この曲を書いた時、私は恋をしていました。

 2024年8月7日に“阿部真央”がニューアルバム『NOW』をリリースしました。前作『Not Unusual』から約1年半ぶりとなる通算11枚目のオリジナルアルバムには全10曲が収録。タイトル通り阿部真央の“今”が詰まった、デビュー15周年の節目にふさわしい作品となっております。
 
 今日のうたではそんな“阿部真央”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、収録曲「Somebody Else Now」にまつわるお話。好きだから、相手を深く知りたかったし、味方でいたかった。けれど、まるで別人に感じるほど、相手の言うことがわからなくなってしまったその理由は…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。



この曲を書いた時、
私は恋をしていました。
 
正確には、その恋からやっと抜け出すことができるようになっていました。
 
少し変わった物言いをするその人を思い慕い、
その言葉の意味を理解し、予測し、時には先導して、相手を深く知ろうとしていました。
いつだって彼の味方で居たかったからです。
 
でもある時、彼の言う言葉の意味や意図が全く分からなくなりました。
どうしてそんなことを言うの? と責めるまでもなく、
本当に話が通じないと思う瞬間が増えたのです。
私は、それがとても悲しかった。
彼を深く理解して知りたいのに、それが出来ない自分がとても悲しかったです。
そして、もう自分が彼と同じ目線に立てなくなっていることに気がつきました。
 
たくさん待った。
たくさん言葉を飲み込んだ。
もう、たくさん私は頑張った。でもここまでだ。そう思いました。
 
もちろん私が勝手にしたことです。
でも、そうやって自分から無理をしてでも近づかないと側に居られない人だった。
私たちは、そもそもの関わり方を少し履き違えたのだなと思いました。
 
出会った時とはまるで違う人に見えるほど
相手の言うことが分からない。
変わったのはお互いかもしれないし、私かもしれないし、
そもそも何かが変わったわけじゃなくて、
初めから噛み合わないことに今気がついただけなのかもしれない。
それでも私には、目の前にいるその人が
まるで別人になったのだなと感じられました。
そんな気持ちを込めた歌詞です。
 
歌詞を生々しく解説するのは御法度かもしれませんが、
Uta-Netさんですからね。
バンバン喋っちゃいましたね。
(自他に関わらず歌詞検索で普段からとてもお世話になってますからね。)
 
他ではあんまりしていないお話でした。
ではみなさんまたすぐに。
 
<阿部真央>


◆紹介曲「Somebody Else Now
作詞:阿部真央
作曲:阿部真央


◆ニューアルバム『NOW』
2024年8月7日発売
CDご購入はこちらから:https://abemao.lnk.to/NOW_CD
<収録曲>
M1. Hands and Dance
M2. Somebody Else Now
M3. Keep Your Fire Burning
M4. Everyday
M5. Maybe
M6. Go Away From You
M7. 進むために
M8. I‘ve Got the Power 
M9. またどこかで会えたら
M10. Somebody Else Now -Acoustic ver.-