特攻の母~ホタル~ シングルVer.私は鳥浜とめと申します。 鹿児島県の知覧(ちらん)という小さな町で、 小さな旅館を営んでおりましたが、太平洋戦争が勃発した 直後、昭和十六年十二月二十四日、飛行基地が発足いたしました。 静かだった知覧の町も飛行機の爆音に明けくれるようになりました。 飛行兵といっても十五、六歳から二十二、三歳の少年達が、 日夜急仕込みで飛行機を操縦する猛訓練に励んでいたのでございます。 私の旅館も富屋という軍の指定食堂になり、 毎週日曜日には若い隊員さん達の憩いの場所となりました。 私を故郷のお母さんの様に慕ってくれて、無邪気に甘えてくれたり、 相談してくれたり、私も母親代わりをと…一生懸命尽くしました。 その頃、戦局は急速に敗退の一途をたどっておりました。 昭和二十年三月二十五日、沖縄の一角に連合軍の上陸が始まり、 最悪の事態になってまいりました。 この戦局を挽回する手段として、世界戦史に類をみない一機で 巨艦を撃沈する体当たり攻撃、特攻隊が編成され、 この知覧の基地から沖縄の空に向かって飛び立っていったのです そして誰も彼もが叫ぶのです…。 「知覧のお母さん、僕たちは立派に花と散ってみせますよ…。」 それが少年飛行兵なのです。あの子達は汚れを知らず、 ただ、お国のために生まれた時のままの姿で、 清く雄々しく花と散っていったのです…。 基地の方角から誰が吹くのか、泣いている様な尺八が聞こえる時は、 何人か、いいえ何十人かが出撃する時でございました。 花の蕾(つぼみ)が 見た夢は 七度び空を 血に染めて 死んで見せます お母さん ああ お母さん 会うは九段の 花のかげ ある日曜日の夜の食事がすんだあと、新潟から入隊した宮川君が 「富屋のお母さん、いろいろお世話になりましたが、 明日の夜明け、出撃せよとの命令です。 せめて最後に、故郷の母に手紙と軍から頂いたお金を送りました。 母ひとり、子ひとりに、甘えて育てて頂いた十八年、 ただの一度も孝行の真似事もできなかったのが残念です…。 でも三郎は沖縄の空から立派に玉砕する覚悟です。 やだなぁ、泣いたりして… そうだ、柱に僕の身長の高さに傷をつけておきますね。 ねぇ、富屋のお母さん、僕は死んでも必ず会いに戻ってきます…。 蛍になって…だって、あの世の道は暗いんでしょう…。」 「翌朝早く、尺八の音が聞こえてきました。すると、飛行機の爆音が…。 あぁ、あの子が基地を飛び立って行く。私は一生懸命祈り続けました…。 一時間、二時間、やがて知らせが届きました。 あの子は敵の戦闘機にやられて、火だるまになりながらも、 敵艦を目がけて、錐もみの状態で、海の底に消えたそうでございます。 どんなに悔しかったことでしょうか…。」 やっぱりあの子は 偉かった それでも最後の 最後まで 戦い続けた 姿こそ 三千年来 受け継いだ 血の流れです 日本の 母の育てた 誇りです 欲を言ったら 飛行機が そのまま敵の 甲板に 当たっていたら 万歳と 笑って死んで 行けたろに せめてあの子の回向(えこう)をと、 ロウソクを灯しお線香を上げて祈っていると、いつのまにか陽はとっぷりと 昏れていた。その時でした…。長女の美也子が狂ったように…。 「お母さん、大変っ! 庭を見て! 宮川君が会いに来たのよ…。蛍になって…。」 「ええっ? ほ、蛍になって…。まさかお前、そんなことが…。」 そう言いながら庭を見ると、尾を引く ような淡い光が…。「あぁ、やっぱりあの子だっ!」 会いに来たのに 違いない 蛍が見えた おばさんと 呼んでいる様に 泣く様に ああ 泣く様に 草の葉末の 露の上 あれから、もう何十年経ったでしょう。 いまでも、はっきりと覚えています。 沖縄の空へ飛んで行った可愛い少年飛行兵は千三十六人もいたのです。 その尊い魂を祀って基地の跡に、知覧観音が出来ました。 檜林や 杉林 三角兵舎の 朝夕に 母を夢見る 年頃で 儚く空に 散華(さんげ)した 忘れられない 面影が 昨日のように 蘇る 何で泣かずに いられよう 偉いぞ空の 少年と その勲(いさお)しを たたえつつ 婆の涙の 涸れるまで 祈り続けて 参ります 蓮の花咲く 果てまでも | 原田悠里 | 室町京之介 | 坂元政則 | | 私は鳥浜とめと申します。 鹿児島県の知覧(ちらん)という小さな町で、 小さな旅館を営んでおりましたが、太平洋戦争が勃発した 直後、昭和十六年十二月二十四日、飛行基地が発足いたしました。 静かだった知覧の町も飛行機の爆音に明けくれるようになりました。 飛行兵といっても十五、六歳から二十二、三歳の少年達が、 日夜急仕込みで飛行機を操縦する猛訓練に励んでいたのでございます。 私の旅館も富屋という軍の指定食堂になり、 毎週日曜日には若い隊員さん達の憩いの場所となりました。 