2025年3月5日に“五十嵐ハル”が新曲「笑う癖」をリリースしました。作詞・作曲・編曲・歌唱・イラスト・動画・MV制作すべてを行なうシンガーソングライター。同曲は、相手を愛しすぎた結果、忘れたくても忘れられない記憶が残ってしまい胸を侵食する、という痛みの残る楽曲となっております。愛の大きさが表れている歌詞に注目です。
さて、今日のうたではそんな“五十嵐ハル”による歌詞エッセイをお届け。自分は何のために曲を作っているのか。歌詞とはどのような存在なのか。音楽を続けてゆけるその理由とは…。ぜひ新曲「笑う癖」の歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。
◆紹介曲「笑う癖」
作詞:五十嵐ハル
作曲:五十嵐ハル
心の浄化をするために曲を作っている。どこにも吐き出せないような内容、感情を乗せられる場所が僕の中では音楽だ。「今こんな気持ちなんだよこの野郎!」くらいの勢いで、ひとりごとのように歌詞を書き進めることが多い。自分自身を深く知るために書いてる部分があるのかもしれない。
普段言えないような言葉選びをしたりもするが、今作「笑う癖」の歌詞も歌詞だから許されるような言葉ばかりだ。もしSNSに、「神様あの子の記憶を今すぐ消してくれ…」などと呟いたとしたら、五十嵐ハル大丈夫かよという心配の声が多く上がってしまうと思う。可哀想かつ少し痛い人間として見られるだろう。
まぁ自分が痛い人間である事は重々理解している。そのうえで苦しさを吐き出さないと潰れてしまうタイプだからこそ、素の気持ちを形に出来る音楽をやっていて本当によかったと思う。辛すぎる状況をどうにか曲という形として表すことで少し和らぐというか、ダメージを軽減できている。音楽をしていなかったら今頃爆発してまともに生きられなかったようにも感じる。
歌詞に関して言うと、音楽をしているうちに職業病のようになってしまった。辛い事、苦しい事があるたびに歌詞が無限に浮かんでくるものだから、胸が痛い時ほど、「あぁ、これ歌詞に出来るな…」と考えてしまう。しんどければしんどいほど創作が捗るという謎の流れが出来てしまったのだ
警察官という安定した職を捨ててこのような不思議な職業を選んでしまったが、一度も後悔した事はない。生活してる時もオリジナリティに惹かれる事が多く、おそらく仕事もそうなんだと思う。嫉妬で人気な曲を聴けなくなったりと音楽をやることによる弊害も多いが、それでも音楽は好きだし必要不可欠だ。
すぐ飽きてしまう自分が一生飽きずに音楽を続けていられるのは、自分にとって必要なものであるからなのだろうと思う。まだまだ心の浄化が必要であるし、この感じだと生きている間は音楽を続けているような気がする。
<五十嵐ハル>
◆紹介曲「笑う癖」
作詞:五十嵐ハル
作曲:五十嵐ハル