2024年10月9日に“Gacharic Spin”が15周年記念ALBUM『Feast』をリリース! 15周年にちなみ全15曲入りとなる今作には、ライブで披露してきた数々の未発表曲や、インディーズ時代からの人気楽曲「Lock On!!」「JUICY BEATS」「ブラックサバイバル」の2024年再録バージョンに加え、アルバムの為に書き下ろされた「Restaurant・F」「ハレの日」など多数の新曲が収録されております。
さて、今日のうたではそんな“Gacharic Spin”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾。執筆を担当したのは、オレオレオナ。綴っていただいたのは、収録曲「ハーフウェイ、その先へ」のお話です。あなたには抱いていた“夢”はありますか? 今、何か“夢”をちゃんと口にしていますか…? ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。
気がついたら、大人と言われる年齢になっていた。
そもそも大人とは。
お仕事がバリバリできて、周りからの信頼も厚くて、コーヒーの味もわかって、好きなものは割となんでも買えて、そう、夢だって叶う。というか
夢を叶えているのが大人。
いつかはみんな、自分が描いたものになる、そう思っていた。
10代から20代にかけて、私は映画が大好きで、主人公に気持ちを重ねて、時にはなりきって生活してみたり、進路を決めてみたり。
恋愛ものでそれがバッドエンドだった日には、何度も思い出しては泣いていたり。
日常にスパイスが欲しくなったら、適当に理由をつけて恋人に喧嘩をけしかけてみたり。
映画館で気持ちの昂りを抑えられず、まだ恋人になれてもない人に「今すぐ会いたい!」と電話して断られ、女友達になぐさめてもらったり。
とにかく面倒な生き物だった。
でも、精一杯生きていた。自分の気持ちに正直に。
その自覚はなかったけれど、振り返るとそう言える毎日だった。
もちろん、その頃、夢もあった。
「夢はなに?」と聞かれたら、ちゃんと答えられた。
その時の私はすでにバンドマンだったから、音楽にまつわること、大好きな映画に関わること、そして恋人とハッピーに生きること、全部が私の夢の一つだった。
それなのに、いつしかその夢たちを口に出すことをしなくなった。
実際は、口にするのが怖くなった。
諦めるなんてことをわざわざしなくても、事実として“叶わない現実”が今、ここにある、そんな感じ。
ある時、昔ハマって観ていた『ハルフウェイ』という映画を観た。
今観ると少しこしょばゆいような、かわいい年頃の恋愛模様。
当時はこの映画で心がぐるぐるしていた。
心が敏感だったし、何より自分の気持ちに、想いに素直だったから。
観終わったら、自分に欠けてた何かが少しわかった気がした。
生きていたら、大切なものが変わっていく。それは当たり前で。
いくつも抱えきれないことを知って、くよくよしたり、進んだり戻ったりしながらそれでも生きて。
きっと日常の小さな願いや想いも「夢」と呼んでよくて
夢は大きければ大きいほどいい、なんて呪いみたいな、
どこの誰が言い出したかわからないことに翻弄されなくていい。
かすかに心が動くその瞬間、を見逃さないで。
今、何歳だっていいよ。生きている限りみんな、人生の途中なんだって。
いつかの私へ、いつかの大切なヒトたちへ。私より。
◆15周年記念ALBUM『Feast』
2024年10月9日発売
<収録曲>
01. SPEED GAME
02. High Grayinbow
03. Lock On!!-2024-
04. ハレの日
05. JUICY BEATS-2024-
06. Restaurant・F
07. No.1!!
08. 乱心 glow
09. parallel loop
10. Bocchi Fest
11. ブラックサバイバル-2024-
12. カレーアイス
13. where you belong
14. S・w・e・e・t
15. ハーフウェイ、その先へ