君の当たり前が私にとっての特別だ。

 2022年3月9日に“上野優華”がデジタルシングル「ジャスミン」をリリースしました。「友情・応援」をテーマに上野優華本人が作詞。歌詞には、昨秋のツアーを経て感じた思いなどが込められております。そして作曲を手がけたのは、山崎あおい。過去に「会いたくない、会いたい」楽曲提供しており、今回が2度目の楽曲提供です。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“上野優華”による歌詞エッセイをお届け!今回は【前編】です。綴っていただいたのは、新曲「ジャスミン」に込められた想い。当たり前のようにそばにいてくれる、特別な存在。みなさんにとっての<君>を思い浮かべながら、このエッセイと歌詞を受け取ってください。



“無理して笑わないで”
 
あぁ。ついに気づかれてしまった。
あぁ。ついに言われてしまった。
 
「無理なんかしてないよ!よく笑うのが私なんだよー」
自分でも分かるくらい震えた声だった。
 
“無理して泣かなくていい”
 
あぁ。そんなことに気づくのか。
あぁ。そんなことを言うのか。
 
「                                         」
 
何も言えなかった。浮かばなかった。
無理してるつもりなんて少しも無かったから。
 
 
“ごめんねじゃなくていい
ありがとうの方が嬉しいよ”
 
「そうだよね!ごめん!」
 
あ、ほら。ごめん禁止!!
って2人して笑った。
 
私の知らない私がそこにいて、
それがこんなにも特別なんだと知った。
 
全然違うよね、私たち。
考え方? 価値観? 言葉の選び方? 友達の作り方?
あげたらキリがないけど全然違う。
 
でもそんな私から君に伝えたいことは
「君の当たり前が私にとっての特別だ」ということ。
 
ありがとうを言うのにも慣れたよ。
好きなものを好きだということにも慣れた。
 
お喋りな私だけど
自分のこと話すのすごく苦手だったの。
それも君に言われちゃったから気づいて、
図星だったからちょっと落ち込んだ。
 
でも素直な君をとても尊敬してる。
 
 
いい話なんてしてるつもりないでしょ?
君の一言が誰かの心を変えてるなんて気づかないでしょ?
 
くだらない、何気ない毎日を
君は過ごしているかもしれないけど
君と過ごす時間は私にとって
何よりも守りたいものだと気づきました。
 
気になってるカフェ行こうよとか
最近恋愛どうよ?とか
そういえばこないだSNSで~とか
何気ない毎日が
こんなに愛しくなるなんて想像もしてなかった。
 
不思議だけど、
こんな風に素直な私でいられるのは
君がいてくれたから。
 
それぞれの未来があって
同じ未来を見るなんてカッコつけたこと
言えない私は相変わらずだし
きっとすぐには変わらない。
 
でもさ、それぞれの未来をそれぞれが楽しめる。
いや、お互いの未来を楽しみにできる。
それが私たちにはきっとできるから。
その方が私たちらしい。
 
私は君と一緒に見る景色が
色が、音が好きだ。
 
一人じゃ分からなかった、見られなかった
君と見る世界が好きだ。
 
 
君はどうかな?

<上野優華>



◆紹介曲「ジャスミン
作詞:上野優華
作曲:山崎あおい