『若者日記』ができるまで 【前編】

 平均年齢19歳の4人組バンド“ハク。”が、2022年1月19日にミニアルバム『若者日記』をリリースしました。2021年3月に初のデジタルシングル「BLUE GIRL」のリリース以降、5曲のデジタルシングルをリリース。そのデジタルシングルはもちろん。音楽サイトにて人気を博し、現在もライブで人気の楽曲「アップルパイ」を含む全8曲収録となります。
 
さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ハク。”のあい(Gt.&Vo.)による歌詞エッセイをお届け。【前編】で綴っていただいたのは、まず「ハク。を組むまで」の軌跡。そして「若者日記が出来るまで」のお話です。高校時代の自身のリアルがギュッと詰まっている今作。是非、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください…!



「若者日記が出来るまで」の前に「ハク。を組むまで」も話そうと思う。高校1年の冬、私は、今も仲の良い男の子に「あいあい~音楽サークル行ってみーひん??めっちゃ勉強なるで」と声をかけられた。すってんころりん、それが音楽人生の起点となる一言。私がハク。を組むきっかけを作ってくれた友達。
 
いざサークルへ行ってみると、緊張と人見知りのダブルパンチ。周りは今まで自分が関わったことのないようなタイプの人ばかりでした(派手だったり、 ギャルっぽかったり、とにかく勢いがある感じ)。私は端っこに座ってる組だったけど、それでも刺激を求めここに通おうと決めたのです。
 
そして半年ほど「弾き語りの女の子」として生活していた。そんなある日、私と同じ高校の友達、まゆを誘ってサークルへ行くと、本当にたまたま、カノとなずなもサークルへ来ていたのだ。
 
眺めていると、サークルの先生が口を開く。「そこさ、4人で組んでみれば?バンドバンド…」今思い出すとスローモーションみたいな加工かけちゃうくらいの私的凄イベントだったと思う。初対面同士、2人組ペアは高校2年の春、ハク。というバンドを組むこととなる。ここからが『若者日記』の始まり。
 
このアルバムには、高校生の時に生まれた楽曲が詰まりに詰まっている。ハク。が初めて作った楽曲は「ワタシ」。次に「本物」。この2つは特に私自身のリアルタイムを歌ったもので素直さを感じる。メンバーに聴いてもらった時、スっと曲を受け入れて貰えたのがとても嬉しかった。
 
作るのに時間がかかった曲は「アップルパイ」と「BLUE GIRL」。アップルパイはテンポ感や間奏のベースラインをどうするかで悩み、初めてスタジオ内がピリピリしたのを覚えている。私の心にピリピリの刺激をくれた記念日だと思うことにしている。ありがとうアップルパイ。BLUE GIRLはメンバーと曲のイメージを共有したり、曲のノリが難しく時間がかかった。その頃から私が聴いてる曲をメンバーにシェアするようになる。その行為がいかに大事な事か!と気づかせてくれたBLUE GIRL。
 
逆にあまり時間がかからなかった曲は「カランコエ」。曲のイメージが掴みやすかったのかなと思う。コロナの時期に作った曲で、そう思って歌詞を見ると、そんな感じもするというか。この時代を曲にして残したかった。コーラスが多くてカノを悩ませてしまった代表曲。それが無きゃこの曲の良さは出ないのよ!って歌う度思う。
 
これが曲になるのか…と不安になった「ame.」。恐る恐るLINEに投げたのだけどレスも早く、いいと思う、やってみよう、と言ってくれた。BLUE GIRLとはまた違ったノリの難しさがこの曲の壁だったと思う。スタジオで演奏する時は、なずなは目を瞑り、カノは床を見つめ、まゆは眉間にシワを寄せ、演奏。そんな3人を見てまた不安になったけど、今ではそれぞれのノリ方で前を向いている。
 
曲ができた後にテンション上がったのが「ふたり基地」と「hitonatsu」。ふたり基地はスタジオで録音した後すぐスピーカーで流し皆で踊った。こんなに嬉しいと思ってくれるんやワイワーイ!いい時間だと思った。後半は私1人しか踊ってなかったのにそこだけカメラロールに残っている。hitonatsuは、詩が良いねとよく言ってくれて、よく口ずさんでくれて嬉しかった。自分たちの音の位置を、正解なのかは分からないけど沢山考え作った曲で、楽しかったけどヘロヘロになって作った曲でもある。
 
こんな8曲が揃った『若者日記』。自分たちが若者じゃなくなった時に、これを聴いて、また違った記憶を思い出すかもと思ったら、ワクワクせずには居られないのです。

<ハク。あい(Gt.&Vo.)>



◆1st Mini Album『若者日記』
2022年1月19日発売
PECF-3265 ¥1,980(税込)

<収録曲>
1.ワタシ
2.BLUE GIRL
3.本物
4.カランコエ
5.ame.
6.hitonatsu
7.アップルパイ
8.ふたり基地