もう会えない切ない過去の恋。

 2024年1月17日に“ENVii GABRIELLA”が新曲「哀恋」(読み:あいれん)をデジタルリリースしました。昨年12月に行われた日本橋三井ホールでのライブ公演にて初披露し反響を呼んだこの曲。今までにない、届かない恋を歌った切ない歌詞と、壮大でドラマチックなサウンドによるアジアンテイスト溢れる、冬の季節にもマッチするバラード曲となっております。
 
 さて、今日のうたコラムでは“ENVii GABRIELLA”のKamusによる歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「哀恋」にまつわるお話。初めてこの歌を聴いたとき、Kamusはどう感じたのか。そして、忘れようとしても忘れられない思い出、切ない過去の恋をパフォーマンスでどう表現するのか…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。



どうもENVii GABRIELLA略してエンガブのダンサー・カミュです。
今回配信リリースされた「哀恋」についてお話しさせて頂きます。
 
リリース前にTakassyから新曲の話をされ、「「哀恋」聞いてみる?」と打ち合わせの間に聴かせてもらいました。
初めて聴いた感想はただただ衝撃でした。
 
今までエンガブがリリースしてきた楽曲にはないアジアンテイストなサウンドで、曲が始まると同時に強い風が自分に降り注ぐような感じがしました。
歌が間奏を挟みながらドラマティックに広がっていく感覚が映画の主題歌のような、はたまた映画そのものを歌ったような感覚になりました。
何が言いたいってとにかく口が半開きになりながら聞いていたってことです。
 
この楽曲は、エンガブ史上初めてのバラードのラブソング。
歌詞が切なくて初めて聴いてもしっかりと心の中に入ってきて、もう会えないあの人を思い出させます。
サビでは主旋を歌うTakassyとハモリのHIDEKiSMの歌声が混ざり合い、広大な平野に1人で風を浴びて立っているような寂しさと、1人の人を思い燃えるような強い気持ちがしっかりと表現されていて圧巻です。
是非たくさんの人に聴いてもらってこの曲の壮大さと切なさに浸っていただきたいです。
私も浸りました、それはもうしっかりと。
 
そしてパフォーマンスは私が真ん中で踊り続けるという新しいカタチです。
さらに注目なのは裸足でのパフォーマンスということ。
 
今回もエンガブの振り付けを多く担当してくれているEBATOさんの力作です。
実は振り付けはリハの中で一回大きく変わっています。
というのも、2023年12月の日本橋三井ホールのワンマンの約2週間前にホールでの披露が決定して、その1週間後に振り入れという恐ろしいスケジュールの中で作り上げていました。
 
最初のリハでは「動」と「静」のバランス的には「静」が多い振り付けで構成されていて、映画の切ない部分にフォーカスしたような振り付けでした。
でもTakassyの曲への強い想いは「静」より「動」にあって、その旨をEBATOさんに伝え、本番5日前くらいにリハーサル中に作ってくれた「動」の強いパフォーマンスに仕上がりました。
私は「静」の表現も好きだったのですが、さらに良くなったと今は思います。
「動」にフォーカスされた振り付けは指先を遠くに伸ばしてステージをより大きく見せる、というダンサーのミッションが追加されて、より燃えました。
 
曲に気持ちが入って振り付けで熱を持たせたことによって、私がこの楽曲をパフォーマンスしているときは、ある人を想像します。
 
もう会えない切ない過去の恋。
 
これほど人に心を燃やしたことがあっただろうか、忘れようとしても忘れられない思い出。
その気持ちを「哀恋」の音にのせて体を動かし、2人の歌声を聴き、歌詞を体を通して表現する。そうしたら自然と表情や指先への力の入り方が変わり、今のステージになりました。
 
ステージで披露したのは2023年12月のホールでのライブと2024年1月に行われたトークショーの3回のみですが、今年行われるENVii GABRIELLA liveツアー2024(仮)などではしっかりパフォーマンスすると思います。
 
是非「哀恋」をたくさんの人に聴いてもらい浸っていただき、ステージでのパフォーマンスを見てさらに曲をより深く感じて頂きたいと思っています。
 
<ENVii GABRIELLA・Kamus>



◆紹介曲「哀恋
作詞:souljuice
作曲:souljuice