中原中也作詞の歌詞一覧リスト 16曲中 1-16曲を表示
曲名 | 歌手名 | 作詞者名 | 作曲者名 | 編曲者名 | 歌い出し |
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道修山夜曲辰巳真理恵 | 辰巳真理恵 | 中原中也 | 薮田翔一 | 星の降るよな夜(よる)でした 松の林のその中に、 僕は蹲(しやが)んでをりました。 星の明りに照らされて、 折しも通るあの汽車は、 今夜何処(どこ)までゆくのやら。 松には今夜風もなく 土はジツトリ湿つてる。 遠く近くの笹の葉も しづもりかへつてゐるばかり。 星の降るよな夜でした、 松の林のその中に 僕は蹲んでをりました。 | |
妹よ辰巳真理恵 | 辰巳真理恵 | 中原中也 | 薮田翔一 | 夜、うつくしい魂は涕(な)いて、 ――かの女こそ正当(あたりき)なのに―― 夜、うつくしい魂は涕いて、 もう死んだっていいよう……といふのであつた。 湿った野原の黒い土、短い草の上を 夜風は吹いて、 死んだつていいよう、死んだつていいよう、と、 うつくしい魂は涕くのであった。 夜、み空はたかく、吹く風はこまやかに ――祈るよりほか、わたくしに、すべはなかつた…… | |
春宵感懐サンタラ | サンタラ | 中原中也 | 砂田和俊・田村キョウコ | 雨が、あがつて、風が吹く。 雲が、流れる、月かくす。 みなさん、今夜は、春の宵。 なまあつたかい、風が吹く。 なんだか、深い、溜息が、 なんだかはるかな、幻想が、 湧くけど、それは、掴めない。 誰にも、それは、語れない。 誰にも、それは、語れない ことだけれども、それこそが、 いのちだらうぢやないですか、 けれども、それは、示かせない…… かくて、人間、ひとりびとり、 こころで感じて、顔見合せれば につこり笑ふといふほどの ことして、一生、過ぎるんですねえ 雨が、あがつて、風が吹く。 雲が、流れる、月かくす。 みなさん、今夜は、春の宵。 なまあつたかい、風が吹く。 | |
湖上サンタラ | サンタラ | 中原中也 | 砂田和俊・田村キョウコ | ポツカリ月が出ましたら、 舟を浮べて出掛けませう。 波はヒタヒタ打つでせう、 風も少しはあるでせう。 沖に出たらば暗いでせう、 櫂から滴垂る水の音は 昵懇しいものに聞こえませう、 ――あなたの言葉の杜切れ間を。 月は聴き耳立てるでせう、 すこしは降りても来るでせう、 われら接唇する時に 月は頭上にあるでせう。 あなたはなほも、語るでせう、 よしないことや拗言や、 洩らさず私は聴くでせう、 ――けれど漕ぐ手はやめないで。 ポツカリ月が出ましたら、 舟を浮べて出掛けませう、 波はヒタヒタ打つでせう、 風も少しはあるでせう。 | |
都会の夏の夜サンタラ | サンタラ | 中原中也 | 田村キョウコ・砂田和俊 | 月は空にメダルのやうに、 街角に建物はオルガンのやうに、 遊び疲れた男どち唱ひながらに帰つてゆく。 ――イカムネ・カラアがまがつてゐる―― その唇はひらききつて その心は何か悲しい。 頭が暗い土塊になつて。 ただもうラアラア唱つてゆくのだ。 商用のことや祖先のことや 忘れてゐるといふではないが、 都会の夏の夜の更―― 死んだ火薬と深くして 眼に外燈の滲みいれば ただもうラアラア唱つてゆくのだ。 | |
汚れつちまつた悲しみに長谷川きよし | 長谷川きよし | 中原中也 | 長谷川きよし | 長谷川きよし | 汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる 汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の革衣(かはごろも) 汚れつちまつた悲しみは 小雪のかかつてちぢこまる 汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく 汚れつちまつた悲しみは 倦怠(けだい)のうちに死を夢(ゆめ)む 汚れつちまつた悲しみに いたいたしくも怖気(おぢけ)づき 汚れつちまつた悲しみに なすところもなく日は暮れる…… |
湖上長谷川きよし | 長谷川きよし | 中原中也 | 長谷川きよし | 長谷川きよし | ポッカリ月が出ましたら、 船を浮べて出掛けませう。 波はヒタヒタ打つでせう、 風も少しはあるでせう。 沖に出たらば暗いでせう、 櫂(かい)から滴垂(したた)る水の音は 昵懇(ちか)しいものに聞こえませう、 ――あなたの言葉の杜切(とぎ)れ間を。 月は聴き耳立てるでせう、 すこしは降りても来るでせう、 われら接唇(くちづけ)する時に 月は頭上にあるでせう。 あなたはなほも、語るでせう、 よしないことや拗言(すねごと)や、 洩らさず私は聴くでせう、 ――けれど漕ぐ手はやめないで。 ポッカリ月が出ましたら、 舟を浮べて出掛けませう、 波はヒタヒタ打つでせう、 風も少しはあるでせう。 |
雪の宵長谷川きよし | 長谷川きよし | 中原中也 | 長谷川きよし | 長谷川きよし | ホテルの屋根に降る雪は 過ぎしその手か、囁きか ふかふか煙突煙(けむ)吐いて、 赤い火の粉も刎(は)ね上る。 今夜み空はまつ暗で、 暗い空から降る雪は…… ほんに別れたあのをんな、 いまごろどうしてゐるのやら。 ほんにわかれたあのをんな、 いまに帰ってくるのやら 徐(しづ)かに私は酒のんで 悔と悔とに身もそぞろ。 しづかにしづかに酒のんで いとしおもひにそそらるる…… ホテルの屋根に降る雪は 過ぎしその手か、囁きか ふかふか煙突煙吐いて、 赤い火の粉も刎ね上る。 |