私を故郷のお母さんの様に慕ってくれて、無邪気に甘えてくれたり、 相談してくれたり、私も母親代わりをと…一生懸命尽くしました。 その頃、戦局は急速に敗退の一途をたどっておりました。 昭和二十年三月二十五日、沖縄の一角に連合軍の上陸が始まり、 最悪の事態になってまいりました。 この戦局を挽回する手段として、世界戦史に類をみない一機で 巨艦を撃沈する体当たり攻撃、特攻隊が編成され、 この知覧の基地から沖縄の空に向かって飛び立っていったのです そして誰も彼もが叫ぶのです…。 「知覧のお母さん、僕たちは立派に花と散ってみせますよ…。」 それが少年飛行兵なのです。あの子達は汚れを知らず、 ただ、お国のために生まれた時のままの姿で、 清く雄々しく花と散っていったのです…。 基地の方角から誰が吹くのか、泣いている様な尺八が聞こえる時は、 何人か、いいえ何十人かが出撃する時でございました。 花の蕾(つぼみ)が 見た夢は 七度び空を 血に染めて 死んで見せます お母さん ああ お母さん 会うは九段の 花のかげ ある日曜日の夜の食事がすんだあと、新潟から入隊した宮川君が 「富屋のお母さん、いろいろお世話になりましたが、 明日の夜明け、出撃せよとの命令です。 せめて最後に、故郷の母に手紙と軍から頂いたお金を送りました。 母ひとり、子ひとりに、甘えて育てて頂いた十八年、 ただの一度も孝行の真似事もできなかったのが残念です…。 でも三郎は沖縄の空から立派に玉砕する覚悟です。 やだなぁ、泣いたりして… そうだ、柱に僕の身長の高さに傷をつけておきますね。 ねぇ、富屋のお母さん、僕は死んでも必ず会いに戻ってきます…。 蛍になって…だって、あの世の道は暗いんでしょう…。」 「翌朝早く、尺八の音が聞こえてきました。すると、飛行機の爆音が…。 あぁ、あの子が基地を飛び立って行く。私は一生懸命祈り続けました…。 一時間、二時間、やがて知らせが届きました。 あの子は敵の戦闘機にやられて、火だるまになりながらも、 敵艦を目がけて、錐もみの状態で、海の底に消えたそうでございます。 どんなに悔しかったことでしょうか…。」 やっぱりあの子は 偉かった それでも最後の 最後まで 戦い続けた 姿こそ 三千年来 受け継いだ 血の流れです 日本の 母の育てた 誇りです 欲を言ったら 飛行機が そのまま敵の 甲板に 当たっていたら 万歳と 笑って死んで 行けたろに せめてあの子の回向(えこう)をと、 ロウソクを灯しお線香を上げて祈っていると、いつのまにか陽はとっぷりと 昏れていた。その時でした…。長女の美也子が狂ったように…。 「お母さん、大変っ! 庭を見て! 宮川君が会いに来たのよ…。蛍になって…。」 「ええっ? ほ、蛍になって…。まさかお前、そんなことが…。」 そう言いながら庭を見ると、尾を引く ような淡い光が…。「あぁ、やっぱりあの子だっ!」 会いに来たのに 違いない 蛍が見えた おばさんと 呼んでいる様に 泣く様に ああ 泣く様に 草の葉末の 露の上 あれから、もう何十年経ったでしょう。 いまでも、はっきりと覚えています。 沖縄の空へ飛んで行った可愛い少年飛行兵は千三十六人もいたのです。 その尊い魂を祀って基地の跡に、知覧観音が出来ました。 檜林や 杉林 三角兵舎の 朝夕に 母を夢見る 年頃で 儚く空に 散華(さんげ)した 忘れられない 面影が 昨日のように 蘇る 何で泣かずに いられよう 偉いぞ空の 少年と その勲(いさお)しを たたえつつ 婆の涙の 涸れるまで 祈り続けて 参ります 蓮の花咲く 果てまでも |
中山道あなた忘れの 旅に来て あなた恋しと 泣く私 夜泣き地蔵さん 見ていて欲しい 碓氷峠(うすいとうげ)を 越えたなら けじめをつけます 一歩また一歩 中山道(なかせんどう)は 山の中 未練引きずる この胸を 十六夜月(いざよいづき)が 笑ってる 右へ行(ゆ)こうか 左へ行こか 追分宿(おいわけじゅく)の 分かれ道 涙をふいたら 一歩また一歩 中山道は 迷い道 肩にとまった 枯れ葉より 軽いはかない 恋だった 憎さいとしさ 谷間に流し 奈良井宿(ならいじゅく)まで あと三里(さんり) 明日を夢見て 一歩また一歩 中山道は 道半ば | 原田悠里 | 鈴木紀代 | 水森英夫 | 伊戸のりお | あなた忘れの 旅に来て あなた恋しと 泣く私 夜泣き地蔵さん 見ていて欲しい 碓氷峠(うすいとうげ)を 越えたなら けじめをつけます 一歩また一歩 中山道(なかせんどう)は 山の中 未練引きずる この胸を 十六夜月(いざよいづき)が 笑ってる 右へ行(ゆ)こうか 左へ行こか 追分宿(おいわけじゅく)の 分かれ道 涙をふいたら 一歩また一歩 中山道は 迷い道 肩にとまった 枯れ葉より 軽いはかない 恋だった 憎さいとしさ 谷間に流し 奈良井宿(ならいじゅく)まで あと三里(さんり) 明日を夢見て 一歩また一歩 中山道は 道半ば |
