2024年1月31日に“OKAMOTO'S”がニューシングル『この愛に敵うもんはない』をリリース! タイトル曲はTVアニメ『アンデッドアンラック』第2クールのEDテーマであり、OKAMOTO'Sがアニメのために書き下ろした新曲となっております。さらに今作には新曲「カーニバル」も収録!
さて、今日のうたコラムでは“OKAMOTO'S”による歌詞エッセイを2週連続でお届け! 第1弾はオカモトショウが執筆。綴っていただいたのは、新曲「この愛に敵うもんはない」にまつわるお話。今回、自身の人生でもっとも歌詞を書くのに時間をかけた理由とは…。今、彼が抱く“覚悟”と併せて、歌詞を受け取ってください。
歌詞を書くだけでも充分大変なのに、エッセイなんてどう書き出したらいいんだ。以前「For You」という曲について書いた時の自分の文章を改めて読み返してみる。ほんの1~2年前の、割と最近の自分は結構饒舌で、今でも思ってるようなことを上手に言語化しててなんか偉い。
「この愛に敵うもんはない」、今回リリースされるこの曲は人生で一番時間をかけて歌詞を書いた。時間をかけすぎて、何度も何度も書き直しすぎて、それに対してどんな想いでどんな狙いだったか書けない、饒舌に語れないようなところまで来てしまった。そういう意味では「For You」を書いてた頃の確信を持ってる自分が羨ましい。
歌詞というのは不思議なもので、向き合うほどにその歌詞の内容というよりも自分の人間性と戦う羽目になる。実際の思いと違うのにカッコつけた言葉書きたがる自分。誰からも気に入られそうな言葉選んだ自分。逃げたくせにギャグにしてお茶を濁そうとする自分。なんとなく含みを持たせて言い切らないずるい自分。変えなきゃいけないのはどれもその時の歌詞ではなく、自分自身。
もっというとそんな自分が変えられることなんてないわけで、そいつを抱きしめて、その上で諦めることなく、前を見つめて、ポジティブに、…言えば言うだけそんなことできる人間いるのか?笑 って思いつつ、それだけのことと向き合えるのに向き合ってこなかったのは俺だ。そんなことできる人はいない、だから俺にはできない。できないことを決めたのは俺だし、できるようになりたいと思える唯一の人も俺。俺は改めてそこができる人間になりたいと思った。
誰がいつ聞いても、ハッキリと何についての歌かわかるような言葉で自分の世界を書いた。自分の世界を自分以外の言葉で書くことも、誰にでも伝わる言葉に翻訳してしまうことも、脆い自分の世界を壊してしまうんじゃないかと怖かった。その恐怖心がなにより今回歌詞を書くのに時間かかった理由だと思う。
俺は今年改めて、本気で勝負に出る。まぁこんなもんだろう、とか、仕方ない、とか言うのが歳とともにどんどん上手になっていく30代が言う“本気”は、20歳の時の本気と全然違う。死ぬ気で曲書いても死なないけど、なあなあで書いた曲を歌うなんて死んでもできない。ここからが勝負だと思ってる、死ぬ気で生きてみよう。自分の幸せも自由も全部差し出した、この愛をみなさんにも確かめてほしい。
2024年1月31日発売