誰かの為整えられた髪を掴んで
悲しい声 甘く響かせ鳴いて見せてよ
合図に乗せて壊れてく貴女を見ていた
ずっとそうして踊ってればいいのに
「immorality」/阿部真央
この歌は、2018年3月7日に“阿部真央”がリリースしたニューアルバム『YOU』の収録曲。また、田中圭が主演のFODオリジナルドラマ『不倫食堂』主題歌です。物語の主人公(田中圭)は、出張先でのご当地グルメ食べ歩きを生きがいにしている、妻子持ちの会社員35歳。しかし行く先々で出会うのは、美しい人妻…。そして、ただ美味しく食事をしていただけのはずが、気付けばその人妻と肌を重ねてしまう事態に陥ってゆくのです…。
そんなドラマに相応しく、主題歌のタイトル「immorality」も【不倫】という意味。まず<僕>が恋をした<貴女>には、夫か恋人か、他にも相手がおります。その象徴が<誰かの為整えられた髪>でしょう。それは同時に“整えられた毎日”を表しているようでもあり、自分の知らない<貴女>の日常を感じ取ってしまうからこそ<僕>は、彼女の髪を掴んで乱して<壊れてく貴女を見て>どこか満たされているのではないでしょうか。
何かを忘れたい夜に 無性に貴女に会いたくなるの
こんなの間違ってることは とうの昔から知っている
貪る虚しい快楽を 喜び味わい割り切れるほど
僕は貴女を馬鹿に出来ない
馬鹿に出来ない 馬鹿に出来ない
「immorality」/阿部真央
でも、歌詞を読んでいくと、おそらくこの二人はドラマ『不倫食堂』と同じくダブル不倫であることが想像できます。主人公の<僕>にだって“整えられた毎日”があるはずなんです。帰るべき場所も。だけど時には<何かを忘れたい夜>もある…。すると<こんなの間違ってる>という理性も飛んで、癒しを求めて本能で<虚しい快楽>を貪ってしまうわけですね。こうして不倫は始まってゆくのだということがよくわかる歌詞です。
いつでも少しの後悔と 背徳を選び楽しめるほど
僕は貴女を愛していない
愛していない 愛していない
「immorality」/阿部真央
さらに、不倫をする男性は最終的に“保身に走る”とはよく聞きます。結局のところ“整えられた毎日”を守ってしまうのです。だから、同罪である<貴女を馬鹿に出来ない>けれど、かといって同じように<壊れてく>ことも出来ないのでしょう。すでに一線を越えてしまっているのに“整えられた毎日”を捨ててまで楽しめるほど<僕は貴女を愛していない>というのは、残酷な本音ですね…。では、逆に不倫中の女性はどのような感情を抱くものなのでしょうか。
俗っぽいこと言うつもりはないけど ないけど
こうして会ってること彼女は知ってるの? 知ってるの
貴方のそう言う平気な態度が嫌いなの 嫌いなの
貴方だけ余裕な感じがいつもシャクなの シャクなの
今この部屋を出て行っても 朝まで過ごしても
その心には残れない
頬を撫ぜて首筋 胸から戻って口
あぁ その全てに勝てない
「その心には残れない」/阿部真央
男性の不倫が肉体的であるのに対して、女性は精神的だと言います。それゆえに、たとえ先がない恋だとしても、一番にはなれないとわかっていても、やっぱり“その心に残りたい”と思うのではないでしょうか…。そんな女性側の本音が詰まっているのがこの曲。「immorality」で男性側の本音を聴いたあとは、是非、同アルバムに収録されている「その心には残れない」を聴いてみてください。甘く危うい恋の世界を、歌詞でご堪能あれ…!
◆紹介曲「immorality」
作詞:阿部真央
作曲:阿部真央
「その心には残れない」
作詞:阿部真央
作曲:阿部真央
◆8thアルバム『YOU』
2018年3月7日発売
【初回限定盤】 PCCA-04627 ¥3,500(税込)
【通常盤】 PCCA-04628 ¥3,000(税込)/
<収録曲>
01:K.I.S.S.I.N.G.
02:the SUN
03:Such a beautiful day
04:蔑ろな夜
05:immorality(Arranged by 岡崎体育)
06:傘
07:その心には残れない
08:喝采
09:Angel
10:朝日が昇る頃に
11:27歳の私と出がらし男