七尾恋歌何かひとつの 言葉でも 残していって 欲しかった 七尾にそっと 雪が 雪が 雪が降る 聴こえるようです ひとり寒かろと 田鶴浜(たつるはま)から 声がする 季節(とき)が過ぎれば 過ぎるほど 温もりばかり 恋しくて 七尾の雪が あなた あなた あなたなら このまま埋もれて ずっと眠りたい せめて涙が 消えるまで 寄せて返して また寄せる 忘れたはずの 思い出が… 七尾の冬を 染めて 染めて 染めて咲く 花火は今年も あなた綺麗です ふたりも一度 見たかった | 原田悠里 | つじ伸一 | 岸本健介 | 前田俊明 | 何かひとつの 言葉でも 残していって 欲しかった 七尾にそっと 雪が 雪が 雪が降る 聴こえるようです ひとり寒かろと 田鶴浜(たつるはま)から 声がする 季節(とき)が過ぎれば 過ぎるほど 温もりばかり 恋しくて 七尾の雪が あなた あなた あなたなら このまま埋もれて ずっと眠りたい せめて涙が 消えるまで 寄せて返して また寄せる 忘れたはずの 思い出が… 七尾の冬を 染めて 染めて 染めて咲く 花火は今年も あなた綺麗です ふたりも一度 見たかった |
涙しぐれ心の傷あと かぞえて眠る そんな女の 不幸ぐせ 涙しぐれが 想い出濡らす わたし 今夜も 傘がない あいたくて あいたくて 好きだから あいたくて 泣いてます あなたの両手は 温かかった 夢でいいのと 言いました 涙しぐれが ぬくもり奪う ひとり 生きては ゆけません さみしくて さみしくて 好きだから さみしくて こんな夜は 愛する前から 別れるさだめ 知っていたよな 泣きぼくろ 涙しぐれが 未練を濡らす 赤い せつない くちびるが あいたくて あいたくて 好きだから あいたくて 泣いてます | 原田悠里 | 田久保真見 | 岡千秋 | 伊戸のりお | 心の傷あと かぞえて眠る そんな女の 不幸ぐせ 涙しぐれが 想い出濡らす わたし 今夜も 傘がない あいたくて あいたくて 好きだから あいたくて 泣いてます あなたの両手は 温かかった 夢でいいのと 言いました 涙しぐれが ぬくもり奪う ひとり 生きては ゆけません さみしくて さみしくて 好きだから さみしくて こんな夜は 愛する前から 別れるさだめ 知っていたよな 泣きぼくろ 涙しぐれが 未練を濡らす 赤い せつない くちびるが あいたくて あいたくて 好きだから あいたくて 泣いてます |
虹ふたりで歩く 雨あがりが好き ふたりで見上げる 青空が好き さよならだけの この町で 逢えてよかった あなた あなた 消えないで いつまでも… あなた 私の虹 あゝ… 虹の架け橋 昔の唄が 今日も流れゆく 昔と変わらぬ たそがれの小径(こみち) 行きかう人の ほほえみに 想いだします あなた あなた ふるさとは 遠いけど… あなた 私の虹 あゝ… 虹の架け橋 ちいさな春が 胸にしみるよな ちいさな花屋の 福寿草の彩(いろ) 明日(あした)はきっと いいことが 待っていますね あなた あなた 倖せに してほしい… あなた 私の虹 あゝ… 虹の架け橋 | 原田悠里 | 水木れいじ | 原譲二 | 蔦将包 | ふたりで歩く 雨あがりが好き ふたりで見上げる 青空が好き さよならだけの この町で 逢えてよかった あなた あなた 消えないで いつまでも… あなた 私の虹 あゝ… 虹の架け橋 昔の唄が 今日も流れゆく 昔と変わらぬ たそがれの小径(こみち) 行きかう人の ほほえみに 想いだします あなた あなた ふるさとは 遠いけど… あなた 私の虹 あゝ… 虹の架け橋 ちいさな春が 胸にしみるよな ちいさな花屋の 福寿草の彩(いろ) 明日(あした)はきっと いいことが 待っていますね あなた あなた 倖せに してほしい… あなた 私の虹 あゝ… 虹の架け橋 |
のぞみ花花には命の 水がいる 人には情けと 愛がいる 似た者どうし あんたと私 切れぬ思いの 糸を噛む 辛い別れに なるけれど 涙乾けば 明日(あす)も来る 今でも好きかと 問われたら 夢ならこのまま 醒めないで 右と左の 二人のさだめ 泣いて惜しんで くれますか 無情七坂 どこまでも 見えぬ真実(まこと)を 信じたい 冬には吐息も 凍りつき 恋しさ忍んで 春を待つ 数えきれない 想い出だけど 忘れちゃいなと 風の声 耐えて渡れば その先に 心晴れ晴れ 辿りつく | 原田悠里 | 原譲二 | 原譲二 | 遠山敦 | 花には命の 水がいる 人には情けと 愛がいる 似た者どうし あんたと私 切れぬ思いの 糸を噛む 辛い別れに なるけれど 涙乾けば 明日(あす)も来る 今でも好きかと 問われたら 夢ならこのまま 醒めないで 右と左の 二人のさだめ 泣いて惜しんで くれますか 無情七坂 どこまでも 見えぬ真実(まこと)を 信じたい 冬には吐息も 凍りつき 恋しさ忍んで 春を待つ 数えきれない 想い出だけど 忘れちゃいなと 風の声 耐えて渡れば その先に 心晴れ晴れ 辿りつく |
