上海帰りのリル津村謙 | 津村謙 | 東条寿三郎 | 渡久地政信 | | 船を見つめていた ハマのキャバレーにいた 風の噂は リル 上海帰りの リル リル 甘いせつない 思い出だけを 胸にたぐって 探して歩く リル リル どこにいるのか リル だれかリルを 知らないか 黒いドレスを見た 泣いていたのを見た もどれこの手に リル 上海帰りの リル リル 夢の四馬路(スマロ)の 霧降る中で 何もいわずに 別れた瞳 リル リル ひとりさまよう リル だれかリルを 知らないか 海を渡ってきた ひとりぼっちで来た 望み捨てるな リル 上海帰りの リル リル 暗い運命(さだめ)は 二人でわけて 共に暮らそう 昔のままで リル リル きょうも逢えない リル だれかリルを 知らないか |
島のブルース青江三奈 | 青江三奈 | 吉川静夫 | 渡久地政信 | | 奄美なちかしゃ 蘇鉄のかげで 泣けばゆれます サネン花ヨ ながい黒髪 島むすめ 島むすめヨ 愛人はいまごろ 起きてか寝てか 淋しがらせる 浜千鳥ヨ 南風のふく夜は ねむられぬ ねむられぬヨ 夏のおどりは 七日と七夜 みんな知り候る 月の夜ヨ 名瀬の港の 船がでる 船がでるヨ 着せてみせたい 大島つむぎ わすれられない あのひとにヨ なさけひとすじ 島むすめ 島むすめヨ |
東京アンナ青江三奈 | 青江三奈 | 藤間哲郎 | 渡久地政信 | | ライトの虹を 踏みながら 銀座の夜を ひらく薔薇 ああ誰か呼ぶ 舞姫の その名はアンナ 東京アンナ 噂のアンナ 重ねる酒の 激しさは 耐えた恋の しわざやら ああ誰が知ろ くずれ咲く その名はアンナ 東京アンナ 吐息のアンナ |
夜霧に消えたチャコ青江三奈 | 青江三奈 | 宮川哲夫 | 渡久地政信 | | 俺のこころを 知りながら なんでだまって 消えたんだ チャコ チャコ 酒場に咲いた 花だけど あの娘は可憐な 可憐な娘だったよ 青いネオンが 泣いている 紅いネオンも 涙ぐむ チャコ チャコ 帰っておくれよ もう一度 俺のせつない せつないこの胸に |
小樽の灯青江三奈 | 青江三奈 | 吉川静夫 | 渡久地政信 | | 暗いこの世を 手さぐりで 生きて流れる 花園あたり 浮世通りの 灯にすがり 酒で自口分を 責めている そんなあなたに 抱かれて泣いた 小樽の灯 石の坂道 港町 船が口笛 咲いてるような 遠い汽笛が 淋しいの 耳をふさいで 涙ぐむ 女ひとりの 想い出通り 小樽の町よ 他人行儀で とおせたら つらい噂も 立たないものを 稲荷小路の ネオン花 男なんかに だまされて 死にもできない 夜がまた来る 小樽の灯 |
お富さん春日八郎 | 春日八郎 | 山崎正 | 渡久地政信 | | 粋(いき)な黒塀(くろべい) 見越しの松に 仇(あだ)な姿の 洗い髪 死んだはずだよ お富さん 生きていたとは お釈迦(しゃか)さまでも 知らぬ仏の お富さん エッサオー 源冶店(げんやだな) 過ぎた昔を 恨むじゃないが 風もしみるよ 傷の痕(あと) 久しぶりだな お富さん 今じゃ異名(よびな)も 切られの与三(よさ)よ これで一分(いちぶ)じゃ お富さん エッサオー すまされめえ かけちゃいけない 他人の花に 情かけたが 身の運命(さだめ) 愚痴はよそうぜ お富さん せめて今夜は さしつさされつ 飲んで明かそよ お富さん エッサオー 茶わん酒 逢(あ)えばなつかし 語るも夢さ だれが弾(ひ)くやら 明烏(あけがらす) ついて来る気か お富さん 命短く 渡る浮世は 雨もつらいぜ お富さん エッサオー 地獄雨 |
