「Baby you」を初めて聞いた日は。

 2023年10月25日に“有華”がMajor 1st Full Album『messy bag』をリリースしました。今作は、中身がごちゃごちゃに入っているバッグという意味で、ごちゃごちゃしている女の子のカバンのようにいろんなテイストの楽曲が詰まっているアルバムとなっております。新曲を含む全11曲を収録!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな“有華”による歌詞エッセイを2週連続でお届け! 今回は第1弾。綴っていただいたのは、収録曲「Baby you」にまつわるお話です。初めてこの曲に出会った日の衝撃。内澤崇仁(androp)との制作秘話。そしてリリース後…。ぜひ改めて歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください!



「Baby you」を初めて聞いた日は
駅のホームで家路に着く時だった。
今からもう電車に乗るという時に再生して
その後5、6本は電車を見送る事になった。
それほど私の中で衝撃的な音楽だった。
 
初めて聞いたその瞬間から
「べびゆっべびゆっ」のメロディ、歌詞が
頭から全く離れる事は無く、自然と体も動き出し
笑みが溢れてしまう。そんな曲だった。
 
よくヒットソングが出た後のインタビューで
アーティストが「最初聴いた時稲妻が走った」とよく言うけれど、本当の事なんだと実感した。
最初の衝撃が今も忘れられない。
 
そこからあれよあれよと言う間に制作が進み
歌詞制作期間に入った。
元々内澤さんのデモはあったものの
私も制作に加わり“恋する女の子の気持ち”を詰め込みに詰め込んだ。
たった2文字なのに「すき」が言えない気持ち
恋をする事は楽しいはずのに苦しい事ばかりの気持ち
とにかく込めれる気持ちは散りばめた。
 
そして、レコーディングの日。
初めて内澤さんとお会いする日だった。
とにかく緊張していた私はレコーディング室に入ったり、出てみたりうろちょろしていた。
そこへ内澤さんが、両手にいっぱいのパンを抱えて入ってきた。
そして笑顔で「おはようございまーす!」と挨拶をして下さって一気に心が緩んだ。
だってあの内澤さんが幸せそうな笑みで両手いっぱいにパンを抱えていたから。笑
なんてキュートな人なんだと思った。
 
レコーディングが始まってからは歌うニュアンスや
歌詞も最後の最後まで考えていた。
相談を投げかける度に
「とっても良い!」と励まし、讃えてくれるのが内澤さんだった。
その言葉がなかったらあんな跳ねた可愛い声は出なかったと思う。
 
そしてリリースが近づいていくたびに
チームの中でも「たくさんの人にこれは届く!」と口にする人が増えていった。
メジャーデビュー曲でもあったからプレッシャーは果てしなかった。
リリースしてからは、SNSを毎日フル活用した。
とにかく一度でも耳に届けば離れないだろうと思ったからだ。
しかし、リリースしてから2週間が経っても中々反応はなかった。
もうだめかな、、、と思った日
友達から「とりあえずご飯食べようよ!」と連絡が入った。
そして友達の家に向かい、ウーバーイーツを注文して待っている間
友達が「Baby youの振付覚えたし一緒に踊ろうよ!」と言ってくれて、ただ楽しくダンスした動画を撮影して、せっかくならと思い投稿をした。
 
そしてその動画が火種となりバズが起こった。
 
あの時、友達が言わなければ、浮かない顔をする私に手を差し伸べてくれなければ、あのバズは起こらなかったかもしれない。
 
そこから瞬く間に日本を飛び越えて世界まで広まってくれた。
 
「Baby you」が出来るまでを振り返るといつだって、どの瞬間だって、私1人ではなかった。常に私に手を差し伸べてくれる人に囲まれていた。そんな恵まれた音楽人生は初めてだった。
 
これからも手を掴みながら
差し伸べながら音楽を楽しんでいきたい。
 
<有華>



◆紹介曲「Baby you
作詞:有華・内澤崇仁(androp)
作曲:内澤崇仁(androp)

◆Major 1st Full Album『messy bag』
2023年10月25日発売
 
<収録曲>
01.Partner
02.Bestie
03.Baby you
04.恋ごころ
05.#Me
06.HAPPY DATE
07.Darling Darling
08.キミエール
09.ずるいね。
10.Gentleman
11.Baby you -Reprise-