のれん酒雨にうるんだ 赤い灯が 泣きにおいでと 呼びかける 探しそこねた 夢ひとつ 飲んできれいに 忘れましょうか 命にしみる 命にしみる あゝ…のれん酒 恋の運命と 憂き世風 なんで私にゃ つれないの こんな夜更けは 故郷の せめて歌でも 唄いましょうか 命にしみる 命にしみる あゝ…のれん酒 人の情けに 袖ふれて 生きる望みも わきました 涙こぼした グイ呑みに 明日は倖せ 浮かべましょうか 命にしみる 命にしみる あゝ…のれん酒 命にしみる 命にしみる あゝ…のれん酒 | 原田悠里 | 水木れいじ | 大野克夫 | | 雨にうるんだ 赤い灯が 泣きにおいでと 呼びかける 探しそこねた 夢ひとつ 飲んできれいに 忘れましょうか 命にしみる 命にしみる あゝ…のれん酒 恋の運命と 憂き世風 なんで私にゃ つれないの こんな夜更けは 故郷の せめて歌でも 唄いましょうか 命にしみる 命にしみる あゝ…のれん酒 人の情けに 袖ふれて 生きる望みも わきました 涙こぼした グイ呑みに 明日は倖せ 浮かべましょうか 命にしみる 命にしみる あゝ…のれん酒 命にしみる 命にしみる あゝ…のれん酒 |
萩しぐれあなたと旅した 想い出を 抱きしめ辿(たど)る 城下町 指月山(しづきやま)から 見下ろせば あなたの行方(ゆくえ) わかるでしょうか こらえきれない 涙が落ちて 心を濡らす 萩しぐれ 歴史を映した 白壁に 笑顔でのぞく 夏みかん 先が見えない 鍵曲(かいまがり) 二人の恋の 明日のようね 決めた別れに 涙が落ちて 心を濡らす 萩しぐれ くすぶる未練は 今日限り 流して帰る 藍場川(あいばがわ) 愛は壊れて しまっても 過ごした日々を 忘れはしない きっと最後の 涙が落ちて 心を濡らす 萩しぐれ | 原田悠里 | 伊藤美和 | 徳久広司 | 前田俊明 | あなたと旅した 想い出を 抱きしめ辿(たど)る 城下町 指月山(しづきやま)から 見下ろせば あなたの行方(ゆくえ) わかるでしょうか こらえきれない 涙が落ちて 心を濡らす 萩しぐれ 歴史を映した 白壁に 笑顔でのぞく 夏みかん 先が見えない 鍵曲(かいまがり) 二人の恋の 明日のようね 決めた別れに 涙が落ちて 心を濡らす 萩しぐれ くすぶる未練は 今日限り 流して帰る 藍場川(あいばがわ) 愛は壊れて しまっても 過ごした日々を 忘れはしない きっと最後の 涙が落ちて 心を濡らす 萩しぐれ |
花は黙って咲いている日暮れの雨に 打たれても 花は黙って 咲いている 冷たい風に ふるえても そこにきれいに 咲いている 誰のために 生きますか 誰のために 散りますか 花は花として ただ咲くだけ 名もさえ知らない あてもない 花は黙って 咲いている 振り向く空は 遠くても そこにきれいに 咲いている 母のような 優しさで 母のような ゆかしさで 花は花として ただ咲くだけ 夜露に濡れて 色あせて 花は黙って 咲いている 明日になれば 陽をあびて そこにきれいに 咲いている 一度限りの さだめなら 一度限りの 命なら 人は人として ただ生きたい | 原田悠里 | 中村要子 | 原譲二 | 丸山雅仁 | 日暮れの雨に 打たれても 花は黙って 咲いている 冷たい風に ふるえても そこにきれいに 咲いている 誰のために 生きますか 誰のために 散りますか 花は花として ただ咲くだけ 名もさえ知らない あてもない 花は黙って 咲いている 振り向く空は 遠くても そこにきれいに 咲いている 母のような 優しさで 母のような ゆかしさで 花は花として ただ咲くだけ 夜露に濡れて 色あせて 花は黙って 咲いている 明日になれば 陽をあびて そこにきれいに 咲いている 一度限りの さだめなら 一度限りの 命なら 人は人として ただ生きたい |
母鏡甘えた分だけ 苦労をすると 都会の壁は つめたいけれど 写真の顔に 涙の理由(わけ)を 言えば晴れるわ お母さん 長生きしてね お母さん 私に似てると 手紙を添えて 泥つき野菜 送ってくれた あなたはいつも 笑いのなかで 生きる真実 教えたわ かわいい女(ひと)ね お母さん 母子(おやこ)という名の 女と女 誰にも言えぬ 悩みがわかる 私にとって あなたは鏡 いつか歩くわ お母さん 茨をこえて お母さん | 原田悠里 | 星野哲郎 | 櫻田誠一 | 蔦将包 | 甘えた分だけ 苦労をすると 都会の壁は つめたいけれど 写真の顔に 涙の理由(わけ)を 言えば晴れるわ お母さん 長生きしてね お母さん 私に似てると 手紙を添えて 泥つき野菜 送ってくれた あなたはいつも 笑いのなかで 生きる真実 教えたわ かわいい女(ひと)ね お母さん 母子(おやこ)という名の 女と女 誰にも言えぬ 悩みがわかる 私にとって あなたは鏡 いつか歩くわ お母さん 茨をこえて お母さん |
