東京がすきだ。

 2022年8月でデビュー5周年を迎える“足立佳奈”が、毎月の連続配信リリースを行うことを発表。その連続リリース第5弾として、デビュー5周年の記念日である8月30日に新曲「4321」を配信リリース!同曲は、前作の「DATE」でもタッグを組んだEIGOがプロデュースし、Shu Inui(ONEly Inc.)、Yohei Kunii(ONEly Inc.)が編曲を担当。作詞・作曲は足立佳奈本人が手掛けております。
 
 さて、今日のうたコラムでは、アニバーサリーイヤーを記念して、5月~12月に毎月“足立佳奈”による歌詞エッセイをお届けいたします!今回は第4弾です。綴っていただいたのは、夢を抱いて東京に来た始まりから、いろんな景色を見て、いろんな感情を知って、今ここにたどり着くまでのお話。新曲「4321」にも通ずる5年分の想いを歌詞と併せて受け取ってください。



東京がすきだ。
 
東京。
 
色んなイメージを持ってここへ来た。
「気をつけてね、いつでも帰ってくるんだよ」
そう言われてここへ来た。
 
始まりは、
いつも期待よりも不安が多いタイプで、
飛び込むより守りに入るタイプだ。
 
でも東京へ来て、
自分の育った場所じゃなくて、
自分が知らなかった場所で、
初めての人と出会えることに、
とてつもない喜びを感じて、
とてつもなく感謝をした。
 
それは忘れもしない、
初めてのリリースイベント。
人生で初めて、
家族や友達、知り合い、以外の人が私のために集まってきてくれて、
人生で初めて、
大勢の人達の前でマイクを持って自分の曲を歌った。
 
ステージに立つ前の楽屋で
自分を待っててくれる人たちの声が聞こえた。
緊張した。
不安だった。
 
SEが流れ、
それに合わせてみんなが手拍子する。
段々揃ってきて大きくなった。
 
私はステージに上った。
そこにはとんでもない光景が広がってた。
まだ出会ったことのない人たちが、
叫んだり、立ち上がったり、笑ったり、
みんなが待ってた。
 
想像してみてよ。
 
本当にびっくりした。
笑顔が止まらなかった。嬉しすぎて泣きたくなった。泣いてたかな。
 
あの瞬間、
私の中で何かが弾けた。
5周年への扉がひらいたんだ。
 
 
それから有難いことに、とても忙しくて、
頭も体も追いつくのに必死で、
とにかく一生懸命食らいついた。
色んな人に出会って、
色んなステージに立って、
そして、また色んな人に出会った。
代々木体育館、
15秒のステージだったけど、
その景色は鮮明に覚えてる。
すごい景色だった。震えた。
でも温かかった。またここに立ちたいと思った。
 
 
歌以外にお芝居にも挑戦させてもらった。
お芝居って、誰かの人生を生きるってことで、自分の人生ではないと思ってた。
でも私がみたその世界は、お芝居の中で誰かの人生を生きながら、みんながみんなの自分の人生を生きていた。
 
かっこよかった。
眩しかった。
本当に素晴らしかった。
この道の本物をみて、
私は音楽を通して誰かに自分を知ってもらいたいと、その時初めて思ったんだよね。
 
 
音楽活動に専念して、
お話を頂いたお仕事は、
AbemaTV『今日、好きなりました。』のテーマソング
 
恋をテーマにたくさん曲を書いた。
自分の恋愛観を素直に書いた。
色んな人が聞いていてくれたことを知って嬉しくなった。
 
この番組の出演者の方に、
「私にとって大切なラブソングになりました。」って言ってもらえた時、自分の等身大の気持ちが、誰かの心に届いていることを実感して、また嬉しくなった。
 
 
そして、
私が20歳を迎えた頃、
コロナウイルスがじわじわとこの世界を蝕んだ。
 
出来るはずだったLIVE、
会えるはずだった人、
こうなるはずだったと色んなシーンで何度も思った。
現実はそう簡単に行かなかった。
 
驚いたし、
悲しかったし、
悔しかった、。
 
 
でも嬉しいこともあった。
 
大学の友達とリモートではあったけど、
授業を受けることができたし、
そこで大切な友達が沢山できた。
 
リモートでバンドメンバーとセッションもできた。
 
プライベートにゆっくり目を向けることができた。
 
いつもだったら歌詞にしないような歌を作れた。
 
ポジティブに考えられるようになった。
 
 
そこで学んだのは、
自分がだめだなぁと思う時、
良い事が起こる合図なんだって。
 
少し時間がかかったけど、
今はそう思える。
 
 
 
3枚目のアルバムをリリースして、
初めて家族のことを書いた。
書きながら、家族の温かさを改めて感じた。
 
LIVEでその曲を歌った時、
マスク越しでもわかった。
みんなが色んな心で聞いてくれていた。
泣きながら、
微笑みながら、
まっすぐな瞳で。
 
受け止めてくれてありがとう。
シンガーソングライターでよかったと思えました。
 
 
私は8月30日でデビュー5周年を迎えます。
本当にありがとう。
心は変化する。それは当たり前。
だから、友達関係も、恋愛も難しい。
5年思い続けることって簡単じゃない。
 
でも、
これを読んでくれているあなたは、
きっと、思い続けてくれた人なんだよね。
最後まで読んでくれてありがとう。
 
大きな愛を感じながら、
素晴らしい出会い、
素晴らしい思い出を、
ちゃんと振り返ることができている私は、
幸せです。
 
この場所に来てよかった。
 
東京にいられてよかった。
 
すばらしい場所だ。

<足立佳奈>



◆紹介曲「4321
作詞:足立佳奈
作曲:足立佳奈