島の船唄三橋美智也 | 三橋美智也 | 矢野亮 | 渡久地政信 | | 茜流して もう陽が沈む 胸の思いも つい燃える エッサホイ エッサホイ 海はぎらなぎ 船足ァ遅い 磯で待つ身を エンヤコラホイ エンヤコラホイ 思やんせ 帰る鵜の鳥 せきゃるなしばし 知らぬふりとは つれなかろ エッサホイ エッサホイ あせりゃ櫓(ろ)べそも ギギッと泣いて ほんにせつない エンヤコラホイ エンヤコラホイ もどり船 なぜか気になる 灯台あかり ちらり浮気に また消える エッサホイ エッサホイ せめて落ちるな 裏山椿 わしが錨を エンヤコラホイ エンヤコラホイ おろすまで |
ズンドコ横丁雪村いづみ | 雪村いづみ | 宮川哲夫 | 渡久地政信 | | 久しぶりだナー、肩抱きよせりゃ 可愛いエクボが濡れている ここは港のズンドコ酒場 海の男のたまり場所 トコ ズンズンドコたまり場所 ラムにするかな、シャンパン抜こか 唄にしようか踊ろうか 逢いたかったわ おたがいさまさ 飲むぜ今夜は浴びるほど トコ ズンズンドコ浴びるほど うまいもんだナ、半年ぶりの 陸の空気と云う奴は 苦労忘れのズンドコ節さ はめを外して浮かれるぜ トコ ズンズンドコ浮かれるぜ |
ごめんなさいねお母さん大津美子 | 大津美子 | 東逸平 | 渡久地政信 | | 虹よりもはかなく遠くあの空へ 消えてしまった お母さん 思っている程 思う程 なんにもしないで ごめんなさいね ごめんなさいね お母さん お母さん わたしだけ残して ひとりあの空へ 消えてしまったお母さん 涙であの星 光る夜 いつでもやさしい微笑の 花を心にもっていた お母さん 思っている程 思う程 なんにもしないで ごめんなさいね ごめんなさいね お母さん お母さん |
港のエトランゼ岡晴夫 | 岡晴夫 | 矢野亮 | 渡久地政信 | | 流れ流れて たどりつく 知らぬ港は 青い霧 もっとお寄りよ 淋しじゃないか どうせ故郷にゃ 帰れぬ二人 俺もお前も エトランゼ 抱いたギターを 爪弾けば すすり泣きする いじらしさ そっと唄およ 切ない胸を 待てど来るやら 花咲く春が 俺もお前も エトランゼ 残る未練に ひかされて 風にまかせた 旅の空 ほって置いてよ 流しの唄は 届くあてない 儚い夢さ 俺もお前も エトランゼ |
幸福はあの空から岡晴夫 | 岡晴夫 | 矢野亮 | 渡久地政信 | | 黄昏の並木路 ひとり見てましょう 淋しさに 恋しさに ひとり窓辺で見てましょう やがてつく 街の灯が 暗い心を 照らして 照らして 来る来る 来る来る来る 来るよ 幸福(しあわせ)は あの街から かならず やって来る 来るよ あの頃の思い出を そっと呼びましょう 過ぎし日を 夢の日を そっと小声で呼びましょう やがて出る 月さえも 愛し面影 浮かべて 浮かべて 来る来る 来る来る来る 来るよ 幸福は あの空から かならず やって来る 来るよ 思い出を抱きしめて じっと待ちましょう 苦しみも かなしみも じっと耐(こら)えて待ちましょう やがて来る 幸福に 涙なんかは おさらば おさらば 来る来る 来る来る来る 来るよ 幸福は いつの日にか かならず やって来る 来るよ |
想い出のランプに灯を入れて三条町子 | 三条町子 | 矢野亮 | 渡久地政信 | | 淋しくなれば モン・シェール 想い出のランプに 灯をいれて 過ぎし日の たのし夢 くりかえす わたし 貴方は いつかきっと この胸にかえる 逢いたくなれば モン・シェール あの空にまたたく 星を呼び なつかしい 面影の あとを追う わたし 貴方は 今はどこで この星を見てる 泣きたくなれば モン・シェール マロニエの花咲く 街に来て あてのない 幸福(しあわせ)を 待ちわびる わたし 貴方は いつか逢った この街にかえる |
