暮れる日の栞

 2024年4月17日に“アイビーカラー”が6th mini album『醒めぬ夢のままで』をリリースします。新体制以降、コンスタントなペースでの配信リリースを重ねてきましたが、ミニアルバム、流通音源として作品をリリースするのは2021年10月6日以来。バラエティに富みながらも、メロディ、歌詞、佐竹惇(Vo,Gt)が描きたい音楽、世界感が一貫している今作。じっくりとお楽しみください。
 
 さて、今日のうたではそんな“アイビーカラー”の佐竹惇による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾。綴っていただいたのは、収録曲「暮れる日の栞」にまつわるお話です。コロナ禍の初期に生まれたこの曲。改めて自身と向き合う時間ができたからこそ、気づいた思いは…。



今回はNew album『醒めぬ夢のままで』に収録されている「暮れる日の栞」という楽曲についてお話しできればと思っています。
 
 
もともとこの曲ができたのは2020年。
新型コロナウイルスが蔓延し、今までが嘘だと思うくらいの日常がはじまったところでした。
 
我々ミュージシャンだけでなく、もうほぼ全ての職業と言っていいほどの方々に大打撃を与えた地獄のような期間。
ライブもできず、ただただ家で事態の収束を祈るばかりで、毎日不安に駆られながら曲を作るしかありませんでした。
 
2019年まではバンド活動において一切歩みを止めてこなかった。
とにかく前へ。前へ。
あの頃は気持ちを止めず、自分を奮い立たせてがむしゃらに進めていたと思います。
 
 
そんな中での急なコロナ期間、我に返って自分自身と向き合う沢山の時間がありました。
 
 
自分のルーツや10代に受けた衝撃、そして続けることに対する思い。
 
コロナ前のあの頃、少しずつ、ほんの少しずつではあったけど、ワンマンもできるようになって曲を聴いてくれる人が増えてきた実感が出てきた。
 
それによって自分の生み出すものが「作品」であり、「商品」になる。そんな気持ちもようやく芽生えてきた頃でした。
 
その意識は自分にとってとてもプラスになるモチベーションであり、
でも逆に
「とにかくこんな曲を作りたい」
よりも
「こんな曲を作らなければならない」
にほんの少し変わっていっていた気がしました。
 
もちろんあの頃に書いた曲も大好きです。でも今一度、
 
「とにかく自分がやりたいと思う音楽を作ろう」
 
と思って書いた曲。
それが今回のアルバムに入れさせていただきました「暮れる日の栞」です。
 
あの頃はアコギと歌だけの弾き語り音源でこっそりと公開した楽曲ですが、
今になってまたリアレンジしてパワーアップして帰ってきました。
 
ノスタルジー、騒ぎ出す。
僕がアイビーカラーで伝えたい音楽です。
 
是非ともたくさんの人に届きますように。
 
<アイビーカラー・佐竹惇>


◆6th mini album『醒めぬ夢のままで』
2024年4月17日発売
 
<収録曲>
1.She's gone
2.tumbler
3.暮れる日の栞
4.bath towel
5.だけどさ、
6.ice coffee
7.AM2:00