一瞬の輝きを 輝きを
輝きをくれた 君に捧げる歌
一瞬の輝きを 輝きを
輝きを一生 忘れないから
「閃光」/THE BACK HORN
そして【閃光】はときに、かけがえない<君>という存在によって生じることもあるんです。自分の心が翳りそうになっても、その人の言動が<一瞬の輝き>になり、前へ進むことができたり。たった一度きりの<一瞬の輝き>だとしても、その光景を思い出すたび、一生を生き抜いていけそうな強さが湧いてきたり。それほどの【閃光】をくれた<君に捧げる歌>がこの楽曲です。
また、今年で結成20周年を迎えるTHE BACK HORN。音楽活動中には、まさに【閃光】を感じる瞬間も様々な面であったことでしょう。そう考えると<輝きをくれた君>とは、ひとりひとりのリスナー、ファンの皆さんのことでもあるのだと思います。つまり、この歌にはアニバーサリーイヤーだからこそ彼らが、自分たちに関わってくれた全ての人々へ、改めて伝えたい想いがぎっしりと詰め込まれているのです。
どうか光のかけらよ 君の日々を一時でも
人生のシビアさから 痛みから守っておくれ
「閃光」/THE BACK HORN
祭りの後の さみしさと一緒に
ひとかけらだけ 何を残せるか
頑張り過ぎんな ひとりぼっちで
同じ気持ちで 戦ってるやつが
君のそばに いるから
「閃光」/THE BACK HORN
大切な<君に捧げる>ためのフレーズからは、強烈な眩しさというより、優しい<光のかけら>のほのかな温かさを感じますね。その<光のかけら>には<君の日々を一時でも 人生のシビアさから 痛みから守って>くれる力があります。ひとりぼっちで頑張り過ぎている時に<同じ気持ちで 戦ってるやつが 君のそばに いるから>と寄り添ってくれる愛もあります。それは“歌”の持つ役割にも通じるのではないでしょうか。
さらに<祭りの後の さみしさと一緒に ひとかけらだけ 何を残せるか>というフレーズは、ライブ後の余韻を連想させます。おそらく“ライブ”は【閃光】に似ているのです。ただ、強烈な光が消えた後には、やはり<さみしさ>が残るんですよね…。しかし、ライブが終わっても、心に残る<ひとかけら>の優しい光があります。閃光の中で受け取った“歌”という<光のかけら>です。そしてその“歌”はいつまでも静かに輝き続け、私たちが明日を生きてゆくための希望となるのでしょう。
現実はいつも どうしようも無くリアルで
ドッキリの看板持ったやつが
出てくるわけでもねえ
もう会えねえ 蝉の声が 風の音が
あいつがいない分だけ うるさく聞こえる
せめて見守っていて
やり続けていくから
物語は続く 俺たちが望むなら
一瞬で消えちまう 何もかも
だからこそ俺たち 今を生きるんだ
「閃光」/THE BACK HORN
歌の終盤ではTHE BACK HORNの<今>の決意表明も放たれます。たとえ過去に<もう会えねえ>人との記憶が痛いほど刻まれていても、たとえ現実が<どうしようも無くリアル>でしんどくても、それでも、未来は<俺たち>の<やり続けていく>という意志によって続いてゆくのです。続けてゆくのです。何もかも<一瞬で消えちまう>人生。だからこそ<一瞬>を大事に積み重ねて<今を生きる>のです。そのメッセージは同時に<俺たち>=“全ての聴き手”に共有してほしい想いでもあるはず…!
一瞬の輝きを 輝きを
輝きをくれた 君に捧げる歌
一瞬の輝きを 輝きを
輝きを一生 忘れないから
知らねえよ 正しいか
知らねえよ 意味なんか
音を鳴らすんだ
悲しみさえ 祝福するような
「閃光」/THE BACK HORN
こうして幕を閉じてゆく歌。THE BACK HORNはこれからも音を鳴らし続け、正しさも意味も越えた<悲しみさえ 祝福するような>音楽を<光のかけら>として届け続けてくれることでしょう。そして何度でも<一瞬の輝きを>私たちに魅せてくれることでしょう。彼らのこれまでと今とこれからが詰まった「閃光」を是非、歌詞と併せてじっくり聴いてみてください!