母ごよみ母のやさしい手枕で 眠りつくまで 子守唄 夢で 夢で 目覚めた時は いつもさがした母の胸 こころやすらぐ おもいで暦 ひとりせっせと晴れ着縫う 頬にひとすじ ほつれ髪 とても とても 温かかった 日向みたいな 母の愛 知らず知らずに あふれた涙 苦労話もあるだろに こぼさなかった 愚痴ひとつ 嫁ぐ 嫁ぐ その日が来たら 持って行きたい 母ごころ 数え切れない おもいで暦 ああ 忘れない 忘れない いついつ迄も 母のやさしい おもいで暦 | 原田悠里 | 木下龍太郎 | 伊藤雪彦 | | 母のやさしい手枕で 眠りつくまで 子守唄 夢で 夢で 目覚めた時は いつもさがした母の胸 こころやすらぐ おもいで暦 ひとりせっせと晴れ着縫う 頬にひとすじ ほつれ髪 とても とても 温かかった 日向みたいな 母の愛 知らず知らずに あふれた涙 苦労話もあるだろに こぼさなかった 愚痴ひとつ 嫁ぐ 嫁ぐ その日が来たら 持って行きたい 母ごころ 数え切れない おもいで暦 ああ 忘れない 忘れない いついつ迄も 母のやさしい おもいで暦 |
春しぐれ雪見障子に 赤々と もれるかがり火 飛騨の宿 わずか二日の 旅なのに 淋しさばかりが つきまとう あなた逢いたい 今すぐに くじけそうです このままじゃ 春のしぐれが 音もなく 心にぽつり ふるばかり 胸の迷いを 断ち切れず ひとりおもいで なぞってる 和紙で作った 盃に つぎ足すお酒の ほろ苦さ せめても一度 その胸で 抱いて眠って くれますか 重ね着しても 寒すぎて 焦がれる想い 隠せない あなた泣いても いいですか くじけそうです このままじゃ 春のしぐれが 切なくて 心にともす 夢灯り | 原田悠里 | たきのえいじ | 弦哲也 | 山田年秋 | 雪見障子に 赤々と もれるかがり火 飛騨の宿 わずか二日の 旅なのに 淋しさばかりが つきまとう あなた逢いたい 今すぐに くじけそうです このままじゃ 春のしぐれが 音もなく 心にぽつり ふるばかり 胸の迷いを 断ち切れず ひとりおもいで なぞってる 和紙で作った 盃に つぎ足すお酒の ほろ苦さ せめても一度 その胸で 抱いて眠って くれますか 重ね着しても 寒すぎて 焦がれる想い 隠せない あなた泣いても いいですか くじけそうです このままじゃ 春のしぐれが 切なくて 心にともす 夢灯り |
春の暦女の胸の 残り雪 やさしく溶かして くれたひと 大きな愛に 包まれて 歩いてゆきます ふたり道 逢えてよかった あなたに逢えて… 世間に泣いた 傷ついた 秋から冬への 曲がり角 あふれる涙 手でぬぐい 負けたら駄目だと 抱いたひと 逢えてよかった あなたに逢えて… 雪割草(ゆきわりそう)の 白い花 いのちの蕾(つぼ)みを 咲かせます めぐった春の 暖かさ ふたりは死ぬまで 一緒です 逢えてよかった あなたに逢えて… | 原田悠里 | 仁井谷俊也 | 岡千秋 | 前田俊明 | 女の胸の 残り雪 やさしく溶かして くれたひと 大きな愛に 包まれて 歩いてゆきます ふたり道 逢えてよかった あなたに逢えて… 世間に泣いた 傷ついた 秋から冬への 曲がり角 あふれる涙 手でぬぐい 負けたら駄目だと 抱いたひと 逢えてよかった あなたに逢えて… 雪割草(ゆきわりそう)の 白い花 いのちの蕾(つぼ)みを 咲かせます めぐった春の 暖かさ ふたりは死ぬまで 一緒です 逢えてよかった あなたに逢えて… |
飛騨の月そっと襟あし 撫でてゆく 風はあなたの 吐息でしょうか 中橋(はし)を渡れば 三之町(さんのまち) 訪ねて来ました 逢いたくて ずっと私は 独りでいたと どうか伝えて… 飛騨の月 宵の祭りに ふたりして 堅く結んだ 心と心 きっと解(ほど)けて いないこと 今でも信じて いる私 江名子川(かわ)に浮かんで ふるえて揺れて 泣いてくれてる… 飛騨の月 両掌合わせる 白川郷(しらかわ)の 茅葺(やね)は私の 祈りの姿 あなた以外に 希みなど 本当は何にも ありません 夢を抱きしめ 待ってることを どうか伝えて… 飛騨の月 | 原田悠里 | つじ伸一 | 岸本健介 | 前田俊明 | そっと襟あし 撫でてゆく 風はあなたの 吐息でしょうか 中橋(はし)を渡れば 三之町(さんのまち) 訪ねて来ました 逢いたくて ずっと私は 独りでいたと どうか伝えて… 飛騨の月 宵の祭りに ふたりして 堅く結んだ 心と心 きっと解(ほど)けて いないこと 今でも信じて いる私 江名子川(かわ)に浮かんで ふるえて揺れて 泣いてくれてる… 飛騨の月 両掌合わせる 白川郷(しらかわ)の 茅葺(やね)は私の 祈りの姿 あなた以外に 希みなど 本当は何にも ありません 夢を抱きしめ 待ってることを どうか伝えて… 飛騨の月 |
