豊後巡礼松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 木下龍太郎 | 山口ひろし | 丸山雅仁 | 襟におくれ毛 湯上りの 肌にほんのり 薄化粧 豊後巡礼 いで湯町 別府(べっぷ) 湯布院(ゆふいん) 九重(ここのえ)の湯 おんな磨きの 旅ならば 人が見返る 宿浴衣(やどゆかた) 一夜(ひとよ)泊りが また一夜(ひとよ) 旅の手引きの 味めぐり 豊後水道 港町 佐伯(さえき) 臼杵(うすき)に 佐賀関(さがのせき) 旬の関あじ 関さばに 呑めぬお酒が つい過ぎる 急ぐばかりの 世の中に たまに息抜き 骨休め 豊後巡礼 城下町 竹田(たけた) 中津(なかつ)に 杵築城(きつきじょう) 下に下にと 行列の 声がしそうな 大通り |
国東半島松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 木下龍太郎 | 山口ひろし | 丸山雅仁 | 裾を乱して 急いでみても 未練がまたも 袖を引く おんな豊後路 両子寺(ふたごじ)へ 地図を頼りに 国東半島 早くあなたを 忘れるように すがる想いで 手を合わす 二人旅する この日のために 見立てたつもり 恋袖 名前やさしい 姫島(ひめしま)よ 背伸びして見る 国東半島 側にみちづれ ない旅ならば つらさ身に沁む 周防灘(すおうなだ) ひとつ枕で 帯解(と)く宿は 根付(ねつ)けの鈴を 抱いて寝る おんな豊後路 城下町 旅を重ねる 国東半島 明日は笑顔で 出直すために ひとり今夜は 泣き納め |
男の地図三門忠司 | 三門忠司 | 仁井谷俊也 | 山口ひろし | 佐伯亮 | 男の胸の 古い地図 ひとり覗(のぞ)けば また浮かぶ 遠い故郷(ふるさと) あの笑顔 いつも何かに 挫折(つまず)くたびに いのち支えて 生きてきた… こころに消えぬ あの女 過去に帰れる 汽車はない 今は誰かに 嫁いだか 惚れていりゃこそ 口にはだせぬ 恋もあるのさ 男には… 曲がった川も いつの日か 青い海原(うみ)へと 流れこむ 俺の人生 道なかば 急(せ)かずあせらず 甘えず媚(こ)びず きっと咲かすさ 夢ひとつ… |
おしどり花道松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 木下龍太郎 | 山口ひろし | 南郷達也 | 先が見えない 男の夢に 一口乗せてと 従(つ)いて来た 辛いばかりの 明け暮れに 涙知らずの 愚痴知らず いつかお前を 連れて行く おしどり花道 日向道 決して楽では ないはずなのに 遣り繰り上手の 酒の瓶 力水だと 洒落ながら 猪口に注ぎ足す 差し向かい きっと見付かる 二人なら おしどり花道 春の道 抱けば折れそな 細腕なのに 男のこころの うしろ楯 掛けた苦労の つぐないは いまにするとも 倍にして 惚れたお前と 歩きたい おしどり花道 明日道 |
母に唄った子守唄松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 千葉幸雄 | 山口ひろし | 斉藤功 | 夢をみました 故郷の母を 泣いてまくらが 濡れました 長い坂道 わたしがおんぶして 軽い背中に 小声でそっと 母に唄った 子守唄 母が自慢の あの黒髪も 逢うたび白く 雪化粧 数え切れない 苦労に細る指 ゆるむ指輪が わかってますと 母に唄った 子守唄 母の笑顔が やさしく浮かび 胸をいつでも あたためる 辛い涙が しみてた糸切り歯 どうか幸せ かみしめるよに 母に唄った 子守唄 |
愛につつまれて松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | 佐伯亮 | たとえば私は 炎の鳥かもしれない 姿 気高い 女神の手から 歌の翼を 授かったのよ さあ 唄いなさいと 涙はしあわせの 裏返し 天国・地獄を 見てきたわ 愛につつまれて 私はここにいる 愛につつまれて 皆様ありがとう たのしいひととき すごせましたか また逢えますよね きっと逢いましょう うまれて私は歌うさだめですから より美しく 自分を飾り 眉をひらいて 舞台に立つわ さあ 見てくださいと 照明(ライト)は あしたへの道しるべ 生きてる証(あかし)を 探すのよ 愛につつまれて 私はここにいる 愛につつまれて 皆様ありがとう たのしいひととき すごせましたか また逢えますよね きっと逢いましょう らららららら 炎の鳥は飛ぶのよ 赤い翼ひろげて 炎の鳥は歌うのよ 命つきるまで |