さすらいのラーニャ三条町子 | 三条町子 | 松村又一 | 渡久地政信 | | きりの深い夜だった キタイスカヤの街かどで 涙乍らに別れたラーニャ ラーニャ いとしのラーニャ 今宵いづこで 泣いているやら 忘れられないその名よ ラーニャ いとしのラーニャ 夢と消えた恋だった 赤いオゴニカ抱きしめて 泣ける思いで別れたラーニャ ラーニャ いとしのラーニャ めぐりあう日は いつの事やら かわいひとみのその名よラーニャ いとしのラーニャ きりの深い夜だった セントポールの鐘(かね)の音が 胸にきざんで別れたラーニャ ラーニャ いとしのラーニャ 春はふたゝびかえり来るやら 呼べどはかないその名よ ラーニャ いとしのラーニャ |
マドロス追分津村謙 | 津村謙 | 矢野亮 | 渡久地政信 | | 愛(いと)しおまえをヨー 甲板(デッキ)で呼べばヨー 暗い波間を 鴎になって 恋し恋しと 泣き泣き飛んだ 遠い港へ 泣き泣き飛んだ 無事で着いたかヨー おまえの夢にヨー 俺らマドロスヨー 北海道暮らしヨー 荒(すさ)ぶ暴風(あらし)も 怖くはないが 愛(いと)しおまえと せつない別れ ままにならない せつない別れ せめて逢おうかヨー 夜ごとの夢でヨー 愛しおまえをヨー 船倉(ハッチ)で偲びゃヨー 暗い夜空の 粉雪となって 窓のガラスに 凍って積もる 痛む思いが 凍って積もる さぞや寒かろヨー 今夜の夢はヨー |
リルを探してくれないか津村謙 | 津村謙 | 東條寿三郎 | 渡久地政信 | | 街で泣いてたリル 噂ばかりのリル たずね歩いて 幾年月も 過ぎてせつなく 涙であえぐ どこに消えたかリル くにも知らないリル 上海帰りの 上海帰りの リルを探してくれないか 泣いて手を振るリル 霧の四馬路(スマロ)のリル 忘れられない あの面影の 今日はいずこで 昔をしのぶ 共に暮らしたリル 胸にさまようリル 上海帰りの 上海帰りの リルに会わせてくれないか 辛い旅路のリル 一人ぼっちのリル いつか都の 夜空の涯に 落ちた星さえ 心に熱い 変りはてるなリル 呼べど答えぬリル 上海帰りの 上海帰りの リルを見つけてくれないか |
マルーシャ可愛いや津村謙 | 津村謙 | 松村又一 | 渡久地政信 | | そなたと別れの 夜はつらい 別れてしまえば ネエ マルーシャ 可愛いそなたの 唇は ほかの男に 触れるだろ 夜はまっくらだ 夜はこわい マルーシャ 可愛いや 可愛いや マルーシャ 赤いサラファン 目にしみる 別れたあとで ネエ マルーシャ 憎い悪魔が しのびより そなたの心を さそうだろう 丸いえくぼが 気にかかる マルーシャ 可愛いや 可愛いや マルーシャ 男の心は 恋と酒 復活祭(まつり)の夜は ネエ マルーシャ 可愛いそなたと 手をくんで 踊りあかそよ 夜明けまで もえるペチカの 火のそばで マルーシャ 可愛いや 可愛いや マルーシャ |
東京の椿姫津村謙 | 津村謙 | 東条寿三郎 | 渡久地政信 | | 窓うつ風の ためいきか 更けてネオンの 点る街 その名は 知らない いつか寂しく 浮ぶ顔 あゝ思い出の 胸にすむ 東京の椿姫 嘆きの酒に 酔いしれて なにも云わずに 泣いていた その名は 知らない 夢にしみこむ 古い傷 あゝさすらいの 君いずこ 東京の椿姫 夜霧の街に つつまれて 暗いさだめの 果てを行く その名は 知らない 呼ぶな彼方の 白い星 あゝ胸に咲き 胸に散る 東京の椿姫 |
港のおりくさん若原一郎 | 若原一郎 | 伊藤岸子・補作詞:服部鋭夫 | 渡久地政信 | | 縞(しま)のお召(めし)に 西陣しめて 枠じゃないかえ おりくさん 徳利片手に 愛嬌まけば さわぐ筈だよ 与太さんが サ サエ 港町 酔えばほんのり 目元が千両 味があるぞえ おりくさん 色は浅黄に 白地でぬいた こぼれ松葉の こののれん サ サエ 嬉しいね 明日は船出と 小声で言えば 無事で居てねと おりくさん 強いようでも 女は女 涙ふく袖 ちらほらと サ サエ 紅が散る |
