私の“東京”

 2024年10月9日に“Conton Candy”が初のフルアルバム『melt pop』をリリースしました。バンド結成からの5年間が詰まった“入門盤”であり“完全盤”ともいえる本作品は、タイトル通り、Conton Candyが抱かれているであろう“pop”な印象を“melt(溶かす)”する1枚に。収録曲は、「ロングスカートは靡いて」、「ファジーネーブル」など、彼女達の名刺代わりである代表曲を中心に9曲、さらに新録6曲の全15曲が収録。
 
 さて、今日のうたではそんな“Conton Candy”の紬衣による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲であり、映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』主題歌「急行券とリズム」のお話。映画の脚本を読み、そして自身の高校生活を思い出したとき、この歌で言葉にして伝えたいと思ったことは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。



この曲を書くにあたって初めて映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』の脚本をいただいた時、ただただここに出てくる高校生たちが何色にも染まらず、自分らしく生きていてほしいなと思いました。
 
いい意味でも悪い意味でも色んなものがあって混沌とした“東京”という街でこの子達は何を思うんだろう、とか、きっと自分は東京で生まれて東京で育った人間だからこそ見落としている部分もたくさんあるんだろうな、とか、彼女たちという鏡に、つい自分を重ねてしまう部分がたくさんありました。そんな想いを言葉にして伝えたいと思ったんです。
 
私が高校を卒業したのは4年前、高校3年生の時はコロナの影響で体育祭や文化祭ができなくて、卒業式も保護者は1名のみ参加可能など、高校生最後の年はコロナに振り回されたような記憶でいっぱいです。
 
でも自分にとっての高校生活は勉強、部活、恋愛、友達関係、全てのことに打ち込んでいた3年間だったので今思えばとてもかけがえのないものです。
 
そして映画に出てくる高校生たちもきっと、何があったとしても高校生活という時間は、私のように1分1秒忘れられない思い出になるんだろうなと思いました。
 
だからこそこの曲では<愛のない言葉>とか<嫌いだったあの人>とか高校生活の中のキラキラしていないリアルな部分も言葉にしたかった。
 
あともう一つこの曲の中で意識したことは、この曲を聴いた時に自分の中の学生生活や映画に出演していた日向坂46の4期生の方たちが、撮影期間を思い出して懐かしくなるような感覚になって欲しいというものでした。だからこそ曲の持つ雰囲気として哀愁感とその中にある疾走感によって思い出が駆け巡っていく、そんなニュアンスがこの曲には必要だと思いました。
 
そんなことを考えながら作ったこの1曲はきっとこの先も忘れることのない、そしてConton Candyとしてもとても大切な1曲です。そしてこの東京という街の持つ力と東京らしさみたいなものはきっと22年間この街で生きてきた私のゼンブです。
 
この東京という街、みんなにはどう映っていますか?

<Conton Candy・紬衣>



◆紹介曲「急行券とリズム
作詞:八島紬衣・鈴木楓華・鈴木彩楓
作曲:八島紬衣・鈴木楓華・鈴木彩楓

 
◆フルアルバム『melt pop』
2024年10月9日発売
 
<収録曲>
01. 相槌
02. ファジーネーブル
03. BABY BABY
04. ロングスカートは靡いて
05. 花びらと生活音
06. 急行券とリズム
07. もっと
08. 桜のころ
09. TOKYO LONELY NIGHT
10. 爪
11. baby blue eyes
12. アオイハル
13. moonwalk
14. my JAM
15. 好きなものは手のひらの中

◆Conton Candy ONEMAN TOUR 2024 “melt pop”
2024年11月9日(土):北海道・SAPPORO SPiCE
2024年11月16日(土):宮城・仙台MACANA
2024年11月17日(日):新潟・GOLDEN PIGS RED STAGE
2024年11月23日(土):福岡・OP's
2024年11月24日(日):広島・SECOND CRUTCH
2024年11月30日(土):愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
2024年12月7日(土):香川・高松DIME
2024年12月8日(日):大阪・心斎橋BIGCAT
2024年12月14日(土):東京・Spotify O-EAST