ひとり大阪逢いに来ないで 死ぬ気で惚れた 夢が終った 夜だから 雨の大阪 つき放されて どこへ行ったら 幸せなのか キタもミナミも 濡れて曽根崎 ああ 迷い道 どうせ男は 薄情者と 恨みながらも すがりたい 雨の大阪 泣くだけ泣いて 涙かれたと 嘘つきながら あてもないのに 濡れて難波の ああ 未練道 女ひとりで 淋しいけれど 捨てて行けない この街を 雨の大阪 思い出よりも すがる あなたの情が欲しい ひとりぼっちの 濡れて堂島 ああ おんな道 | 原田悠里 | 鳥井実 | 岡千秋 | | 逢いに来ないで 死ぬ気で惚れた 夢が終った 夜だから 雨の大阪 つき放されて どこへ行ったら 幸せなのか キタもミナミも 濡れて曽根崎 ああ 迷い道 どうせ男は 薄情者と 恨みながらも すがりたい 雨の大阪 泣くだけ泣いて 涙かれたと 嘘つきながら あてもないのに 濡れて難波の ああ 未練道 女ひとりで 淋しいけれど 捨てて行けない この街を 雨の大阪 思い出よりも すがる あなたの情が欲しい ひとりぼっちの 濡れて堂島 ああ おんな道 |
ひとり旅立ち赤い鞄には手書きの譜面が ドレスの間に大切に入れてある おまえは愛がほしくないのか 声をふるわせあなたはとめた こんな私忘れて なにもかも捨ててゆく旅よ ひとり東京へ 外は荒海か夜汽車の窓から ふるさと灯りが遠くなる闇になる あなたに背くこの悲しみと 辛いわかれを歌ってゆくわ こんな私許して なにもかも捨ててゆく旅よ あなたしあわせに みはてぬ夢と泪を乗せて 嵐のなかを夜汽車は走る こんな私忘れて なにもかも捨ててゆく旅よ あなたしあわせに | 原田悠里 | 池田充男 | 伊藤雪彦 | | 赤い鞄には手書きの譜面が ドレスの間に大切に入れてある おまえは愛がほしくないのか 声をふるわせあなたはとめた こんな私忘れて なにもかも捨ててゆく旅よ ひとり東京へ 外は荒海か夜汽車の窓から ふるさと灯りが遠くなる闇になる あなたに背くこの悲しみと 辛いわかれを歌ってゆくわ こんな私許して なにもかも捨ててゆく旅よ あなたしあわせに みはてぬ夢と泪を乗せて 嵐のなかを夜汽車は走る こんな私忘れて なにもかも捨ててゆく旅よ あなたしあわせに |
氷見の雪能登から涙が 追いかけて 氷見(ひみ)の港で 雪になる 愛の名残りは この掌(て)の中に 大事に包んで いるけれど 寒すぎますよ おんな独りは 一緒について 行きたかった 今では漁り火 見えなくて 氷見はひっそり 白い色 恋の火をつけ 炎(も)やしておいて 男のひとって 無情(つみ)ですね 死にたいほどの こんな切なさ あのひと知って いるのでしょうか この海吹雪(ふぶ)けば あのひとは 氷見へ戻って 来るかしら それが幻想(ゆめ)だと 判っていても 忘れはできない おんなです 一筋眉を 強く引いたら 明日は春が くるでしょうか | 原田悠里 | つじ伸一 | 岸本健介 | | 能登から涙が 追いかけて 氷見(ひみ)の港で 雪になる 愛の名残りは この掌(て)の中に 大事に包んで いるけれど 寒すぎますよ おんな独りは 一緒について 行きたかった 今では漁り火 見えなくて 氷見はひっそり 白い色 恋の火をつけ 炎(も)やしておいて 男のひとって 無情(つみ)ですね 死にたいほどの こんな切なさ あのひと知って いるのでしょうか この海吹雪(ふぶ)けば あのひとは 氷見へ戻って 来るかしら それが幻想(ゆめ)だと 判っていても 忘れはできない おんなです 一筋眉を 強く引いたら 明日は春が くるでしょうか |
秘恋泥にまみれて 咲いても花よ まして命を かけた恋 なにが幸せ 不幸せ あなたに抱かれりゃ あたたかい 天(そら)に冴(さ)え冴(ざ)え 青い月 ひそかに ひそかに 降り注ぐ 罪に問われて 縛られようと 誰も心は 縛れない 風がふるえる こんな夜(よ)は 泣かせてください おもいきり 生きる望みを くれるよに ひそかに ひそかに 雪が舞う 明日(あす)のゆくえを たずねるなんて あなた困らす だけのこと いいのこの世の さだめ川 覚悟を決めた ふたりなら 紅(あか)い絆で 編んだ舟 ひそかに ひそかに 流れ行(ゆ)く | 原田悠里 | 石原信一 | 岡千秋 | 伊戸のりお | 泥にまみれて 咲いても花よ まして命を かけた恋 なにが幸せ 不幸せ あなたに抱かれりゃ あたたかい 天(そら)に冴(さ)え冴(ざ)え 青い月 ひそかに ひそかに 降り注ぐ 罪に問われて 縛られようと 誰も心は 縛れない 風がふるえる こんな夜(よ)は 泣かせてください おもいきり 生きる望みを くれるよに ひそかに ひそかに 雪が舞う 明日(あす)のゆくえを たずねるなんて あなた困らす だけのこと いいのこの世の さだめ川 覚悟を決めた ふたりなら 紅(あか)い絆で 編んだ舟 ひそかに ひそかに 流れ行(ゆ)く |