筑波おろし三門忠司 | 三門忠司 | 仁井谷俊也 | 山口ひろし | 池多孝春 | 筑波おろしが 身にしむ頃は 故里(くに)が恋しい あの娘が愛し 義理のしがらみ 浮世のなさけ 肩に振り分け エェェー 雲と旅ゆく 水海道(みつかいどう) 水の流れに 逆らういのち 馬鹿を承知の 街道がらす 泣いてくれるな 板東太郎 これも若気(わかげ)と エェェー 意地で見得きる 竜ヶ崎 夜風(かぜ)が運んだ 故郷の唄か 佐原(さわら)ばやしを 確かに聞いた かけた不孝を おふくろさんに せめてひと言 エェェー 会って詫びたい 鹿島灘(かしまなだ) |
親不孝伝中村美律子 | 中村美律子 | もず唱平 | 山口ひろし | 南郷達也 | 欲しい欲しいの 児じゃないが 飯盛り女の お母ァが 逢いたがってる 泣いてると きけばやっぱり 辛くなる 生まれ越後は 捨てた越後は 親不知 「にいさん 盥(たらい)渡しって知ってるかい 産湯を使う盥のことだが その盥の儘 里子に出されたのが俺だァ 親の味も情も知らねェ だがね 人の道は知ってるよ 誰が教えてくれたのか? お天道さまだよ お天道さまだけは俺を見捨てたことがなかったよ」 親のあと追う 雁みれば やり方 仕方は知らないが 見よう見真似の親孝行 一度 誰かにしたくなる 夢の越後は 雪の越後は 親不知 「おい! そこの お前だよ 親を泣かすんじゃねェ さあ手をひいてやんな おぶってやんなよ お前さん 若いね 俺にも親いるけど いつだって 有難くて手を合わしているよ 俺の親はな お天道さまなんだよ」 里の童(わらべ)の子守唄 きく度 募るよ いとしさが 噂ひろって尋ねたら 無縁仏に彼岸花 遠い越後は 風の越後は 親不知 |
望郷千里松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | 佐伯亮 | 吹雪 舞う朝 マントをはおり 港に走って 来た父を わたしは涙で 振りきった あれから幾歳(いくと)せ― 逢いたくなったら ゆめに乗り帰るのよ 津軽海峡 望郷千里 八重の桜に かこまれながら 卆寿(そつじゅ)を祝った あの母に もいちど見せたい 晴れ姿 ふるさと恋しや― 都の空から 函館の山あたり 星がながれる 望郷千里 歌うわたしの 人生暦(ごよみ) ひらけば頁(ページ)の まんなかに あります大きな 華(はな)舞台 あなたとみちづれ― 旅路で戴(いただ)く しあわせを抱きしめて 愛の絶唱 望郷千里 |
大阪無情三門忠司 | 三門忠司 | 吉田旺 | 山口ひろし | | さよなら さよなら さよならなんて いやですと すねたあの娘の泪が 背中にからむ 水の都の とまり木づたい 呑む酒は 呑む酒は 吐息まじりの 大阪無情 おんなの おんなの おんなの過去(きず)も 抱けないで 二度と惚れたりするなと 夜風がなじる ふたり通った 馴染みの酒場 たずねても たずねても 夢は散(ち)り散(ぢ)り 大阪無情 倖せ 倖せ 倖せならば いいけれど どこかやつれた姿が 瞼をよぎる 水に七色 ネオンの花は 浮かれても 浮かれても 浮かれきれない 大阪無情 |
いたわり坂松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | 佐伯亮 | 嵐のあとが 雨になり 晴れると思えば 風が吹き 笑ったつもりが 泣いていた ねえあなたー ずいぶん歩いて 来ましたね 息を とゝのえ ふり返る 石ころだらけの いたわり坂よ 痛かろ指に 血がにじむ わたしは平気よ それよりも あなたが倒れちゃ 嫌ですよ ねえあなたー 縁とは不思議な ものですね 頑固男と 意地っ張り おんなが寄り添う いたわり坂よ 千尋(せんじん)下の 深い谷 万丈(ばんじょう)はるかな 岩の山 ふたつを織り成す 白い雲 ねえあなたー 人生墨絵の ようですね 登りつめましょ 百までも これが夫婦の いたわり坂よ |
あんたの艶歌松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | 伊戸のりお | どこまであんたは 泣かせるの 人生きっぷを あっさり捨てゝ あの世とやらの 遠い星 届かぬところへ 行っちゃった おかげで私は 後家さん女房 どうすりゃいゝのよ ねえあんた 私のなみだも 知らないで いゝ人だったと あんたを誉める 遊んで呑んで 丸裸 男はそれでも いゝけれど おんなの艶香(いろか)を つくした日々を 返してちょうだい ねえあんた 今夜も眠れず 朝になる あんたは居ないし 寝床がさむい 手さぐり指の ゆめさぐり 夫婦(ふうふ)の絆の もろいこと これから私は 死ぬまでひとり 愛していたわよ ねえあんた |
