ステージ

 2024年11月27日に“SIX LOUNGE”がニューシングル「言葉にせずとも」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』OP曲。さらに11月13日には『2024大分国際車いすマラソン』番組応援ソングとして制作された新曲「My Way」も配信リリース!
 
 さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを3回に渡りお届け!今回が最終回。綴っていただいたのは、新曲「My Way」にまつわるお話です。作詞に悩み、大会の歴史を調べ、選手の気持ちに向き合ってみた結果、たどりついた思いは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。



大分国際車いすマラソンの応援ソングとしてこの曲を制作すると決まったとき、作詞でかなり悩んだ。
言葉選び、表現によっては差別的になってしまうんじゃないか。
そもそも自分の障がい者スポーツ(パラスポーツと言うべきか)への認識が浅かった。
 
なので、まずこの大会の歴史を調べてみる事にした。
1981年に“世界で初めての”車いすだけの国際マラソン大会としてスタートして、以来毎年開催される。コロナ禍での中止もありながら、なんと今年で43回目を迎える。
かなり歴史のある大会だ。そしてそれが地元・大分で開催されている。
 
より一層、肩に力が入ってしまうじゃないか。
 
そして次は選手がどういう気持ちでこの大会に臨んでいるのか。
時期的に大分川の河川敷で練習している選手がいると情報をもらったが、現地まで行って選手に話しかけられるほどの行動力とジャーナリズムは俺にない。
 
ネットで選手のインタビューを探すことにした。
そこで見つけたひとつの記事が、この曲に対する自分なりの答えを出すヒントになった。
 
考えすぎていたかもしれない。
 
こちらから勝手に壁を作っていただけだと思った。
 
純粋なアスリートだ。
 
そんなんじゃ、どんな歌詞をいくら書こうとも、応援もクソもない。ハートは動かない。
 
自分の道を駆け上がる。
 
スポーツだけじゃない。
ジャンルは違えど、仕事も、バンドも、その人のステージがあり、主役を生きている。
 
全員が主役。
 
徐々にイメージは固まり、自然と言葉も出てきた。
 
絶好調なんてそう続かない。
そうそう物事はうまく進まない。
だから人生は面白いなんて、正直言えない。
 
でも自分の代わりなんていないから、手放さずに踏ん張ろうと思える。
 
描いたシナリオ通りにいかなくても、カメラを回し続ければいい。
それはいつか“君だけの”記憶になり、宝物になるはず。
 
やっぱり最後は笑いたいです
 
まだ諦めきれないです
 
車いすマラソンは平均時速30km以上、下り坂では時速50kmに達するそうだ。
 
その背中に追い風が吹きますように。
 
この曲が鳴りますように。
 
<SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ>



◆紹介曲「My Way
作詞:ナガマツシンタロウ
作曲:ヤマグチユウモリ