東京アンナ市川由紀乃 | 市川由紀乃 | 藤間哲郎 | 渡久地政信 | | ライトの虹を 踏みながら 銀座の夜を ひらく薔薇 ああ 誰か呼ぶ 舞姫の その名はアンナ 東京アンナ 噂のアンナ 柔(やわ)らな肌を 黒髪に 隠せど甘き 流し瞳(め)よ ああ 誰ゆえに 情熱の その名はアンナ 東京アンナ 妖(あや)しきアンナ 重ねる酒の 激しさは 耐(こら)えた恋の しわざやら ああ 誰が知ろ くずれ咲く その名はアンナ 東京アンナ 吐息のアンナ |
つむぎ恋唄三沢あけみ | 三沢あけみ | 野村秀亮・渡久地政信 | 渡久地政信 | | 愛を紬(つむぎ)に 織りたいからと 今朝の手紙に 書いて出す 遠く離れて 思いは一つ 糸で繋(つな)いだ 島なさけ 加那(かな)は嫁入頃(たちごろ) 二十(はたち)ごろ 愛の手で織る 大島紬(つむぎ) 紅の色柄(いろがら) 花模様 浮ぶ面影 夜業(よなべ)の夜に 二人交(かわ)した 秘め言葉 加那(かな)は嫁入頃(たちごろ) 二十(はたち)ごろ 愛の紬(つむぎ)を あなたに着せて 連れて行きたい 夏まつり 踊る振(ふ)り袖(そで) 袂(たもと)に絡(から)む 風が婦夫(めおと)の 縁(えん)むすび 加那(かな)は嫁入頃(たちごろ) 二十(はたち)ごろ |
わかれ酒三沢あけみ | 三沢あけみ | 吉川静夫 | 渡久地政信 | | 女の歓喜(よろこび)おしえた貴方(ひと)が こんな こんな こんな悲哀(かなしみ) わたしに呉(く)れた 涙ながして 悩んだ果てに 痩(や)せたとこの頃 いわれます 命を泣かす わかれ酒 死んだらよかった 抱かれたままで 甘い 甘い 甘い言葉に 私は燃えた 嘘も本当も 男は上手 二度目の人生 さがします 命を泣かす わかれ酒 生きてる限りは 忘れはしない それが それが それが本音(ほんね)の わたしにさせた 夜の仕草や 口癖なんか 酔うほど心に 浮かびます 命を泣かす わかれ酒 |
島のブルース三沢あけみ・和田弘とマヒナスターズ | 三沢あけみ・和田弘とマヒナスターズ | 吉川静夫 | 渡久地政信 | | 奄美なちかしや 蘇鉄(ソテツ)のかげで 泣けばゆれます サネン花ョ ながい黒髪 島むすめ島むすめョ 愛人(カナ)はいまごろ 起きてか寝てか 淋しがらせる 浜千鳥ョ 南風(ハエ)のふく夜は ねむられぬねむられぬョ 夏のおどりは 七日と七夜 みんな知り候(ショ)る 月の夜ョ 名瀬の港の 船がでる船がでるョ 着せてみせたい 大島つむぎ わすれられない あのひとにョ なさけひとすじ 島むすめ島むすめョ |
湖愁山内惠介 | 山内惠介 | 宮川哲夫 | 渡久地政信 | | 悲しい恋の なきがらは そっと流そう 泣かないで かわいあの娘よ さようなら たそがれせまる 湖の 水に浮かべる 木の葉舟 ひとりの旅の 淋(さび)しさは 知っていたのさ 始めから はぐれ小鳩か 白樺の こずえに一羽 ほろほろと 泣いて涙で 誰を呼ぶ 夕星一つ また一つ ぬれた瞳を しのばせる 思い出すまい なげくまい 東京は遠い あの峰を 越えてはるかな 空のはて |
踊子山内惠介 | 山内惠介 | 喜志邦三 | 渡久地政信 | | さよならも 言えず 泣いている 私の踊子よ ……ああ 船が出る 天城峠で 会うた日は 絵のように あでやかな 袖が雨に 濡れていた 赤い袖に 白い雨…… 月のきれいな 伊豆の宿 紅いろの 灯に かざす扇 舞いすがた 細い指の なつかしさ…… さよならも 言えず 泣いている 私の踊子よ ……ああ 船が出る 下田街道 海を見て 目をあげた 前髪の 小さな櫛も 忘られぬ 伊豆の旅よ さようなら…… |
