2024年10月23日に“Anonymouz”が新曲「ふたりじめ」をリリースしました。同曲は、日本テレビ系火曜プラチナイト ドラマDEEP『3年C組は不倫してます。』主題歌。MVを手掛けたのは、大久保拓朗監督。ティーンエイジャーカップルの逃避行劇を中心に、Anonymouzは2人の物語をなぞるストーリーテラーとして出演。楽曲の切なく苦しい世界観が表現されております。
さて、今日のうたではそんな“Anonymouz”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「ふたりじめ」にまつわるお話です。主題歌を書き下ろすにあたり、ドラマDEEP『3年C組は不倫してます。』の台本を読んでみたとき、意外だった焦点の当て方。そして、大切にした想いは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。
作詞:Anonymouz
作曲:Anonymouz・Hayato Yamamoto
すっきりしすぎた目覚めに違和感を覚えて時計を見たら寝坊。慌てて飛び起きて、準備したけど前髪が言うことを聞かなくて、鏡に映るヘアアイロンにイラついた。
イヤホンを忘れて、楽しみにしていた大好きなバンドの新譜も聴けてないし、低気圧で頭まで痛い。
「最悪…」と何度も心の中で呟きながら始まった1日だった。
でも最近、私には、会うだけで心が晴れて、ドラマのヒロインにでもなった気分にさせてくれる特別な存在ができた。
彼と2人で歩く学校からの帰り道。
気づけば自分の話をよくしてくれるようになった。
友達とのこと、週末の出来事、親とした喧嘩の話。
今日は、さりげなく遠回りまでしてくれて、いつも以上に距離が縮まった気がした。
朝からずっと気にしてる前髪を、つい何度もいじってしまう私に、変わらない笑顔で「また明日」と言ってくれた。
見事に私の憂鬱をひっくり返して「最悪」を「最高」にしてしまう。
そんなシンプルで純粋な恋の始まりに「ふたりじめ」の主人公も胸が躍っていたはずだ。
紛れもなく純愛で、誰にも奪えない恋のはずだった。
日テレ系ドラマDEEP『3年C組は不倫してます。』という作品へ書き下ろした「ふたりじめ」は、私が描いてきた恋愛曲の中で一番真っ直ぐで孤独だと思っている。
高校生同士の不倫を中心に、登場人物それぞれの葛藤を描いているこのドラマ。泥沼な展開が待ち受けていると予想して台本を読んでみると、意外にも焦点は高校生たちの純愛に当たっていた。
「不倫は最低」。その点は揺るがないけど、人間らしい感情を無視しないこの作品がとても素敵で、飾らない楽曲を作りたいと思った。
普段生きていて、人は他人の感情論に厳しいと度々感じる。
ネット上は特に容赦ないけど、実はいつもそばにいてくれる人も思っているほど同情してくれない。
特にルールや常識を破るような行動は簡単に軽蔑されてしまうから寂しい。
だからこそ、誰から見ても避けるべき恋に落ちてしまった人の孤独に寄り添える楽曲を作りたかった。
誰にも理解されなくていい。あなたにさえ伝わればいい。
そんな想いで「ふたりじめ」というタイトルをつけました。
優しく強く、なんならその恋への情熱を後押しするほどロマンチックな楽曲になっていて、とても気に入っています。
ぜひ、聴いてみてください。
あなたの苦しい恋が、後悔に染まらず、輝きますように。
<Anonymouz>
◆紹介曲「ふたりじめ」作詞:Anonymouz
作曲:Anonymouz・Hayato Yamamoto