reGretGirlを語る上でこの楽曲は欠かせない。

 2024年4月17日に“reGretGirl”がDigital Single「帰り道」をリリースしました。自主活動時代にリリースしたEP『おわりではじまり』に収録されている隠れ名曲の再録音バージョン。一人で歩く帰り道を恋人と二人で歩いた日の景色に重ねる様子を歌ったギターロックミドルナンバー。当時リリースされた原曲から楽器のアレンジや全体の尺を見直し、より洗練されたサウンドになっております。
 
 さて、今日のうたではそんな“reGretGirl”の平部雅洋による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「帰り道」にまつわるお話です。2015年に発表された楽曲をアレンジし、再リリースした同曲。この曲が生まれた当時、抱えていた思いとは…。今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。


平部雅洋の朗読を聞く

この度、4月17日に我々reGretGirlはデジタルシングル「帰り道」をリリースいたしました。
この楽曲はデビュー前の2015年に発表した自主制作CDに収録されており、今回アレンジを加え再リリースという形になりました。
今回もこのうたコラムに文章を掲載させていただくことを誠に感謝いたします。
いつもありがとうございます。
 
遡ること10年程前。僕はまだreGretGirlというロックバンドを組んでいなかった。当時付き合っていた彼女にフラれ、「バンドで有名になってフッたことを後悔させてやる!」と意気込んだものの、直ぐにバンドを始められたわけではなく、1~2年程メンバーを探したり、弾き語りでライブ活動をしていた時期があった。その“バンドを始めるまでの期間”に書いた楽曲のひとつが、今回リリースした「帰り道」だ。
 
reGretGirlを語る上でこの楽曲は欠かせない。「いつかこの曲を再リリースしたい」と胸に秘めていたので、再び日の目を浴びることになり大変嬉しく思っている。
 
冒頭にも書いた10年程前。当時19歳ぐらいの僕は人生のどん底にいた。入学した大学には全然馴染めず、心の拠り所にしていた彼女にはフラれ、バンドを始めたいと思っている中、ライブハウスでは同世代の奴らが精力的に活動していたり、結果を出し始めたりで、本当に生きているのがつまらなかった。
 
毎日とにかく不安で、ずっと焦っていて、周りを見ては悔しくなった。大好きだったライブハウスにもあまり遊びにいかなくなり、大学もほとんど行かず、家に引きこもりがちな、うだつの上がらない日々を送っていた。
 
そんな時期に書いたのが「帰り道」だ。人生の明かりが消えかかっていた当時。この曲が僕の心に光を与えた。「いい曲ができた。メンバーがみつかったら必ずこの曲をバンドでやろう」そう思わせてくれた。少し大袈裟かもしれないけれど、僕に生きる理由をくれたのだ。
 
もう一度いう。reGretGirlを語る上でこの「帰り道」という楽曲は欠かせない。
最後に何年も眠っていたこの曲に言葉を送りたいと思う。
 
「デビューしてから発表した曲の中でお前が一番古い付き合いになる。お前が眠っていた間に、少しバンドに人気が出てきたぞ。メジャーデビューもしたし、ワンマンツアーを回れるようもになったぞ。まだまだ目指すところは沢山あるけど、昔じゃあ想像できないような日々を送っているぞ。あの時僕の元に来てくれてありがとう。起こすのが遅くなってごめんな。これからもずっとよろしく。」
 
<reGretGirl・平部雅洋>



◆紹介曲「帰り道
配信リンク:https://rgg.lnk.to/wayback
作詞:平部雅洋
作曲:平部雅洋