吹けば飛ぶよな若原一郎 | 若原一郎 | 東條寿三郎 | 渡久地政信 | 渡久地政信 | おおい どしたい元気かい ネオンまたたく 街角は うれし涙の わくところ 吹けば 飛ぶ飛ぶ 飛ぶよな 仲間なら 誰が離さりょ この腕(かいな) 僕もやるから 君もやれ ポルカ唄って ポルカ唄って 夜の更けるまで そうさ そうだよ若さだよ 消えた恋では 更にない 落ちる涙も 燃えている 吹けば 飛ぶ飛ぶ 飛ぶよな 真の底 赤の他人が 知るものか 僕も飲むから 君も飲め ポルカ唄って ポルカ唄って 夜の更けるまで おおい やろうぜ見せようぜ 明日を画(えが)いて 抱いて来た ダイヤモンドの 胸の中 吹けば 飛ぶ飛ぶ 飛ぶよな 風情でも いつの何時(いつ)まで こうじゃない 僕もゆくから 君もこい ポルカ唄って ポルカ唄って 夜の更けるまで |
お富さん氷川きよし | 氷川きよし | 山崎正 | 渡久地政信 | 石倉重信 | 粋な黒塀 見越しの松に 仇な姿の 洗い髪 死んだ筈だよ お富さん 生きていたとは お釈迦さまでも 知らぬ仏の お富さん エーサォー 玄冶店 過ぎた昔を 恨むじゃないが 風も沁みるよ 傷の跡 久しぶりだな お富さん 今じゃ呼び名も 切られの与三よ これで一分じゃ お富さん エーサォー すまされめえ かけちゃいけない 他人の花に 情けかけたが 身のさだめ 愚痴はよそうぜ お富さん せめて今夜は さしつさされつ 飲んで明かそよ お富さん エーサォー 茶わん酒 逢えばなつかし 語るも夢さ 誰が弾くやら 明烏 ついてくる気か お富さん 命みじかく 渡る浮世は 雨もつらいぜ お富さん エーサォー 地獄雨 |
上海帰りのリルちあきなおみ | ちあきなおみ | 東条寿三郎 | 渡久地政信 | 倉田信雄 | 船を見つめていた ハマのキャバレーにいた 風の噂はリル 上海帰りのリル リル 甘いせつない 思い出だけを 胸にたぐって 探して歩く リル リル どこにいるのか リル だれかリルを 知らないか 黒いドレスを見た 泣いていたのを見た もどれこの手にリル 上海帰りのリル リル 夢の四馬路(スマロ)の 霧降る中で 何もいわずに 別れた瞳 リル リル ひとりさまよう リル だれかリルを 知らないか 海を渡って来た ひとりぼっちで来た 望み捨てるな リル 上海帰りの リル リル 暗い運命(さだめ)は ふたりでわけて ともに暮らそう 昔のままで リル リル きょうも逢えない リル だれかリルを 知らないか |
夜のバイオリン松島詩子 | 松島詩子 | 若杉雄三郎 | 渡久地政信 | | 夜のひととき ひき鳴らす 恋はかなしい トレモロか あなたは あなたは どこにいる 月が木陰に 下(お)りる夜は そっと取り出す バイオリン 君は優しい 紅のバラ 恋はかなしい 流れ星 あなたは あなたは どこにいる 泣いた別れの 想い出に ひとり奏(かな)でる バイオリン 糸のしらべも すすり泣く 恋はかなしい トレモロか あなたは あなたは どこにいる 想い出す夜は 面影を 偲(しの)ぶさみしい バイオリン |
島のブルース田端義夫 | 田端義夫 | 吉川静夫 | 渡久地政信 | 小谷充 | 奄美なちかしゃ 蘇鉄のかげで 泣けばゆれます サネン花ヨ ながい黒髪 島むすめ 島むすめヨ 愛人(かな)はいまごろ 起きてか寝てか 淋しがらせる 浜千鳥ヨ 南風(はえ)のふく夜は ねむられぬ ねむられぬヨ 夏のおどりは 七日と七夜 みんな知り候る 月の夜ヨ 名瀬の港の 船がでる 船がでるヨ 着せてみせたい 大島つむぎ わすれられない あのひとにヨ なさけひとすじ 島むすめ 島むすめヨ |
