2024年11月20日に“さめざめ”がミニアルバム『黄昏ハッピービッチ(下)』をリリースしました。女の子の心情の代弁者として圧倒的存在感を誇るさめざめが結成15周年を記念してミニアルバム『黄昏ハッピービッチ』(上・下)を発売。第一弾は7月3日にリリース。そして第二弾には、唯一無二の新たなさめざめソングが全8曲収録されております。
さて、今日のうたではそんな“さめざめ”の笛田サオリによる歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回が最終回です。綴っていただいたのは、収録曲「生涯一の片想い」にまつわるお話。報われなかった恋、いつまでも上書き保存できずにいる恋を、胸の内に秘めているあなたへ。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。
◆紹介曲「生涯一の片想い」
作詞:笛田サオリ
作曲:笛田サオリ
あなたが一番、忘れられない片想いの相手は誰ですか?
報われなかった恋のほうが、思い出したときにやけに眩しい。
たまに思い出しては愛おしい気持ちになるのは私だけではない気がする。
よく世間では【女性は男性を上書き保存する】と言うが、すべての相手に当てはまるわけではない。
上書き保存してしまった相手に共通するのは、両想いになって正式に付き合って、お互いの嫌な部分も曝け出した結果、またこの人と付き合うことはないと思ってお別れをすることが多いというところ。
上書き保存できない相手で共通するのは、名前のない関係で終わってしまったり、付き合っていても自分ばかり相手を好きでいて、思い通りにならなかったり。そういう人が別フォルダへ保存されるような気がする。
大人になればなるほど、恋愛を積み重ねたことで思い出というものは残っていく。
例えばコンビニに行っても、あの人が好きだったお菓子を見つけたら思い出す。
映画館に行っても、あの人と一緒に行ったことを思い出す。
信号待ちをしていても、あの人と信号待ちの間に喧嘩をしたことを思い出す。
「それってその人のことを忘れられてないのでは?」
そう思う人もいるかもしれない。
自分が片想いだった相手ほどそうやって思い出してしまうのだ。
思い出したところで連絡をしてみようかな。会いたいな。と思わないのは
ちゃんとその片想いが片想いで終わったという事実だけは分かっているから。
片想いから始まって片想いで終わった恋が、再会して両想いになることほど難しいものはない。
このエッセイを読んでいるあなたにとって
【あの人は私にとって生涯一の片想いの相手だった】と思える人がいるのならそれは苦しいことでも報われないことでもない。
自分が生きてきたなかでここまで誰かを好きになれたなんて、あなたの人生史上最高なことではないか。
あの人を忘れられないことを誇らしく思って生きてほしい。
絶対にその片想いはあなたにとって必要な片想いだったはずだから。
<さめざめ・笛田サオリ>
◆紹介曲「生涯一の片想い」
作詞:笛田サオリ
作曲:笛田サオリ
◆ミニアルバム『黄昏ハッピービッチ(下)』
2024年11月20日発売
<収録曲>
1. だってあたしはさめざめガール
2. 可愛くなぁれ
3. 最優秀ハッピーエンド賞
4. アフターピルベイビー
5. 裏SHIBUYA
6. 白昼夢と悪魔とワンピース
7. テイキュウ少女漫画
8. 生涯一の片想い