生きるとは死ぬまでの余暇なのだから。

 2024年2月21日に“ネクライトーキー”がニューアルバム『TORCH』をリリースしました。今作は、2021年5月にリリースした『FREAK』に続くアルバムで、バンドにとって4枚目、約2年9か月ぶりとなる待望のフルアルバムとなっております。
 
 さて、今日のうたではそんな“ネクライトーキー”による歌詞エッセイをお届け! 執筆を担当したのは、メンバーの藤田(Ba.)です。綴っていただいたのは、収録曲「わっしょいまっしょい」にまつわるお話。朝日(Gt.)が手掛けた歌詞に見出した、自身の死生観とは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください…!



4th Full Album『TORCH』をリリースした日に、ネクライトーキーとしては恒例行事であるYouTubeでの発売記念配信を行った。その中で楽曲紹介のコーナーがあり、「わっしょいまっしょい」にて朝日の死生観が見えるとポロっと発言したのだが、これについて弁明させてほしい。弁明というか、そもそも朝日の死生観が見えたわけではなくて、私がそこに死生観を見出しただけだったなと。
 
酒飲んだり、愚痴ったり、いっぱい楽しんだら明日も仕事頑張ろうな、と言ってくれるこの曲。ネクライトーキーの中では意外とあまり無かったストレートな応援ソングだなと思っている。<頑張りまっしょい>という言葉が、頑張れよ、ではなく、隣に並んで頑張ろうな、といったニュアンスに聞こえるのが良い。緩さと適当さが救いになる。
 
本当は頑張りたくないなと思ったりするけれど、明日の夜は気になっていた居酒屋行ってみようかな、とか。自分で人参ぶら下げて、なんとか自分の機嫌取ってやっている中で、その居酒屋で隣に座ってた兄ちゃんとか姉ちゃんも大概そんな感じだったりすることに気付くような、そんな曲である。
 
沢山の登場人物たちが居て馬鹿騒ぎして踊って笑って、みんな生きていてそれぞれ明日も仕事を頑張って、ちょっとサボって、いつか死ぬ。
 
自分という生き物は大衆の中の一人であり、群像の中の一人であり、ただ一人であることの素晴らしさと恐ろしさがあるけれど、いつか死ぬなら少しくらいサボってもいいしはちゃめちゃに頑張ってもいい。
 
気楽にいって良いじゃないか、いつかみんな死ぬのだから。生きるとは死ぬまでの余暇なのだから。
 
と、ここまで思考を巡らせて自身の死生観にたどり着いたのだ。なんとも楽観的である。私の中で死とは、苦しいものや辛いものではなく、生もまた然りであったということだ。
 
のらりくらりと生きてきただけあるなぁと思う。それなりに苦労や辛いこともあったはずなのに、そう思っているということは色々忘れていることも多いのだろう。私にとっては人生それくらいでちょうどいいのであろう。
 
さて最近は花粉が酷いから今日はゆっくり休んで明日も仕事を頑張りまっしょい。
 
<ネクライトーキー・藤田(Ba)>



◆紹介曲「わっしょいまっしょい
作詞:朝日
作曲:朝日


◆New Album『TORCH』
2024年2月21日発売
 
<収録曲>
 
1.ちょうぐにゃぐにゃ
2.bloom
3.浪漫てっくもんすたあ
4.悪態なんかついちまうぜ
5.新島工場探検隊
6.ふざけてないぜ(Album Mix)
7.幕間
8.あべこべ
9.わっしょいまっしょい
10.ねぇ、今どんな気分?
11.紫
12.ランバダ・ワンダラン
13.だから、
14.石ころの気持ち