曇ってたらどうして天気悪いって言うんですかね。
良いも悪いも曇りは曇りですよね。
私は曇った空の方が好きです。
(ドラマ『カルテット』より)
このセリフ、なんだかわかるような気がします。良いも悪いも曇りは曇り。それをどう感じるかは、わたしたちの“心”の問題なんですよね。たとえば、どっぷりと落ち込んでいるとき、晴れ渡った青一色の空になんだかゲンナリしてしまうことってありませんか?そんなとき、自分にとっては「曇った空の方が」味方なのでしょう。また、人によっては、いつだって曇りくらいが生きやすいという方もいるはずです。
さて、今日のうたコラムでは冒頭のセリフにも通じるような新曲をご紹介いたします!今年7月にメジャーデビューを果たした、16歳の女子高生シンガーソングライター“坂口有望(さかぐちあみ)”が2017年12月6日にリリースする2ndシングル「空っぽの空が僕はきらいだ」です。歌ネットでは現在、歌詞先行公開中!では“僕”がきらう<空っぽの空>とは、一体どのような意味を含んだ言葉だと思いますか…?
もう泣かなくていい あと少しで気持ちが変わる
君はきっと大丈夫だ
もう笑わなくていい 僕が瞬きする間に
君はそっと泣いているんだ
写真と同じ暗い朝に 遠い日の自分と目があった
君から学ぶくらいがいい 本当の事は
「空っぽの空が僕はきらいだ」/坂口有望
おそらく“僕”も“君”も曇りの方が生きやすい心の持ち主。というより、雲のような存在の何かが、彼らを守っているようでもあります。雲が形を変えてゆくように、気持ちだって変わってゆくから<君はきっと大丈夫だ>。雲が青空を隠してくれるから、肩身狭い思いで<もう笑わなくていい>。そんな静かな想いが伝わってきます。ただし“僕”は“君”に語りかけたあと<写真と同じ暗い朝に 遠い日の自分と目があった>んですよね。つまりここで“君”が、かつての“僕”を映す鏡になったのではないでしょうか。
ねぇ 知りたくなかった 聞きたくなかった
夢は必ず叶うはずだった
どこで気づいた? 誰に言われた?
空っぽの空が僕はきらいだ
「空っぽの空が僕はきらいだ」/坂口有望
騙されてるくらいがいい 時々すごく悲しくなった
流されてるくらいがいい 本当の事は
「空っぽの空が僕はきらいだ」/坂口有望
何かあったように 泣くくらいなら
何もなかったように 笑うほうがいいだろ
夢は必ず 思いは必ず 叶うはずだった
「空っぽの空が僕はきらいだ」/坂口有望
主人公の“僕”にとって<夢は必ず 思いは必ず 叶うはず>のものだったのに、そうではないと思い知らされるような無情な出来事が過去にあったのです。それがきっと、目を背けたくなる<本当の事>なのだと思います。まるで、雲のひとつもない真っ青な<空っぽの空>のような真実だったのでしょう…。そんなことを突きつけられるくらいなら、騙されてるくらいがいい。流されてるくらいがいい。曇った空の方がマシ。だから<空っぽの空が僕はきらい>なのです。
出来たての優しさに触れたとき僕は思わず泣いた
忘れたくないなって思った
「空っぽの空が僕はきらいだ」/坂口有望
空っぽの空が何故か綺麗だ
「空っぽの空が僕はきらいだ」/坂口有望
ねぇ 小さな幸せに胸が騒いだ
あの日のこと 忘れてしまったって
知りたくなかった 聞きたくなかった
いつか終わりがきてしまうんだって どこで気づいた?
誰に言われた? 何も出来なかった ごめんね
「空っぽの空が僕はきらいだ」/坂口有望
しかし、今は「曇った空の方が」味方である“僕”ですが、歌詞に<空っぽの空が何故か綺麗だ>というフレーズも綴られているように、ときおりほんの少し、青空に心が動く瞬間もあります。それは<出来たての優しさに触れたとき>や<小さな幸せ>を感じたとき。でも<あの日のこと>を忘れてしまってはいけないから、あえて<空っぽの空>を綺麗だなんて感じないようにしているようにも感じられますね。ちなみに、坂口有望には次のような楽曲があるんです。
あぁあ もうばかみたい 泣きたい
やる気もない 本当は
あの子は 悩んで 悩んで 飛び立って…
わたしじゃない わたしのせいじゃない
誰でもない 誰かのせい 全部全部
「紺色の主張」/坂口有望
まったく関係はないのかもしれませんが、新曲「空っぽの空が僕はきらいだ」のラストに綴られている<何も出来なかった ごめんね>という言葉は、「紺色の主張」で<悩んで 悩んで 飛び立って>しまった“あの子”に向けられている気もしませんか? もしも<あの日のこと>が主人公にとっての青空を“空っぽ”に感じさせ続けてしまっているのだとしたら、少しずつでも<空っぽの空>を綺麗だと思える瞬間が増えていけばいいなぁと思いますね。ただ、そのためにはまだ「曇った空」が必要なのかもしれません。みなさんはこの曲から、どんなメッセージを感じますか…?
◆2ndシングル
「空っぽの空が僕はきらいだ」
2017年12月6日発売
ESCL-4946 ¥1,200(税込)
<収録曲>
M1「空っぽの空が僕はきらいだ」
M2「ばかやろう」
M3「ガタゴト-Studio Live Ver.-」