流れの雲に天知茂 | 天知茂 | 川内康範 | 渡久地政信 | | 流れの雲にきいてみた おいら明日は 何処へ行く そよ吹く風に きいてみた おいら明日は 何処へ行く 風がこたえた 雲にきけ 雲がこたえた 風にきけ どうせこの世の寂しさを 知っていながら何故にきく 何処で死のうと 生きようと 泣いてくれてがあるじゃなし 天上天下 ただひとり 頼れる奴は 俺ひとり 頼れる奴は 俺ひとり |
東京アンナ大津美子 | 大津美子 | 藤間哲郎 | 渡久地政信 | | ライトの虹を 踏みながら 銀座の夜を ひらく薔薇 ああ 誰か呼ぶ 舞姫の その名はアンナ 東京アンナ 噂のアンナ 柔らな肌を 黒髪に 隠せど甘き 流し瞳(め)よ ああ 誰ゆえに 情熱の その名はアンナ 東京アンナ 妖しきアンナ 重ねる酒の 激しさは 耐えた恋の しわざやら ああ 誰が知ろ くずれ咲く その名はアンナ 東京アンナ 吐息のアンナ |
長崎の夜金沢明子 | 金沢明子 | 吉川静夫 | 渡久地政信 | | 雨がそぼ降る オランダ坂を 濡れてあるけば あゝ 花がちる 踏めば泣くよと 優しく言った そんなあなたに 私をあげた 夜の長崎 夜の長崎 長崎の夜 せめて酔いたい びいどろグラス 注(つ)いだお酒も あゝ 涙いろ わかれたくない みだれて燃える 女ごころに 私をさせた 夜の長崎 夜の長崎 長崎の夜 おもいきりばし 丸山 胴座 恋の涙の あゝ 捨てどころ 流れはてない 運命(さだめ)の旅路 消えぬ思い出 私にくれた 夜の長崎 夜の長崎 長崎の夜 |
酒は手酌でほろ酔いで三沢あけみ | 三沢あけみ | 吉岡治 | 渡久地政信 | | 男はきれいに 捨てました いったそばから また惚れて いつか身につく 不幸ぐせ いま頃あの人 どうしてる 甲斐性ないから 気になって 酒は手酌で ほろ酔いで… 片意地はっても おんなです 肩がおちます 夜更けどき つくしきりたい 抱かれたい みれんを肴に わすれ酒 猫にからんで 逃げられて 酒は手酌で ほろ酔いで… 明日はどうやら 雨もよい どこであの人 雨やどり さしてあげたい おんな傘 帰っておいでよ いつだって 吐息まじりの こぼれ唄 酒は手酌で ほろ酔いで… |
踊子三浦洸一 | 三浦洸一 | 喜志邦三 | 渡久地政信 | | さよならも 言えず 泣いている 私の踊子よ ……ああ 船が出る 天城峠で 会(お)うた日は 絵のように あでやかな 袖が雨に 濡れていた 赤い袖に 白い雨…… 月のきれいな 伊豆の宿 紅いろの 灯(ともしび)に かざす扇 舞いすがた 細い指の なつかしさ…… さよならも 言えず 泣いている 私の踊子よ ……ああ 船が出る 下田街道 海を見て 目をあげた 前髪の 小さな櫛も 忘られぬ 伊豆の旅よ さようなら…… |
池袋の夜青江三奈 | 青江三奈 | 吉川静夫 | 渡久地政信 | | あなたに逢えぬ 悲しさに 涙もかれて しまうほど 泣いて悩んで 死にたくなるの せめないわ せめないわ どうせ気まぐれ東京の 夜の池袋 他人のままで 別れたら よかったものを もうおそい 美久仁小路(みくにこうじ)の 灯りのように 待ちますわ 待ちますわ さようならなんて言われない 夜の池袋 にげてしまった 幸福は しょせん女の 身につかぬ お酒で忘れる 人生横丁 いつまでも いつまでも どうせ気まぐれ東京の 夜の池袋 |
長崎ブルース青江三奈 | 青江三奈 | 吉川静夫 | 渡久地政信 | | 逢えば別れが こんなにつらい 逢わなきゃ 夜がやるせない どうすりゃいいのさ 思案橋 丸山せつない 恋灯り ああ せつない長崎ブルースよ 泣いてすがれば 好きだと抱いて とかせた帯ひも 南蛮屏風 ガラスの絵にさえ 紅がつく 男と女の 恋ごころ ああ 女の長崎ブルースよ 石のたたみを 歩いたときも 二つの肩が はなれない ザボンのかおりの うす月夜 死んでも忘れぬ 恋すがた ああ 忘れぬ長崎ブルースよ |