わが喫煙長谷川きよし | 長谷川きよし | 中原中也 | 長谷川きよし | 長谷川きよし | おまへのその、白い二本の脛(あし)が、 夕暮、港の町の寒い夕暮、 によきによきと、ペエヴの上を歩むのだ。 店々に灯がついて、灯がついて、 私がそれをみながら歩いてゐると、 おまへが声をかけるのだ、 どつかにはひつて憩(やす)みませうよと。 そこで私は、橋や荷足(にたり)を見残しながら、 レストオランに這入(はひ)るのだ―― わんわんいふ喧騒(どよもし)、むつとするスチーム、 さても此処は別世界。 そこで私は、時宜にも合はないおまへの陽気な顔を眺め、 かなしく煙草を吹かすのだ、 一服、一服、吹かすのだ…… |
月夜の浜辺長谷川きよし | 長谷川きよし | 中原中也 | 長谷川きよし | 林正樹 | 月夜の晩に、ボタンが一つ 波打際に、落ちてゐた。 それを拾つて、役立てようと 僕は思つたわけでもないが なぜだかそれを捨てるに忍びず 僕はそれを、袂に入れた。 月夜の晩に、ボタンが一つ 波打際に、落ちてゐた。 それを拾って、役立てようと 僕は思つたわけでもないが 月に向つてそれは抛れず 浪に向つてそれは抛れず 僕はそれを、袂に入れた。 月夜の晩に、拾つたボタンは 指先に沁み、心に沁みた。 月夜の晩に、拾つたボタンは どうしてそれが、捨てられようか? |
汚れつちまつた悲しみに……LINK | LINK | 中原中也 | 柳井良太 | LINK | 汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる 汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の皮裘(かはごろも) 汚れつちまつた悲しみは 小雪のかかつてちぢこまる 汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく 汚れつちまつた悲しみは 倦怠(けだい)のうちに死を夢む 汚れつちまつた悲しみに いたいたしくも怖氣(おぢけ)づき 汚れつちまつた悲しみに なすところもなく日は暮れる…… |
サーカス友川かずき | 友川かずき | 中原中也 | 友川かずき | 友川かずき | 幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました 幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました サーカス小屋は高い梁 そこに一つのブランコだ サーカス小屋は高い梁 見えるともないブランコだ 頭さかさに手をたれて 汚れ木綿の屋根のもと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん それの近くの白い灯が 安いリボンと息を吐き 観客様はみなイワシ のんどが鳴りますかきがらと 野外は真っ闇くらのくら 夜はこうこうふけまする 落下傘奴のノスタルジアと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん 幾時代かがありまして 今夜ここでのひとさかり 幾時代かがありまして 冬は疾風吹きました |
臨終友川かずき | 友川かずき | 中原中也 | 友川かずき | 友川かずき | 秋空は鈍色にして その馬の瞳のひかり 水かれて落つる百合花 ああこころうつろなるかな 神もなくしるべもなくて 窓近くおみなのゆきぬ 白き空盲いてありて 白き風冷たくありぬ 窓際に髪を洗えば その腕の優しくありぬ 朝の日はこぼれてありぬ 水の音したたりていぬ 町々はさやぎてありぬ 子等の声もつれてありぬ しかはあれこの魂は いかにとなるか うすらぎて空となるか |
汚れつちまった悲しみに友川かずき | 友川かずき | 中原中也 | 友川かずき | 汚れちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れちまった悲しみに 今日も風さえ吹きすぎる 汚れちまった悲しみは たとえば狐の革ごろも 汚れちまった悲しみは 小雪のかかってちぢこまる 汚れちまった悲しみは なにのぞむなくねがうなく 汚れちまった悲しみは 倦怠のうちに死を夢む 汚れちまった悲しみに いたいたしくも怖気づき 汚れちまった悲しみに なすところもなく日は暮れる | |
骨石原裕次郎 | 石原裕次郎 | 中原中也 | 伊部晴美 | 伊部晴美 | ホラホラ これが僕の骨だ 生きていた時の 苦労にみちた あのけがらわしい 肉を破って しらじらと 雨に洗われ ヌクッと出た 骨のさき (セリフ)「ホラホラ これが僕の骨 見ているのは僕 おかしな事だ 霊魂はあとに残って また骨の処に やってきて 見ているのかしら?」 故郷の小川のへりに 半ばは枯れた草に立って 見ているのは mm… 僕 ラ・ラ・ラ…ラ・ラ・ラ… 恰度立札ほどの高さに 骨はしらじらと とんがっている |
月夜の浜辺遊佐未森 | 遊佐未森 | 中原中也 | 遊佐未森 | 遊佐未森 | 月夜の晩に、ボタンが一つ 波打際に、落ちてゐた。 それを拾つて、役立てようと 僕は思つたわけでもないが なぜだかそれを捨てるに忍びず 僕はそれを、袂に入れた。 月夜の晩に、ボタンが一つ 波打際に、落ちてゐた。 それを拾つて、役立てようと 僕は思つたわけでもないが 月に向つてそれは抛れず(ほふれず) 浪に向つてそれは抛れず 僕はそれを、袂に入れた。 月夜の晩に、拾つたボタンは 指先に沁み、心に沁みた。 月夜の晩に、拾つたボタンは、 どうしてそれが、捨てられようか? |
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