母ざくら松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | 池多孝春 | 母が居たから 私がいるの いつも面影 胸のなか あれは笑顔の 母ざくら 春がくるたび いろ鮮やかに 匂うがごとく 咲くのです おしゃれしなさい 綺麗になさい 女らしさを みせなさい それがくちぐせ 母ざくら 年も苦労も 重ねたけれど やさしく強い ひとでした しあわせでしたか 私を生んで 花にひと言 聞いてみる いのち限りの 母ざくら 遠いふるさと 夜空を見あげ ごめんね ごめんね お母さん |
酒場情話松前ひろ子 | 松前ひろ子 | かず翼 | 山口ひろし | 蔦将包 | 「ごめんなさいね お客さん 奥はいつでも 予約席」 待っているんじゃ ないけれど 私にゃ見えるの あのひとが ひとり無口に 飲む姿 酒場女の 身の上なんて なぜか淋しい 過去ばかり 「外は雨です お客さん 少し話を 聞いてって」 思い出します 寒い夜 ふたりで最後の 差し向かい 遠い汽笛に 泣けたっけ 酒場女の 身の上なんて みんな似たよな 傷がある 「北の生まれね お客さん どこか似てるわ あのひとに」 暖簾くぐって 風のように ふらりと戻って 来る日まで 恋の灯りは 消さないわ 酒場女の 身の上なんて つかみきれない 夢ばかり |
海峡ひとり旅松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 結城忍 | 山口ひろし | | 津軽海峡 吹く風が みれん涙を 吹き散らす 身を切るような 別れに泣いて 流れ流れて 風みさき 来てはみたもの お前の声が ああ ここまで 追いかける 北のさいはて 凍りつく 夢ものぞみも とおせんぼ 心を鬼に つれない言葉 投げて泣かせた あの夜の 純なお前に にている花が ああ ふるえて 俺を呼ぶ 竜飛岬は 風と波 ゆれてあの船 何処へ行く 許してくれと 言えない俺が いのち削って すてた恋 あてもないまま 面影つれて ああ 海峡 ひとり旅 |
大阪湾ブルース三門忠司 | 三門忠司 | 吉岡治 | 山口ひろし | | 貼り紙一つで 身を寄せた 鴎という名の 迷い鳥 すこし長居を しすぎたようね 身丈に合わない 恋をした 酒と女の 大阪 大阪 大阪湾ブルース 生命に終りが あるように 炎の恋でも 色あせる 連れて逃げてよ 海峡越えて 素直に言えない 過去ばかり 泣いた女の 大阪 大阪 大阪湾ブルース からだ一つに 荷が一つ 明日の軽さが 身に沁みる 捜さないでね なるよになるわ やさしさなんか 似合わない 酒と女の 大阪 大阪 大阪湾ブルース |
はなむけ祝い唄松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 千葉幸雄 | 山口ひろし | 南郷達也 | 夕陽の小みちで 手と手をつなぎ 並んだ親子の 影法師 花嫁姿に 心はしぐれ 幼い月日が 目に浮かぶ 娘の門出に はなむけ祝い唄 金襴緞子の 帯しめながら 花嫁御寮は なぜ泣くのだろ 夫婦の契りは 親子の契り 両家に家族が 増えました 三月桃の日 五月の節句 可愛いい初孫 抱ける日を めでたさ重ねて はなむけ祝い唄 涙と汗とを いっしょに流し 歩いて行くのよ 長い旅 雨風雪の日 道づれだから 人の字みたいに 支え合う 二人の明日へ はなむけ祝い唄 |
鴎の女藤あや子 | 藤あや子 | たかたかし | 山口ひろし | | 雨が港に降る夜は 胸が濡れます恋しくて ひとり小窓で くち紅ひけば 夜の海峡 霧笛が走る かもめ、かもめ、かもめさん ばかだね、あんた… 本気で男に ほれたりしてさ 港(ここ)でおまえとくらせたら そんなあの日の膝まくら はるか沖合 漁火(いさりび)ゆれて 夜の海峡 未練が走る かもめ、かもめ、かもめさん 無口な、かもめ…… 少しはあんたも 利口におなり 泣いてもどらぬ人なのに なんでこうまで抱かれたい 酔いにみだれて ため息つけば 夜の海峡 時雨(しぐれ)が走る かもめ、かもめ、かもめさん 泣き虫、かもめ… あんたもひとり わたしもひとり |
