私みたいな人間がこの世界に何人いるんだろう。

 独自の言語表現を持ったシンガーソングライター“Ran”が、8ヶ月ぶりの新作を4か月連続で配信リリースすることが決定!2022年12月16日に第3弾「ちょうどいい」をリリースしました。Ranにしては珍しい4つ打ちアップテンポの軽快な楽曲。作曲はこれまで何曲もコライト、アレンジを担当している川島章裕との共作。歌詞は、自身を主観的に捉えた内容となっております。

 さて、今日のうたコラムでは、そんな“Ran”による歌詞エッセイをお届け!第3弾は新曲「ちょうどいい」のお話です。心で消化できなかったこと、言いたいのに言えなかったこと、モヤモヤがたくさんあるのに、「それでちょうどいい」と自分に言い聞かせてしまうあなたへ。この曲とエッセイが届きますように。



この曲は久しぶりにかなり自分に寄った曲になりました。
メロはキャッチーで、詞もわかりやすく作りました。
 
以前から、Aメロから順に制作しているのですが、例に漏れずこの曲もAメロが先に出来ていました。
 
前作の「piece of gum」では、海外のトラックメーカーさんからトラック提供してもらって、制作を開始したコライトでしたが、今回の「ちょうどいい」では、まずこのAメロをスタッフさんや制作ディレクターさんに聴いてもらいました。
 
すると、別件でコライト用に作業していた楽曲で、今作の共作者・川島さんの楽曲を一緒に混ぜたら合うんじゃないか、という話になりました。その案が出た時、それかもしれない!と思いました。
 
そして2曲を合わせ、聴いてみたら、めっちゃハマってて、上手く2つの曲の欠片を昇華できたかなと思いました。
 
私のお気に入りポイントは、
2番Aメロと、サビのメロです。
 
2番Aメロは自分が歌っていて楽しい歌詞にしました。サビはシンプルで、つい口ずさんでしまうようなメロで、私も気づくと口ずさんでいることがあります。
 
日々過ごしている中での、「これくらいでいいよね」の妥協、批判的な言葉、変わりたいと思って頑張るんだけど上手くいかないこと、そんなところから曲ができました。
 
どこかにこの気持ちを吐き出したいけど、場所がなくて、本音も何も閉じ込めるようになって。だから、「それでちょうどいいよね」って思うしかなくて。その繰り返し。私みたいな人間がこの世界に何人いるんだろうと、この曲を制作するときに感じていました。
 
そんな中でも、私であれば曲が出来たり、お気に入りの曲を見つけたり、そういうことが生活で起こると嬉しくて。その時、私はこの連鎖を歌わなきゃいけないって思ったんです。

<Ran>



◆紹介曲「ちょうどいい
作詞:Ran
作曲:Ran・Akihiro Kawashima