2024年9月25日に“矢作萌夏”がEP『愛を求めているのに』をリリース! EPリード曲「死に花に、生命を」はSNSに投稿されたライブ映像が総再生回数約260万回を記録した話題曲。「身内が自死したときに書いた曲」ということを明かしており、リリースを待望する声が多く寄せられていた。独自の歌詞の世界観と透明感ある歌声で、シンガーソングライター・矢作萌夏の新たな魅力が伝わる楽曲となっております。
さて、今日のうたではそんな“矢作萌夏”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、収録曲「18歳のわたしへ」にまつわるお話。これから18歳を迎えるあなたも、今まさに18歳であるあなたも、18歳を振り返るあなたも、それぞれの“わたしの18歳”を思い浮かべながらこの歌詞とエッセイを受け取ってください。
この度、2nd EP『愛を求めているのに』をリリースさせてもらいました!
今回は、4曲目に収録されている「18歳のわたしへ」について。
さて。
18歳のあなたはどんな子でしたか?
常に人の真ん中にいて、笑いを作る子。
端っこで、自分の世界をもっている子。
なんとなく、流されてる子。
わたしは、なんとなく流されてる子だったかなぁ。
自分じゃわかんないけど。
制服のタイムリミットが近づいている18歳。
まだ3年しか着ていないのに、白いセーターは以前よりも縮んで、ほつれてる。
学生時代の頑張りの象徴だとおもう。
鬱陶しく感じる校則でさえ、
卒業してしまったら恋しくなるのだろうか。
冬に近づいていくにつれて
推薦の子たちは泣いたり笑ったりで、
一般受験の子たちは即帰宅。
教室のコルクボードに書いてある
「受験まで」のカウントダウンが、1日ずつ減っていく。
オレンジ色に枯れていく放課後も減っていく。
学校帰りにいつものお店でだべる日も減っていく。
私は、高校3年生というターニングポイントで
大学受験よりも夢を選んだ。
みんなが参考書を読んでいる時間に、私は作曲の本を読んでいた。
笑顔で応援してくれる友人たち。
応援の寄せ書きで埋め尽くされた裏表紙。
私の不確定な未来と、大学に入れば安定だという先生のことばたち。
このまま夢が白紙になったら、どうなっちゃうだろう。
でも、これで良かったんだよ~。わたし。
選んだ道で、ちゃんと頑張って笑えてるよ。
あのとき、夢に人生を預けた18歳のわたしに、そう伝えてあげたい。
そんな思いで書いてます。
恋をした時には I was born to love you を。
一息つきたい時には わたしごっこを。
愛が分からなくなった時には 満たされない を。
生きることが怖くなった時には 死に花に、生命を を。
自信がなくなった時には 18歳のわたしへ を。
1曲1曲に捧げられる自分がいるのって、大人になっている感じがしていいね。
女の子、男の子、お姉さん、お兄さん、おばさん、おじさん、おばあちゃん、おじいちゃん
みんなの思い出に飛び込むきっかけとなるEPになりますように。
たくさん愛してくださいなー!
<矢作萌夏>
◆配信シングル「わたしごっこ」
2024年8月14日配信
◆EP『愛を求めているのに』
2024年9月25日発売
<収録曲>
1 : 満たされない
2 : I was born to love you
3 : わたしごっこ
4 : 18歳のわたしへ
5 : 死に花に、生命を