あなたのみなと ~いい夫婦~松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | 佐伯亮 | 呑みたいあなたの 悔しさ辛さ 連れそう私にゃ わかります いいじゃないのよ 酔いどれ舟で 男ごころが 晴れるなら おんなという名の ちいさなみなと きょうも命の 灯をともす 私が惚れてる あなたの良さは 背すじを曲げない 意地っぱり かげでささえて 舵とりながら こえてきました 浮世波 おんなという名の ちいさなみなと 傷を癒して 夢をみる たとえば清水の 次郎長さんに 可愛いお蝶が いたという くらべものには ならないけれど せめてなりたい いい夫婦 おんなという名の ちいさなみなと なにも無いけど 愛がある |
流転川松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | | いのちの渕より なお深い 男と女の 流転川 いまさら戻れと 言わないで 小舟がなければ 胸までつかり おぼれながらも わたしは渡る 世間の掟に しばられて 愛してしまった 不しあわせ こころのままです どこまでも 笑ってください わたしでなけりゃ わかりゃしません あなたの良さが 憂き夜にふたりの 目じるしは 銀紙細工を みるような おぼろな月影 恋ひとつ なさけを通して ここまで来たら 越えてみせます 流転川 |
あなたとならば松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 星野哲郎 | 山口ひろし | | 命すり身を 真実で和えて 夢で煮込んだ 夫婦味 これが宿命と 微笑み交す 外は雨でも 嵐でも あなたとならば あなたとならば たとえ 地獄の 底までも ふたり揃って 観音さまへ お礼詣りが できるまで 泣いちゃだめよと 声かけあって 越えた七谷 七落し あなたとならば あなたとならば 浴びて嬉しい なぐり雨 いつか呼ぼうね 故郷の母を それがふたりの 合言葉 つらいときほど たよりにされる 綱でありたい 妻ごころ あなたとならば あなたとならば 明日も明るく生きられる |
祝いしぐれ松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 千葉幸雄 | 山口ひろし | | 鯛の刺身の わさびの辛さ 怒るあなたの 目に涙 夫婦ですもの わかります 娘を嫁に 出す心 せめて今夜は せめて今夜は 水いらず 明日の祝いの 門出酒 嫁ぐ娘が 畳に座り 両手ついての あいさつを わざと聞こえぬ ふりをして 天井向いて いるあなた 扇ひらいて 扇ひらいて かくしても 祝いしぐれが ひざに降る 親という字を よく見てご覧 立って木を見る それが親 苦労しながら 育てた木 今日咲く花が 実になって 孫という名の 孫という名の 芽を出せと 祈る幸せ祝い唄 |
恋月情話松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | 池多孝春 | 影でいゝのよ あなたの影で 重ねりゃ一とつに なる二人 おんなにうまれて 笑顔でつくす そっと背中に 寄り添えば 川面にゆれてる 恋の月 深くなっては いけないひとゝ 馴染んでいつしか 深い仲 大事なあなたを 命にかえて 野暮な苦労は させません くらしはわたしが さゝえます もしもわたしが 死ぬよなときは あなたの名前を 呼ぶでしょう 握ってください この指 この手 闇の浮世は せつなくて 一羽じゃとべない 都鳥 |
花街一代松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | 池多孝春 | 器量がいゝから 芸者になれと あけて十五の 旅だちでした 浮世いろはの 花街で 芸をみっちり しこまれて いつかなじんだ 夜の水 あゝ神楽坂 おんなの灯(ひ)がゆれる わたしが知ってる お方はみんな 出世しました 自慢じゃないが あれが縁なら これも縁 義理と情けに はさまれて いっそ死にたい 悲しさに あゝ神楽坂 ながした恋もある 花街うけつぐ 若い妓(こ)ひとり 育つ日までは にくまれながら きょうも切り火で 送りだす おんな 一代 舞扇 どうぞ幸福(しあわせ)くるように あゝ神楽坂 愛していきるのよ |
ふたりづれ松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 水木れいじ | 山口ひろし | | 晴れて娘を 嫁がせて 夫婦ふたりで 旅の宿 あなた…あなた今夜は 飲みましょうね 久しぶりに 湯の郷で いのち洗って 出直しましょう 苦労かけたと 抱きよせる 肩に降るよな 花しぐれ あなた…あなた今夜は 飲みましょうね 見染めあった あの頃の 歌をしみじみ 唄いましょうよ 春は二度来る 三度来る そうよ人生 これからよ あなた…あなた今夜は 飲みましょうね 惚れて泣いて また惚れて 縁を宝に 生きて行きましょう |
