やりたいことと求められるもの、両方を叶える新しい歌詞。

 2024年11月6日に“Penthouse”が2nd Album『Laundry』をリリースしました。今作には、1st Album『Balcony』以降にリリースした配信シングル6曲に加え、新曲4曲を含む全10曲収録が収録されております。Penthouseのルーツの幅広さを感じさせる、満足感ある2nd Album『Laundry』、ぜひご期待ください!
 
 さて、今日のうたではそんな“Penthouse”の浪岡真太郎による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、収録曲「Taxi to the Moon」にまつわるお話です。作曲家を悩ませる、英語詞と日本語詞の大きな違い。やりたいことと、求められるもの、両方を叶えるため時間をかけた工夫とは…。



洋楽が好きな作曲家なら誰しも悩んだことがあると思う。英語で歌ったらかっこいいメロディなのに、日本語にした瞬間、台無しになる現象。洋楽育ちの僕も例に漏れず、高校生で作曲を始めてから長年この現象に悩まされてきた。
 
英語詞と日本語詞の大きな違いは「無声音」にある。「s」や「k」のような、声帯を振動させずに発音する子音は、歌の中で弱音として機能し、リズムにうねりを加えてくれる重要な要素だ。だが、実は無声音は日本語でも時折みられる。
 
実際に喉に手を当てながら発音してみて欲しいのだが、例えば「明日」の「し」。「sh」の時に声帯は震えていない。こういった日本語のバグのような要素を拾い集め、英語的なメロディと日本語歌詞を両立させたのが新曲「Taxi to the Moon」だ。
 
それだけではない。この曲、実はサビの日本語詞が、そのまま英語詞としても機能するダブルミーニングになっている。例えば、<託していく身 to the ギャラクシー>は“Taxi, take me to the galaxy”、<天の上 to the Moon>は“I'm on the way to the Moon”のように、サビの全編が日本語詞であり、同時に英語詞でもある。
 
作詞にはかなり時間がかかったが、自分のやりたいこととみんなが求めているものの両方を叶える新しい歌詞の方向性に、僕自身とても期待している。
 
<Penthouse / 浪岡真太郎>



◆紹介曲「Taxi to the Moon
作詞:浪岡真太郎
作曲:浪岡真太郎

◆2nd Album『Laundry』
2024年11月6日発売
1 Taxi to the Moon
2 我愛ニー
3 夏に願いを
4 Raise Your Hands Up
5 フライデーズハイ
6 花束のような人生を君に
7 一難
8 Kitchen feat. 9m88
9 アイデンティファイ
10 Whiskey And Coke