2026年1月28日に“鈴木実貴子ズ”がメジャー2ndアルバム『いばら』をリリースしました。今作は、先行配信シングル「ががが」を含む10曲入り。アートワークのディレクションは、藍坊主、sumika、FINLANDSといったアーティストのロゴやジャケット、MVを手がけるクリエイター・大川直也が、1stアルバム『あばら』に続いて担当しました。
さて、今日のうたではそんな“鈴木実貴子ズ”の鈴木実貴子による歌詞エッセイを3週連続でお届け。最終回は、収録曲「0月0日」にまつわるお話です。夏の夜、偶然見つけたセミの羽化。その姿に魅せられた理由とは…。ぜひ、歌詞とあわせてエッセイをお楽しみください。
夏、夜の散歩で近所の公園に行って、たまたま見つけたセミの羽化。こんなにたくさんおるんやなー見たことある?めちゃくちゃ簡単に見れるし、こんなええものこんなに簡単に見せてもらっていいんですか?てぐらい素晴らしかった!
木の根本から出てきた幼虫がヨロヨロしながら幹に登ってくん、たまに間違えて幹じゃない方にいく子もおって。で、頑張って登るんやけど、落ちる子は何回も落ちるん。上手な子はスイスイと上の方までのぼってって羽化はじまるん。(幼虫が転げて地面に落ちても素手で触って助けるのは、よろしくないらしいよ!体が柔らかいから、簡単に変形してしまうんて!やで葉っぱとかで支えたり手伝ったりがいいっぽいよ~)
羽化がねーまじで美C(美しい)。色も生命力みたいなのも、すごいで!都会の隅の暗い公園の一本の木でこんな美しいミラクルが沢山行われる不思議。1人で這い上がってきて、誰にも教わらず、ながーい地面の生活から空の生活に進化するの。ほんでさぁー途中でゴキとかの虫がやってきたり、朝方になると鳥に食べられたりするし。ひとりぼっちでそれやるんやで!自分がセミやったら、、て想像したらぜっったい土から出やんわ!だって空なんて未知すぎて怖いし!風すら感じたことないんやで!むりむり!でも、彼ら、それぞれに最大の努力で羽化すんのよ~~なんてかっこいい!たくましい!立派!美しい!大尊敬です!
うちなんかは、だいたいの日々をもやもやと、本当に自分のしたい事ってなんやろ、とか寂しさや孤独に潰されそうになったり、生きていく怖さとか、死ぬ怖さとか、続く事へのぞっとするかんじとか、不甲斐なさ、だささ、1人分の心ですら支えられやんーて、泣いてしまって、苦しくなってしまって、でも時間は過ぎてくし、一体うちってなんなんやろ、ほんとに、なんなんやろ、生きるって、ひとって、なんなんやろ。感情って、、。
てさ!アホみたいにグルグルしとるんやけど、這い上がってバチコーン飛んでく彼らをみて、うわあああ!!!!なんなんや!!夏ぅー!!!と夏の暑さよ、どうか、私の思考を溶かしてくれ。セミのように、すかっと、夏に適した生物に、世の中に適した生物に、くだらないモヤモヤを溶かしてくれ。と。願ったのでありました。まじで、夏さ、みてみてよ!大好きになるで!せみ!
<鈴木実貴子ズ・鈴木実貴子>
2026年1月28日発売
<収録曲>
01. ががが
02. ゆれる6弦
03. イッキ
04. 四月の風
05. ブルース
06. 0月0日
07. パンダ
08. 止まるな危険
09. ハックオフ
10. ちいさなうた