人生ふたり旅松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 石本美由起 | 山口ひろし | 南郷達也 | 人が生きると 言うことは 夢を担いで 歩くこと 苦労坂 苦労坂 越えて明日へ 辿り着く これが二人の 旅路なら どんな運命も いとわない 罪も無いのに 容赦なく 風の無情が 頬叩く つむじ風 つむじ風 ここで挫けて なるものか 二十 三十 五十 耐えて咲かせる 花もある 苦労してこそ 本当の 愛の強さは わかるもの がまん雪 がまん雪 道を隠して 積もったら 寒い素肌を 暖めて 好きなあなたと ふたり旅 |
男の居酒屋秋岡秀治 | 秋岡秀治 | 池田充男 | 山口ひろし | 渡辺博史 | 酒は酔うため あるものさ 若いなりして 今夜(こんや)の俺は 意気地(いくじ)がないぜ 泣いてるぜ ぐちを肴(さかな)に のむ酒じゃ 路地(ろじ)ののれんに すまないね 恋はほどよく するものさ 虫もころさぬ 可愛(かわ)ゆい顔で あの娘(こ)は派手な あそび花 俺の負けだよ くやしいが おんなという奴(やつ)ァ つかめない これが苦労と いうものさ 右で拾(ひろ)って 左で捨(す)てる 明日(あした)があるさ ゆめがある すぐに止(や)むだろ 走り雨 故郷(くに)のうたでも 唄(うた)おうか |
面影しぐれ藤あや子 | 藤あや子 | 久仁京介 | 山口ひろし | 前田俊明 | 雨の匂いの 港町 濡れて歩けば あなたがしみる あの日別れの 別れの桟橋で 舟の霧笛に 泣かされた 夢がちりぢり 面影しぐれ 好きでいたのは わたしだけ 叩く雨音 こころに痛い いいのあなたと あなたといられたら 無理も聞いたわ つくしたわ 出船入り船 面影しぐれ 愛の深さが 邪魔になる いつか恨みに ならなきゃいいわ どうか帰って 帰ってもういちど 今日もたたずむ この波止場 あつい吐息の 面影しぐれ |
初孫松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 千葉幸雄 | 山口ひろし | 前田俊明 | 梅の小枝で うぐいすが 初音聞かせる 声よりも 待っていました 初孫の めでためでたの 産声を 祝う我が家に 春が来た 笑顔 やさしい おひな様 強く元気な 鯉のぼり どちらでも良い 初孫が 無事で生まれて くるように 願いましたよ 氏神さまへ 早く這うよに 立つように 立てば歩めと 祈ります 見たいものです 初孫の いつか世に出る ひとり立ち 夢が心の 杖になる |
夢追いぐらし松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 池田充男 | 山口ひろし | 馬場良 | ひとりが辛い 世の中ならば 夫婦になろうと 言ったひと この命 この命 あなたのものですね 露地の所帯は ちいさくたって 明日があるから 笑顔で生きられる おんなにうまれ 幸福しらず 他人の間で 泣いて来た だけどいま だけどいま 愛するひとがいる 母にみせたい あなたを連れて 雪のふるさと 二人で帰りたい 浮き草どうし 夢追いぐらし この世は濁りの 川だから より添って より添って きれいに生きるのよ 春は近いと 指さす先の 暗の切れ間に 涙の月が照る |
夫婦草松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 石本美由起 | 山口ひろし | 馬場良 | あなたと一緒に 死んでもいいわ 二人の明日(あす)が ないのなら 幸せ探し 夢探し たとえ苦労の 川だって 耐えて生きたい 水鏡 あなた、好きよ、どこまでも …夫婦草 冷めたい世間の 人眼を逃れ 涙をぬぐう 場末町(ばすえまち) 幸せひとつ 夢ひとつ 寒い夜更けの 燗酒(かんざけ)に 情けしみじみ 寄せる頬 生きる、笑顔、浮かべたい …夫婦草 名もない小川の 流れに浮かぶ 浮草ふたつ 誰と誰 幸せいずこ 夢いずこ 泣ける運命(さだめ)を かばい合う 愛がいのちの 二人づれ 固い、きずな、想いやり …夫婦草 |
