマホ画面を見ながら懸命に歌う。
下を向きながら目を瞑って聴く自分に
反して、凝視して聴く美寿々さん。いつも。
 
やっぱり、この人天才かも。
って曲を持ってくるたびに思ってしまう。
 
「自分の好き」ぐらい自分で決めるから、
好きじゃなかったら嫌いって言うし、
伝わって欲しいのに、
千陽ちゃんは、「ほんまに言うてる?」って言う。
 
白か黒。0か100。
ひなの性格なんて知ってるくせに。
それとなく合わせて見るが
何となく上手く行かない。
もっとこうしたら、
みたいなのもこれといって浮かばない。
 
この部分があのバンドに似ている。
いつもこの構成、コード進行。
 
この日は、2nd Single "ルームメイト"Relese Tour 2021、奈良編で、奈良NEVERLANDに出演が決まっていたから、ライブのセットリストを一連の流れで通して終了。
 
結局
曲はボツになった。
てか、した。千陽ちゃんが。
自分が作った曲をボツにできるのも才能だと思う。
 
時間割いて、
当時の心情を思い出しながら、メロディに乗せて、
それが全部ボツになるって。
 
自分は、歌うたいじゃないから分からないけど、
組み立てたチャリが誰にも使われずに、
最終廃車になってしまう、的な感覚?
まあ、、、、ちがうか
 
「嘘はつきたくないしな」
口癖のように言ってるから、
何か引っかかる部分があったのかも。
知らんけど。
 
奈良へ出発する時は、
身体が重かった。
大袈裟に、産まれる?と思った。
こんな情緒で、
お姫様2人の命を預かって、
安全運転出来る自信がなかった。
カメラマン山本寛太に運転を頼んだ。情けない。
 
一瞬で奈良NEVERLANDにワープして
入りしてすぐにライブのリハーサル。
オープンの時間までの自由時間。
最高のヤニ休憩。
ちなみに、山本寛太には、お礼で水奢った。
水、、、、
 
「車の中来て」
急に千陽ちゃんからラインで招集され、車へ向かう。
「曲出来たわ!聴いて!」
スマホ画面を見ながら懸命に歌う。
下を向きながら目を瞑って聴く自分に
反して、凝視して聴く美寿々さん。
 
車の中で20分程度で仕上げてきた曲。
天才なん?やっぱ。
ボツにした曲とは全く違う曲で
しかもリハ後に。這い上がる精神、えぐい。
 
この曲がきっと、
12月に出すアルバムの代表曲になると思った。
し、メンバーも思っていたはず。
いつの間にか自分の情緒は通常運転に。
 
この情勢のこと、
努力しているのに認めて貰えない、
やりたいことが出来ない、
パワハラ、セクハラ、モラハラ、
障害、セクシャルマイノリティ、外国人
など
きっと全人類が感じたことのある気持ちや、生き辛さ。
結論、自分次第なんだ、ということ。
 
音楽だけで、
人の生活や世界を救うことは出来ない、
だからこそ、生活に寄り添える音楽でありたい。
 
nolalaの音楽が、あなたの生活の一部になりますように。
生理痛にも効きます。

<nolala・ひな>



◆紹介曲「生き辛い世の中だ
作詞:千陽
作曲:千陽

◆1st EP『sequence』
2021年12月15日発売

NCJD-10008 ¥1,650(tax in)

<収録曲>
1 生き辛い世の中だ
2 天秤
3 piece of
4 大人になったら
5 結び目