口ずさむ言葉は、産まれたこころ

 2024年8月21日に“さとう。”が1st ALBUM『産声みたいで、』をリリースしました。今作には、連続リリースされた7曲に加え、新録5曲を加えた全12曲を収録。さとう。の現在地を確認できる傑作となっております。また、アルバムジャケットのイラストもさとう。が手掛けており、個性が詰め込まれたアルバムに。
 
 さて、今日のうたではそんな“さとう。”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、収録曲「楽屋」にまつわるお話です。実体験に基づいて作られたこの曲には、どんな想いや景色が描かれているのでしょうか。ぜひ、歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。



さとう。初のアルバム『産声みたいで、』がリリースされました!
2024年1月からの7ヶ月連続リリース曲たちを含めた全12曲(配信は11曲)、
こんなにもさとう。の音楽を世に放つことができたこと、本当に嬉しく思っております。
 
今回はアルバムの中から「楽屋」という曲の話をしようかと思います。
フィクションが多いさとう。の楽曲の中でも、この歌は珍しく、実体験に基づいて作られました。
 
上京1年目の冬、音楽生だったさとう。の生活は中々貧しく、バイトに明け暮れる日々の中で体調とメンタルを崩しました。
なんとか持ち堪え、「これで学校に行ける、みんなに会える…!」となった矢先に世界を襲ったコロナ…。
バイト先は休業、ライブはキャンセル、学校も再開の目処が立たないまま、
さとう。は東京の1人暮らしの家で、ギターもろくに弾かず、1日を過ごしていたのです。
 
「ああ、もう、私はステージに立つことは許されない人間になってしまったんだ」
大袈裟かもしれませんが、あの時は本当にそう思いました。
今のさとう。には毎月ライブがあって、
それを観に来てくれる人がいて、
初のワンマンツアーも控えています。
線路沿い1Kで閉じこもっていたあの時間は
まさにさとう。の“楽屋”そのものでした。
きっとこの曲に触れたあなたにも、
楽屋にいた時、出囃子を待っている時があったと思います。
今もなお、楽屋から出られずもがいているのかもしれません。
そんなあなたの背中をステージまで押してあげれるような強い曲ではないけれど、
どうか、あなたのそばに寄り添わせてください。
この曲は、あなたを決して1人にはしません。
 
『産声みたいで、』を聞いたあなたのこれからの日々に、
さとう。の歌が、感情たちの産声が、
少しでもあなたのそばにいれますように。
 
<さとう。>



◆紹介曲「楽屋
作詞:さとう。
作曲:さとう。

◆1st ALBUM『産声みたいで、』
2024年8月21日発売

<収録曲>
1.食卓
2.あの夜
3.3%
4.始発前
5.ピアス
6.振り返る街
7.細胞
8.泣いているのは
9.ステージ
10.マイク前
11.楽屋
 
Bonus Track [CD Only]
12.見かけなくなった猫

◆LIVE TOUR『線路沿い1Kを飛び出して』
11/9(土) 【静岡】浜松 窓枠Cafe AOZORA  
11/23(土)【大阪】心斎橋 真心場 - MAHOROBA - 
11/24(日)【愛知】名古屋sunset BLUE       
12/6(金) 【神奈川】SUPERNOVA KAWASAKI   
 
チケット発売中
 
◆さとう。OFFICIAL SITE