ベリーグッドマン
一握の歌 完
2021年10月6日に“ベリーグッドマン”がニューアルバム『必ず何かの天才』をリリース!タイトルナンバー「必ず何かの天才」は、彼らの真骨頂である人生の応援歌。そして、今年の夏にピッタリの応援歌「ナツノオモイデ」、史上最愛のラブソング「それ以外の人生なんてありえないや」、テンポのいい人生讃歌「散々」、新曲「new era」など、ベリーグッドマンの“ありのまま”を詰め込んだバラエティ豊かなフルアルバムです。
さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ベリーグッドマン”のRoverによる歌詞エッセイをお届け!今回は最終回。少年が“人の前で演奏したい”と思い立った瞬間や、“何のために”“誰のために”という思いに引っ掛かりながら人前に立っていた時期を経て、今、伝えたいメッセージとは…。物語の続きを最後までお楽しみください。
~歌詞エッセイ最終回~
―ミュージシャンなんて一握り―
この言葉は正しかったです。
どの世界も同じことが言えますが
“一握り”という単位は曖昧であれど
この言葉には「諦めてしまうから」
という言葉が隠されているように思います。
それくらい厳しい戦いかも知れません。
そんな中で僕も相方たちも
“諦めのつかない人間”でした。
ただ単に“それしかなかった”から。
他のあてが全くなく、
諦めようがなかった男たちで。
だから一つ握っていただけるまで
やってこれました。
―人生捧げるわ俺―
MOCAというメンバーがいます。
23歳、出会ってからの話は割愛しますが
印象は、とにかく面白い男。
音楽をナメていた。です。
でもなぜかそれがかっこよかった。
切羽詰まっていた自分を安心させました。
彼はステージで音に乗ってよく喋る。
それもブルース?というかソウル?
なんていうジャンルか分からないノリで。
彼はレゲエだと言いました。
これまで自然と避けていたことを恥じるくらい
かっこよくて泣けてきた。
彼が歌うレゲエは最高でした。
ずっとふざけてるみたいで
ずっと感動していた。
ずっと笑っていられた。
かっこよく言うと、
これまでの“音が苦”を
しっかり“音楽”として楽しめた。
そんな彼に人生を捧げようと誓ったのも
レゲエや彼の人柄があったからです。
僕にとってMOCAは天才だったのです。
勘違いでもいい、失うものもない。
彼と大きな何かを求めて出掛けたいと思いました。
どこまでも連れ添ってもらいたいなと。
―ベリーグッドマン―
プロのミュージシャンになって
名付けた屋号はベリーグッドマン。
今までの苦労を笑い飛ばすような感覚でした。
当時の僕たちは
“お前らほんまにオモロいな”
と言われたくて兄さん達に立ち向かいます。
とにかく毎回のように
その場をかっさらう事がしたかった。
飲み会でもずっと歌った。
出来るだけ多くボケた。
軽くあしらわれるとツッコミに回った。
黙って酒を飲んでるやつは放っておいた。
兄さん達を高速で抜き去りたかったんです。
すごく上手くやっていました。
完全体になったように。
でもなぜだか落ち着かない。
ずっとずっと申し訳なさがチクチクしていました。
僕は幼い頃に音楽と出会って
今もやっていますが、
実は限界があることに気付いたのです。
それは
自分は“天才”ではなかった。
ということ。
時間軸でいうと、もう間に合わない。
もうぜんぜん無理でした。
ミュージシャンになって夢を掴んだけど、
一握りになったはずなんだけど、
いつかどこかで音楽というモンスターに
ひれ伏しちゃったのかも知れません。
大きすぎる夢に怖気付いた。
ベリーグッドマンというヒーローだけが
僕をモンスターから守ってくれているような日々。
『必ず何かの天才』
必ずしも誰だって天才なんだ、
とは言いません。
そもそも僕が天才じゃないし。
なんか歌いたかったんです。
羨ましかった。
“天才”って“特別”な感じがして
美しくて、高級感があって。
でも
“その人にしかない人生”
これが言いたいことです。
延々と自身の人生について書いて
すみませんでした。長々と。
でもこれが僕の人生です。
だから何なんだと思う人がほとんどですが、
こんな人生でも、
“誰かにとって”天才的にかっこよくて
“自分にとって”特別すぎる宝物です。
振り返れば幾つもあります。
僕は今ようやく、
“人の前で演奏”出来ている。
“大きな夢を持ち続け”ている。
毎回最悪だった席替えも
願っていた通りの奴が隣にいる
“1番いい席”に当たった。
このチームでやっていくため、
今までの“努力”があったのも
ひとつ残らず“報われた”。
“何様だ”とか“自己中だ”と思われながら
失った信頼と得た仲間がいた事も、
“絶対売れる”ためには必要だった。
無駄な事なんてなくて
スペシャルな人生になりました。
それが一体何なんだ、とは思えないんです。
だから信じて欲しい。
みんな特別だと言うことを。
みんなの人生を僕は知らない。
でもそれを知ることが出来たなら
とてつもなく素敵な人生だと思うでしょう。
面白くてかっこ悪くて、
最高で最強な人生だから、
たぶん泣けてくると思います。
僕たちはどこへ向かうのか。
一体何者?で、そもそもどっから来たのか。
答えは分かりませんが
僕は「人を幸せにする」ために
向かっていると信じています。
どこへかは分かりませんが
「人を幸せにする」ために。
そして何者扱いされながらも
最後はその人にとっての
“天才”になるんだと思います。
そう信じてこれからも
握りしめたマイクひとつで
仲間と共に人生を歌っていきます。
だって僕たちは
一握りの歌うたいになったんだから。
<ベリーグッドマン・Rover>
◆ニューアルバム『必ず何かの天才』
初回限定盤 CRCP-40625 ¥3,500+税
通常盤 CRCP-40626 ¥2,545+税
<収録曲>
01. Intro ~必ず何かの天才~
02. 必ず何かの天才
03. new era ※eオールスター2021最終決戦テーマソング
04. それ以外の人生なんてありえないや
05. baby you
06. ナツノオモイデ
07. GroovyでDancingなParty
08. Alarm
09. 散々
10. Distance