追分酒場松前ひろ子 | 松前ひろ子 | 松井由利夫 | 山口ひろし | 南郷達也 | 霙(みぞれ) 北風 しばれる夜は いても立っても いられぬわたし 夜通し沖見て あんたの船の 無事を祈って いるくせに 互いに顔見りゃヨー 互いに顔見りゃヨー 意地を張り合う 追分酒場 生まれ松前 育ちは江刺 幼なじみの つがいの鴎(かもめ) 無口な男と 勝ち気な女 胸の想いを 切り出せず 徳利をころがしゃヨー 徳利をころがしゃヨー 酒が沁(し)みるよ 追分酒場 いつかいつかと この冬越せば 女ざかりも 半ばを過ぎる 漁師の女房は 苦労の板子 浮くも沈むも 一緒だと ひとこと言われりゃヨー ひとこと言われりゃヨー 夢に酔うのに 追分酒場 |
祝いしぐれ桑野ミユキ | 桑野ミユキ | 千葉幸雄 | 山口ひろし | | 鯛の刺身の わさびの辛さ 怒るあなたの 目に涙 夫婦ですもの わかります 娘を嫁に 出す心 せめて今夜は せめて今夜は 水入らず 明日の祝いの 門出酒 嫁ぐ娘が 畳に座り 両手ついての あいさつを わざと聞こえぬ ふりをして 天井向いて いるあなた 扇ひらいて 扇ひらいて かくしても 祝いしぐれが ひざに降る 親という字を よく見てご覧 立って木を見る それが親 苦労しながら 育てた木 今日咲く花が 実になって 孫という名の 孫という名の 芽を出せと 祈る幸せ 祝い唄 |
男の居酒屋三門忠司 | 三門忠司 | 池田充男 | 山口ひろし | | 酒は酔うため あるものさ 若いなりして 今夜の俺は 意気地がないぜ 泣いてるぜ ぐちを肴に のむ酒じゃ 露地ののれんに すまないね… 恋はほどよく するものさ 虫もころさぬ 可愛ゆい顔で あの娘は派手な あそび花 俺の負けだよ くやしいが おんなという奴ァ つかめない… これが苦労と いうものさ 右で拾って 左で捨てる 明日があるさ ゆめがある すぐに止むだろ 走り雨 故郷のうたでも 唄おうか… |
大阪夜曲三門忠司 | 三門忠司 | 吉岡治 | 山口ひろし | | 北の新地の 片恋い月は 雨を呼んでる なみだ月 お願いわたしを あなたあなた あなた棄てないで あても頼りも ないけれど 尽くしきりたい 大阪夜曲 その場かぎりの やさしさだって うそを頼りに 生きられる お願いわたしを あなたあなた あなた棄てないで 古いおんなと 言われても ついてゆきたい 大阪夜曲 恋の橋でも おんなの橋は 渡りきれない 川ばかり お願いわたしを あなたあなた あなた棄てないで 夢のとなりに 住まわせて 泣けば濡れます 大阪夜曲 |
北の慕情大川栄策 | 大川栄策 | 星野哲郎 | 山口ひろし | | にぎりつぶした 別れの手紙 北の涯てまで 連れてきた 白いフェリーの 丸窓に ちぎれたはずの 恋糸が 睫毛のように こびりつく ああ ああ 終わりなき愛は 積丹岬(しゃこたんみさき)の雨を泣かせる どこか空似の 女が唄う 古い縁歌の すじ書きが おれとあの娘に 似てほろり グラスに落とす ひと滴 含めば冷たい 夜が更ける ああ ああ あてどなき愛は サロベツ原野に雪を降らせる 惚れていたのか こんなにまでも 深い絆を いま知った 遠くはるかに 離れても 捨てちゃいやよと 耳元で 切なくむせぶ あの声が ああ ああ 終わりなき愛は 宗谷の岬の月をゆがめる |
わかれ恋歌大川栄策 | 大川栄策 | 吉田治 | 山口ひろし | | 別れた人が 逢いにきた そんな夢みて 目が覚めた 真夜中に 水を飲む 寝汗につめたい すきま風 あゝ さむざむと おんな宿 わかれ恋歌 日本海 未練はとうに 棄てたはず 昔ばなしと 笑ってた くちびるが 恋しがる やさしさばかりを 思いだす あゝ しらじらと 神無月(かんなづき) わかれ恋歌 日本海 雪降る町の 追分は 死んでいいよと 忍び泣く 海鳥が ちぎれ飛ぶ あなたを忘れる ひとり旅 あゝ 花もない 船もない わかれ恋歌 日本海 |
むらさき雨情冠二郎 | 冠二郎 | 三浦康照 | 山口ひろし | | いのちを惜しむ 私なら あなたについて 行かないわ ふたりの傘に ふりかかる ふたりの愛の 恋しぐれ むらさきの雨、雨に にじむ想い出は 愛した女の 涙でしょうか さだめの糸で 結ばれた ふたりの絆 信じたい あなたの匂い しみついた あなたと住んだ あの部屋は むらさきの雨、雨に 遠くかすむ町 訪ねた女の 未練でしょうか 夢でもいいの いつまでも あなたの傍(そば)で 盡(つく)したい 私の胸の 片隅で 私を焦がす 恋灯り むらさきの雨、雨に 濡れて泣いている 愛した女の 心でしょうか |
