2025年7月9日に“なきごと”がメジャーデビュー初となるEPをリリース! 発売に先駆けて、EPにも収録される新曲「たぶん、愛」を4月9日に先行配信リリースしました。新曲「たぶん、愛」は前作「愛才」と題材がリンクしている楽曲で、“大切な人と一緒に時間を過ごしすぎた心情”という恋愛要素もありながら、作家としての”モノをつくることに対する葛藤”を歌った楽曲となっております。
さて、今日のうたではそんな“なきごと”の水上えみりによる歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け! 今回は第2弾です。綴っていただいたのは、“歌詞を書く媒体について”のお話。活動のなかで自身が「デジタル期」に入ったことで変化した作曲・作詞面とは。そして、書く媒体の変化により気づいたことは…。
こんにちわ!
こんばんわ!
…おはようございます!
…どうも、どうも。
なきごとVo.gt 水上えみりです。
いやー…いつも挨拶迷うんですけど、
どうもどうも。って一番便利と見せかけて、
…変、かもしれませんね。
まだまだ模索は続きそうです。
さて、3ヶ月連続、全3本のコラム連載がはじまりました。
本日は2本目!
早くも折り返しです。
前回は、詞先、メロ先(僕えびせん!)みたいな話から
GWの渋滞と歌詞についてのコラムを書きました。
あれってコラムだった??なんか、ほぼブログでしたよね。
今回はちゃんとコラムできるのか…!
どうぞお付き合いください。
…そういえば、
歌詞のコラムだからこそ話したかった話がありまして。
…というのも、“歌詞を書く媒体について ”。
あ、改めまして、私水上えみりは、なきごとというバンドで、
作詞、作曲、ボーカル、ギター、お喋り、賑やかし、その他雑務
を務めさせていただいております。
なきごとを始める前からも音楽活動はしていたので、
もうかれこれ10年ちょっとくらいは
バンドのフロントマンらしいことをしているようです。
もちろん成長過程で、
歌詞の書き方や、人への届き方、届け方、歌い方や、発声、喋り方など、
変わった部分もたくさんあります。
が、しかし、大きく変わったなと思うのは、
やはり作詞作曲の部分ですかね。
まずは、作曲について。
コロナ禍で活動が止まってしまった時に、
少しでも何かできないかと、模索したのがきっかけで、
はじめたDTM(デスクトップミュージック)。
要は、PCなどの機械を使って曲を作るようになったわけです。
元々はスタジオに入っている時にその場で、
「こんなドラム叩いて!」
「ベースこんな感じでひいて!」
「ギターはお好きに…!」
みたいな指示を出して、その場でせーので合わせて作っていました。
それが、簡易的でも自宅で一人でできるようになると
まぁ、そりゃ制作形態が大きく変わりますよね。
少しずつDTMを勉強して、
現在は、アレンジャーさんとチームと
データを介してディスカッションしながら楽曲を作るようになりました。
この方法が、色々と最終的には楽なようです。
そして、作詞について。
これは自分でもよくやっていたな、と思うのですが、
元々はノートに手書き派でした。
実は私、文房具とか教材とかをみるとすごくワクワクするんですよね。
新しいノートを開いた時の最初の折り目をつける感触とか、
ふっと香る真新しい紙の匂いとか、
あと、付箋とか、色ペンとか、機能性の高い文具とか。
勉強をするという行為自体は結構好きだったんですよね。
こう見えて。
ほいでほいで、
学校で使っていたノートの反対のページから
歌詞を書いていたりして(授業中に)
それを忘れてノート提出の時にドキドキしたのも
今となってはいい思い出ですね。
なので、その流れもあって歌詞はノートに手書きで書いていました。
なきごとの作品でいうと、「sasayaki」や「パトローネの内側で」
くらいまではノートに歌詞を書いていたと思います。
ただ、ノートだと、不便なことがありまして。
…持ってくるのを忘れると歌詞が何もわからない!!
そして、
みんなに共有する時にいちいち文字起こしをしなきゃいけないのが
当時は、二度手間になっているな…と思っていました。
そんなこんなで、利便性が大きな理由で
携帯のメモに移行することとなりました。
やっぱり書く媒体によっての変化を一番感じたのは、
漢字が増えたこと、ですかね。
ノート時代は殴り書きのようにグワァァァと書いていたので、
ひらがなが多かったのですが、
デジタル期に入って勝手に視界に変換された漢字が入ることによって
…サブリミナル効果ってやつですかね?
漢字で書こう!と潜在的に刷り込まれていったのだと思います。
この頃から、当て字も使いやすくなったんだろうなぁと、見てとれます。
みなさん、よかったら、ぜひなきごとの初期の頃の曲たちと、
数年前の曲たちの歌詞を見比べて欲しいです。
ノート時代は、「Oyasumi Tokyo」や、「のらりくらり」がおすすめで、
デジタル期でいうと、「ハレモノ」や、「不幸維持法改定案」がおすすめです。
曲調が違うのはありますが、かなり差を感じて面白いのではないかと思います。
そして、ここ近年、この差に気付いてからは、
意図的に漢字で遊びすぎないことを意識しています…笑
なので新譜の歌詞も、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。
ちなみに、スマホで打つと、口語文っぽくなりがちだったり、
PCだと言葉のイメージが硬くなったり、2Dっぽくなりがちだなぁ、
とかそういったところも感じています。
こういう曲をつくりたい、に合わせて
うまく使い分けたりもします。
面白いですよね。
やっぱ、実際に書く手紙とLINEだと届く印象が違かったりしますからね。
そういえば、小学生の文通友達がいるのですが、
ちょうど今日お返事が届いて、
名前が漢字になっていたのを見て成長を感じました。
きっと学校で名前の漢字を習ったんだろうな、と思うと同時に、
この手紙にどれだけの時間をかけて書いてくれたんだろう?とか、
色ペンお気に入りの使ってるのかな、とか、
このシールはたくさん使ってもいいやつだからいっぱい貼ってあるのかな、とか、
こっちのは大切にしているやつを貼ってくれたのかな、とか。
ファンレターにも同じことを私は感じます。
気持ち、しっかり届いてます。
音楽も、言葉も、気持ちも、
もちろん“何を届けるか”が大切ですが、
その間の“何で届けるか”も、
とても大切な要素だと、水上は思います。
<なきごと・水上えみり>