林檎ッコフランク永井 | フランク永井 | 佐伯孝夫 | 渡久地政信 | | 林檎ッコ 林檎ッコ くにを出てから もう三年だ 旅から旅の さすらいぐらし 林檎ッコ 林檎ッコ おまえを見るたび 想い出す 帰りたくなる ふるさとだ 林檎ッコ 林檎ッコ 知らぬこの街 果物店で お前は紅く 微笑みかける 林檎ッコ 林檎ッコ 泣きつつ別れた あの娘 いまも林檎を 作るやら 林檎ッコ 林檎ッコ 甘くかなしい あの娘の声が 早よさ帰れと 呼んでるようで 林檎ッコ 林檎ッコ 涙をながして ゆきすぎる 肩に夜霧が 青く降る |
夜霧に消えたチャコフランク永井 | フランク永井 | 宮川哲夫 | 渡久地政信 | | 俺のこころを 知りながら なんでだまって 消えたんだ チャコ チャコ 酒場に咲いた 花だけど あの娘は可憐な 可憐な 娘だったよ 夢のないのが 淋しいと 霧に濡らした 白い頬 チャコ チャコ 忘れはしない いつまでも あの日の悲しい 悲しい まなざしを 青いネオンが 泣いている 紅いネオンも 涙ぐむ チャコ チャコ 帰っておくれ もう一度 俺のせつない せつない この胸に |
俺は淋しいんだフランク永井 | フランク永井 | 佐伯孝夫 | 渡久地政信 | | 赤い灯 青い灯 ともる街角に あの娘を捨てて 俺はゆく さようなら さようなら 俺は淋しいんだ あの娘と別れて ひとり旅へゆく 見返る あの街 星も泣いている まぶたもいつか 熱くなる さようなら さようなら 俺は淋しいんだ 夜風に可愛や 声がきこえくる あの娘の瞳も 忘れられないに 手紙を残し またの旅 さようなら さようなら 俺は淋しいんだ 男のさだめさ ひとり旅へゆく |
冷いキッスフランク永井 | フランク永井 | 東島竜次 | 渡久地政信 | | 冷たいキッス 冷たいキッス 遠い国から吹いてくる 冷たい風の 街角で 冷たいキッスを 残したままで なんにも云わずに 別れた人よ そのときの そのときの 冷たさが 私の心を傷つける 細い通りの喫茶店 愛していると だしぬけに 小さくいって 私の右手 そっと握った その手のあつさ そのひとの そのひとの 思い出が 私の心に灯をともす 雨のそぼ降る日曜日 別れたひとの 思い出を ひとりでそっと だきしめたくて 古い日記の ページをめくる あの人も この人も 離れて遠く 私はひとりただひとり |
お百度こいさん和田弘とマヒナスターズ | 和田弘とマヒナスターズ | 喜志邦三 | 渡久地政信 | | あきらめられない この願い 泣いて船場の こいさんが 芝居の裏の雨の夜 お百度まいりの法善寺 くすり問屋のあの人に あの人に どうぞ添わせて どうぞ添わせて おくれやす おくれやす 女の心は ひとすじよ 夫婦ぜんざい 軒したに 紅提灯のともる道 お百度まいりの法善寺 幼馴染のあの人に あの人に どうぞ添わせて どうぞ添わせて おくれやす おくれやす おみくじ引こうか辻占か 淡路町から こいさんが 悲しい夢と 知りながら お百度まいりの法善寺 思いこがれるあの人に あの人に どうぞ添わせて どうぞ添わせて おくれやす おくれやす |
潮来船頭さん和田弘とマヒナスターズ | 和田弘とマヒナスターズ | 古川静夫 | 渡久地政信 | | あの娘十八 おいらは二十才 潮来船頭さんは 水の上 嫁に行くそな 東京の人に それでいいんだ いいんだよ 漕いでギッチラコとヨー 泣いている あやめ祭の 灯りがゆれて 潮来船頭さんの 櫓に滲む 河に流した 男の夢さ それでいいんだ いいんだよ どうせギッチラコとヨー 利根そだち 鳴くなよしきり 運命じゃないか 潮来船頭さんは まだ若い 河原真菰に しぶきがかかる それでいいんだ いいんだよ 船はギッチラコとヨー 波まかせ |