時雨椿秋山涼子 | 秋山涼子 | さいとう大三 | 山口ひろし | | 雨に椿が 散るのが辛い ふたり散れない 私も辛い こんなになっても 二人は一緒 今はこのまま 離さないでね 今夜だけです ねぇ あなた 外を黙って あなたは見てる きっと私の 明日を見てる 会ってはいけない 二人は一緒 この手握って 忘れないでね 二度と会えない ねぇ あなた 青い畳に しみ込む涙 そっとこぼした あなたの涙 どうにもならない 二人は一緒 戻り道なら さがさないでね いいの私は ねぇ あなた |
むらさき雨情秋山涼子 | 秋山涼子 | 三浦康照 | 山口ひろし | | いのちを惜しむ 私なら あなたについて 行かないわ ふたりの傘に ふりかかる ふたりの愛の 恋しぐれ むらさきの雨、雨に にじむ想い出は 愛した女の 涙でしょうか さだめの糸で 結ばれた ふたりの絆 信じたい あなたの匂い しみついた あなたと住んだ あの部屋は むらさきの雨、雨に 遠くかすむ町 訪ねた女の 未練でしょうか 夢でもいいの いつまでも あなたの傍で 尽したい 私の胸の 片隅で 私を焦がす 恋灯り むらさきの雨、雨に 濡れて泣いている 愛した女の 心でしょうか |
さよなら岬藤あや子 | 藤あや子 | 三浦康照 | 山口ひろし | | 涙も凍る さいはては みぞれが頬を つめたく打つの しばれる指を 吐く息で そっと温め あの人に 逢いたい想いを 抱きしめる 無情の風よ さよなら岬 海峡わたる 船にのり 恋しさつれて ひとりで来たの 灯りが誘う 港うら 夢のかけらを 探します 愛したふたりの 北の町 ひと夜の情け さよなら岬 霧笛がひとつ 泣くように 私の胸に かなしくしみる 思い出捨てる 流氷の 海にいつくる 春の風 逢いたいあなたは いまどこに 還らぬ夢よ さよなら岬 |
涙の夜汽車藤あや子 | 藤あや子 | 三浦康照 | 山口ひろし | | 死ぬほどあなたが 好きだから 逃げてゆきます この都会(まち)を 縋(すが)る想いを 振り捨てて ひとりたたずむ つめたいホーム 淋しさが こみあげる 涙の夜汽車 窓打つ小雨が 粉雪に かわる夜更けの みちのくよ 駅で求めた お茶さえも 冷えてつめたく 体にしみる 瞳をとじて つぶやくの さよならあなた あなたのためなら 身をひくと 決めて溺れた 愛でした 辛いこころを 抱きしめて 春を待ちます 故郷でひとり 灰色の 港町 涙の夜汽車 |
波涛万里冠二郎 | 冠二郎 | 三浦康照 | 山口ひろし | | 風よ雲よ 嵐を呼んで 行く手さえぎる 怒涛の海よ 波にこの身が 砕けても 男の浪漫だ 万里の果てに 夢を求めて 俺は行く あ…俺は行く 遠い昔 船乗りたちも 海に男の生命を賭けた 星をたよりに 舵をとり 遥かな潮路に まだ見ぬ国を 探す万里の 旅に出た あ…旅に出た 空を紅く 夕陽が染めて 今日も落ちるよ 水平線に 海の藻屑と 消えた友 あいつの心を 無駄にはしない 波涛万里の 男船 あ…男船 |
み・れ・ん真咲よう子 | 真咲よう子 | 吉田旺 | 山口ひろし | | 死ねというなら 死ぬかくご できていました あなたとならば それなのに… それなのに 風にまぎれて 消えたひと …わたし今夜も ためいき川を 流れ漂う みれん舟 夢を失くしちゃ だめだよと 抱いたあなたが わたしを捨てた それなのに… それなのに にくみきれない 意気地(いくじ)なし …ひとりゆらゆら 酔待川(よいまちがわ)に 沈みそうです みれん舟 泣いてあの日が 戻るなら 化粧なみだで 洗いましょうか それなのに… それなのに 消息(たより)ないまま 春は逝く …わたしどこまで 人の世川の 霧にさまよう みれん舟 |
天命冠二郎 | 冠二郎 | 三浦康照 | 山口ひろし | | 裏も表も ある世の中を さけて通れぬ 男の辛さ 天がお前に くれたじゃないか 一つしかない 尊い命 耐えて待つのさ… 勝負の時節(とき)を 遠く離れて ひとりになって 酒に逃げるな 弱虫野郎 天が与えた 試練の鞭(むち)を じっと堪(こら)えて 拳(こぶし)の中の 夢を信じろ… 男じゃないか 人の情けの 重さがしみる 泣いて笑った 幾年月よ 天がお前の 味方じゃないか 花も実もある 男の人生(みち)を 歩くその日が… 必ず来るさ |
むらさき雨情五木ひろし | 五木ひろし | 三浦康照 | 山口ひろし | | いのちを惜しむ 私なら あなたについて 行かないわ ふたりの傘に ふりかかる ふたりの愛の 恋しぐれ むらさきの雨、雨に にじむ想い出は 愛した女の 涙でしょうか さだめの糸で 結ばれた ふたりの絆 信じたい あなたの匂い しみついた あなたと住んだ あの部屋は むらさきの雨、雨に 遠くかすむ町 訪ねた女の 未練でしょうか 夢でもいいの いつまでも あなたの傍(そば)で 盡(つく)したい 私の胸の 片隅で 私を焦がす 恋灯り むらさきの雨、雨に 濡れて泣いている 愛した女の 心でしょうか |