ビロードの夢眠れないほど 悲しい夜に あなたの歌で 励まされた そんな想い出 持ってる人が 今の私の心の友 虹の彼方は どうですか 光の雲に 包まれますか 歌こそ人生 そう言い切っていた Ah あなた あらためて ビロードの 声をありがとう 人に幸福 届ける人が 自分自身は 幸(さち)が薄い 夕鶴みたい 羽を抜き 身を細らせていたんですね 広がる空が 好きですか 優しい風と 遊んでますか 歌こそ生命(いのち)の その言葉通りの Ah あなた 何度でも ビロードの 夢をありがとう 夢をありがとう | 原田悠里 | 阿木燿子 | 原譲二 | | 眠れないほど 悲しい夜に あなたの歌で 励まされた そんな想い出 持ってる人が 今の私の心の友 虹の彼方は どうですか 光の雲に 包まれますか 歌こそ人生 そう言い切っていた Ah あなた あらためて ビロードの 声をありがとう 人に幸福 届ける人が 自分自身は 幸(さち)が薄い 夕鶴みたい 羽を抜き 身を細らせていたんですね 広がる空が 好きですか 優しい風と 遊んでますか 歌こそ生命(いのち)の その言葉通りの Ah あなた 何度でも ビロードの 夢をありがとう 夢をありがとう |
二人の春一人で生きると 心に決めて 涙をこらえて 歩いて来たわ つらい坂道 回り道 きっとあなたに 逢うために 生まれてきたの… 春が来ました 二人の春が 哀しい時には 泣いたらいいと 涙を優しく ぬぐってくれた 肩の荷物も 幸せも きっとあなたと 分け合えば 乗り越えられる… 春が来ました 私の春が 袂(たもと)に隠した 女の夢が 涙の分だけ 大きく咲いた 寒い雪道 いばら道 きっとあなたと 一緒なら 明日は晴れる… 春が来ました 二人の春が 春が来ました 二人の春が | 原田悠里 | 伊藤美和 | 徳久広司 | 前田俊明 | 一人で生きると 心に決めて 涙をこらえて 歩いて来たわ つらい坂道 回り道 きっとあなたに 逢うために 生まれてきたの… 春が来ました 二人の春が 哀しい時には 泣いたらいいと 涙を優しく ぬぐってくれた 肩の荷物も 幸せも きっとあなたと 分け合えば 乗り越えられる… 春が来ました 私の春が 袂(たもと)に隠した 女の夢が 涙の分だけ 大きく咲いた 寒い雪道 いばら道 きっとあなたと 一緒なら 明日は晴れる… 春が来ました 二人の春が 春が来ました 二人の春が |
ほろり酒倖せだったら 女がひとり 手酌で飲んだり してないわ 雨降る夜の 屋台村 本気で惚れても 別れたら 未練をあなたは くれるだけ 涙がほろり ほろりほろほろ ほろり酒 あなたを忘れる お酒があれば 飲ませて下さい 今すぐに いいことばかり 想い出す 二人で暮らした 二年半 恋しさつぎたす 夢もよう 涙がほろり ほろりほろほろ ほろり酒 あなたのなの字を しの字に変えて あしたと小窓に 書いてみる 夜ふけて外は 雨あがり 愛した心の 残り火を 吹き消しましょうと ひとり言 涙がほろり ほろりほろほろ ほろり酒 | 原田悠里 | 鈴木紀代 | 加藤将貫 | 南郷達也 | 倖せだったら 女がひとり 手酌で飲んだり してないわ 雨降る夜の 屋台村 本気で惚れても 別れたら 未練をあなたは くれるだけ 涙がほろり ほろりほろほろ ほろり酒 あなたを忘れる お酒があれば 飲ませて下さい 今すぐに いいことばかり 想い出す 二人で暮らした 二年半 恋しさつぎたす 夢もよう 涙がほろり ほろりほろほろ ほろり酒 あなたのなの字を しの字に変えて あしたと小窓に 書いてみる 夜ふけて外は 雨あがり 愛した心の 残り火を 吹き消しましょうと ひとり言 涙がほろり ほろりほろほろ ほろり酒 |