背広姿の渡り鳥佐川満男 | 佐川満男 | 宮川哲夫 | 渡久地政信 | 近藤進・渡久地政信 | 辛うござんす 他国の雨を 一人 旅籠で 聞く夜は 背広姿の渡り鳥 からみませんが 仁義とやらは 切るに切れない 恋の糸 恋の糸 好きでござんす シンから好きで 瞼 はなれぬ あの笑くぼ 忘れられなきゃ 何故捨てた ひとに云えない こころの中は 濡れたギターが 知るだけさ 知るだけさ 夢でござんす 今更愚痴を ならべたてても 悔んでも 背広姿の渡り鳥 何処へゆこうと 行く先ぁおなじ 所詮 東京は 遠くなる 遠くなる |
湖愁松島アキラ | 松島アキラ | 宮川哲夫 | 渡久地政信 | 渡久地政信・西崎進 | 悲しい恋の なきがらは そっと流そう 泣かないで かわいあの娘よ さようなら たそがれ迫る 湖の 水に浮かべる 木の葉舟 ひとり旅の 淋しさは 知っていたのさ 始めから はぐれ小鳩か 白樺の 梢に一羽 ほろほろと 泣いて涙で 誰を呼ぶ 夕星ひとつ またひとつ ぬれた瞳を しのばせる 想い出すまい 嘆くまい 東京は遠い あの峰を 越えてはるかな 空のはて |
日本列島・みなと町青江三奈 | 青江三奈 | 吉川静夫 | 渡久地政信 | | 港 みなと町 ながれて着いた 胸に霧笛が 咽(むせ)ぶ町 あなたの後追い 泣き泣き着きました 夜の釧路は 夜の釧路は 恋港 港 みなと町 いのちを賭けた 佐渡の女が 生きる町 おとこを信じて 明日(あした)に賭けました 夜の新潟 夜の新潟 恋港 港 みなと町 わかれて聞いた 他人ばかりの 噂町 晴海のどこかで だれかに聞きました 夜の東京 夜の東京 恋港 港 みなと町 船の灯ゆれた 熱い慕情(なさけ)に 濡れる町 逢われて抱かれて あなたに揺(ゆ)れました 夜の沖縄 夜の沖縄 恋港 |
長崎未練青江三奈 | 青江三奈 | 吉川静夫 | 渡久地政信 | | 恋がもたらした 女のこころ 涙ながしていつまでも あなたにすがる つらい運命に またひき裂かれ あしたの別れは 死ぬよりくるしい 夜の長崎ブルースよ 長崎 長崎 おもい切り橋銅座町 旅がもたらした 男の情け 知っていながら忘られぬ 私が憎い 夢もおぼろな 和蘭陀(オランダ)ランプ 坂みち抜ければ 三味線小路 夜の長崎ブルースよ 長崎 長崎 渚通りの出島町 夜がもたらした 二人の噂 いつも女は泣かされる 未練にまけて あまい匂いの 丸山あたり 消しても消えない 想い出ばかり 夜の長崎ブルースよ 長崎 長崎 花がこぼれる石だたみ |
渋谷音頭区歌 | 区歌 | 下村八重・補作詞:奥野椰子夫 | 渡久地政信 | | 緑の風が はずんだ声を 運ぶ渋谷は 若い街 古い歴史をそのままに つづる代々木の 森近く 忠犬ハチ公 待ち合わせ ラブラブ渋谷 ラブラブ渋谷 おしゃれなウィンドゥ 原宿通り ちょいと私(わたし)も 若づくり けやき並木の 木梢(こずえ)にも ひびく 屋内(おくない)競技場 きっと出る出る 新記録 ラブラブ渋谷 ラブラブ渋谷 スクールバスの あの娘(こ)に今日も きっと逢えるよ 常磐松(ときわまつ) 八幡通りも この辺(あた)り 誰の見舞か 日赤の 窓にゆれてる 紅(あか)いバラ ラブラブ渋谷 ラブラブ渋谷 恋人達の 道玄坂を 行けば円山(まるやま) 月も出る 思いがけない あのひとに 逢えて嬉しい 紅提灯(べにちょうちん) 祭ばやしの 遠太鼓(とおだいこ) ラブラブ渋谷 ラブラブ渋谷 国鉄 私鉄 地下鉄線と 歩道橋(ほどうきょう)渡り 右左(みぎひだり) みんな集まる 広場なら 心 心が かよいあう そんな街です 明日(あす)の街 ラブラブ渋谷 ラブラブ渋谷 |