路地あかり藤あや子 | 藤あや子 | 下地亜記子 | 山口ひろし | 前田俊明 | あ…… 傘をかたむけ 急ぐ身の 裾(すそ)に舞い散る 濡れ落葉 バカな女と 言われても 待っているのよ あの人が 雨に 雨に 雨ににじんだ 路地あかり あ…… 恋のぬけ道 水たまり よけて通れば はねる泥 肌をさすよな 噂でも いいのあなたが いる限り おんな おんな おんな心の 路地あかり あ…… せめて見させて 夢の中 交わす情けの 契(ちぎ)り酒 忍ぶ恋でも 命です つくし抜きたい ひとすじに 来世(あす)を 来世(あす)を 来世(あす)をともして 路地あかり |
こころ酒冠二郎 | 冠二郎 | 三浦康照 | 山口ひろし | | 泣いて甘える あなたがいたら 耐えてゆけます 辛くとも そんな女の ひとり言 酔って淋しさ 忘れるように 呑みほしましょうか 呑みほしましょうか こころ酒 雨ににじんだ のれんの蔭で 強く生きてる こぼれ花 苦労かさねた 涙なら 夢を明日(あした)に つないだ胸を 温(あたた)めましょうか 温(あたた)めましょうか こころ酒 あなた求めて 昔の傷が なんで今更 痛むのよ 意地をささえた 思い出を 捨てて来ました 女がひとり 呑みほしましょうか 呑みほしましょうか こころ酒 |
おんな情話森若里子 | 森若里子 | 荒川利夫 | 山口ひろし | | 湯舟に身体を 沈めてみても こころの寒さを 消してはくれぬ 窓のせゝらぎ 聴かせる川に 流したくない 恋ひとつ みちのくに…… あゝ別れられない 旅の宿 私の命が 愛した人の 背中に縋って 泣いてる夜よ ひとり身じゃない あなたを駅に そっと返して 終わるのね 山里の…… あゝ雨に隠れる 旅の宿 小さく揺れてる 椿の花も 咲いては枝から 落ちてく花よ 胸のぬくもり わけあいながら もっと逢いたい 抱かれたい みちのくに…… あゝ朝を呼べない 旅の宿 |
浮草情話森若里子 | 森若里子 | 荒川利夫 | 山口ひろし | | この目に見えない 運命の嵐 今日もふたりを もてあそぶ もしもあなたが 死ぬのなら そうよ私も 生きてない ねぇ あなた 命をひとつに かさねたい 負けたらだめだと 心を叱る 別れられない この人よ 肩を並べて 酔う酒の 耳に聞こえる 汽車の笛 ねぇ あなた 涙にうかべる 故郷よ どこまで流れる 運命の川を ネオン灯りが 目にしみる どこへ着こうと 浮草の 愛を明日へ つれてゆく ねぇ あなた この手を放して 暮らせない |
おもいで港町大石円 | 大石円 | やしろよう | 山口ひろし | | あなたの噂 訪ねて函館 あの日の恋を 探して小樽 春 春早く来い 津軽の海を越えて来い 涙が 涙が 涙が凍る 心が 心が 心が燃える ひとりが辛い おもいで港町 お酒よせめて 今夜は酔わせて 海鳴りだけが 聞こえる酒場 春 春早く来い あなたをここへつれて来い 灯りが 灯りが 灯りが揺れる 未練が 未練が 未練がつのる 面影滲む おもいで港町 やさしい胸で も一度泣きたい 夢でもいいの 逢いたいあなた 春 春早く来い 名もない花に飛んで来い 涙が 涙が 涙が凍る 心が 心が 心が燃える 汽笛がむせぶ おもいで港町 |
紅ごころ藤あや子 | 藤あや子 | 吉田旺 | 山口ひろし | | 別れてよかった はずなのに 別れるまえより 涕かすひと だめよだめだめ 振りむいちゃ 酒が叱って くれるけど ああわたし いやになるほどおんなです やつれた涙の 通り径 ふいてもとれない 泣きぼくろ きっとあのひと あの指で 消してくれると 信じてた ああわたし うらむそばからおんなです 恋しい名前を 口紅で なぞればポキリと はじけとぶ だめよだめだめ 忘れなきゃ 外はさみだれ 雨すだれ ああわたし いやになるほどおんなです |
浮草の花藤あや子 | 藤あや子 | たかたかし | 山口ひろし | | 真菰がくれに葦切が 啼けば水棹がおもくなる 愛を信じてこの人と 噂つめたい人の世の さざ波に さざ波に あすの夢漕ぐ エー おんな舟 人の掟に背をむけて ふたりおちてく恋の闇 瞼とじれば霧にぬれ 母のふるさと灯がにじむ 泣きながら 泣きながら あすに夢漕ぐ エー おんな舟 ふたり浮草 水の花 涙かわかぬ身のさだめ 月よ 照らしてこの川を せめて着きたい向こう岸 しあわせの しあわせの あすへ夢漕ぐ エー おんな舟 |