待ちぼうけ港小雪舞い散る 波止場に立てば 海の男の 香りがするの 甘い言葉と やさしさに 燃えてつくした 女がひとり 帰っておくれと 波間に呼べば 霧笛がポーッと 泣く港 噂だけでも 聞きたいからと 今日も来ました 小雨の港 何も言わずに 肩寄せて 縞(しま)のジャケット 背中にかけて 握った手と手の あの温もりを 忘れてないから 耐えられる 恋の炎は 消さずにいるの これも運命(さだめ)と 諦めながら どこへ飛ぶのか 海鳥ヨ 遠い彼方に 面影うかぶ も一度だけでも 逢いたいあなた 待ちぼうけ港は 風港 | 原田悠里 | 奥田龍司 | 原譲二 | 前田俊明 | 小雪舞い散る 波止場に立てば 海の男の 香りがするの 甘い言葉と やさしさに 燃えてつくした 女がひとり 帰っておくれと 波間に呼べば 霧笛がポーッと 泣く港 噂だけでも 聞きたいからと 今日も来ました 小雨の港 何も言わずに 肩寄せて 縞(しま)のジャケット 背中にかけて 握った手と手の あの温もりを 忘れてないから 耐えられる 恋の炎は 消さずにいるの これも運命(さだめ)と 諦めながら どこへ飛ぶのか 海鳥ヨ 遠い彼方に 面影うかぶ も一度だけでも 逢いたいあなた 待ちぼうけ港は 風港 |
水鏡桜映した 掘割りを 秋は紅葉が 朱に染める 耐えて忍んだ 春夏秋の めくる暦も ふたまわり あなた恋しい 今も直 夢もかけ足 水鏡 酔ってうたた寝 するあなた 今もこの目に 見え隠れ 染井吉野の 一輪ざしを 置いて重ねた 離れ茶屋 燃えてはかない おき土産 恋はうたかた 水鏡 帯を解く度 しめる度 目元濡らして でる涙 こんな日暮れは うらがなしくて 肌があなたを 恋しがる せめて唇 この胸に 夢はつれづれ 水鏡 | 原田悠里 | たきのえいじ | 弦哲也 | | 桜映した 掘割りを 秋は紅葉が 朱に染める 耐えて忍んだ 春夏秋の めくる暦も ふたまわり あなた恋しい 今も直 夢もかけ足 水鏡 酔ってうたた寝 するあなた 今もこの目に 見え隠れ 染井吉野の 一輪ざしを 置いて重ねた 離れ茶屋 燃えてはかない おき土産 恋はうたかた 水鏡 帯を解く度 しめる度 目元濡らして でる涙 こんな日暮れは うらがなしくて 肌があなたを 恋しがる せめて唇 この胸に 夢はつれづれ 水鏡 |
みちのく雪灯り雪また雪にみちのくは 暮れてわらべのはしゃぐ声 帰りたいあの頃に かまくらのともしびは 故郷の恋あかり夢あかり 花くれないにくちびるを 染めて恥じらう綿帽子 帰りたいあのひとに 嫁ぐ日を待ちわびた 遠い日のぬくもりは今どこに 風凍てついて哭く夜も 春は心の中にいる 帰りたいあの町に 哀しみを埋めながら 故郷に雪が降る夢が降る | 原田悠里 | やしろよう | 三木たかし | 前田俊明 | 雪また雪にみちのくは 暮れてわらべのはしゃぐ声 帰りたいあの頃に かまくらのともしびは 故郷の恋あかり夢あかり 花くれないにくちびるを 染めて恥じらう綿帽子 帰りたいあのひとに 嫁ぐ日を待ちわびた 遠い日のぬくもりは今どこに 風凍てついて哭く夜も 春は心の中にいる 帰りたいあの町に 哀しみを埋めながら 故郷に雪が降る夢が降る |
港町シネマ港桟橋 埋め尽くし 雪がしんしん 降るばかり 心細さは 誰のせい 肌の寒さは 誰のせい あなた私が みえますか ひとり淋(さみ)しい 港町シネマ 琥珀色した バーボンを 飲めば心に 沁みてくる 逢うは別れの 始めとか ひとり我が身を なだめても 夢の続きを 捨てきれず あなた浮かべる 港町シネマ 船の汽笛と ブルースが 何故(なぜ)かあなたに 似合ってた やがて波止場に 灯(ひ)が点(とも)り ゆれて切ない 帯(おび)になる せめて私を 一夜(ひとよ)でも 抱いて寝かせて 港町シネマ 港町シネマ | 原田悠里 | たきのえいじ | 弦哲也 | | 港桟橋 埋め尽くし 雪がしんしん 降るばかり 心細さは 誰のせい 肌の寒さは 誰のせい あなた私が みえますか ひとり淋(さみ)しい 港町シネマ 琥珀色した バーボンを 飲めば心に 沁みてくる 逢うは別れの 始めとか ひとり我が身を なだめても 夢の続きを 捨てきれず あなた浮かべる 港町シネマ 船の汽笛と ブルースが 何故(なぜ)かあなたに 似合ってた やがて波止場に 灯(ひ)が点(とも)り ゆれて切ない 帯(おび)になる せめて私を 一夜(ひとよ)でも 抱いて寝かせて 港町シネマ 港町シネマ |
身の上話お店のママさんに 言われたわ たまには明るい歌でも 唄ったらって でも心にしみるの 女心の悲しい節が 誰にも一度は覚えのありそ な 筋書きだけど まァ聴いて下さい しんみりと 死ぬ程愛して 捨てられて 生きるあてない 女の身の上話 馴じみの兄さんに 言われたわ そんなに飲むのはおよしよ 体に悪いって だめ優しくしないで 別れたあの人思い出すから どこにも落ちてる男と女の さだめだけれど まァ聴いて下さい 泣き言を 命の限りに 尽くしても 帰らなかった 涙の恋物語り スナックのマスターに 言われたわ 死んだつもりでもう一度 やり直したらって あゝいくつもころんで ころんで流した女の涙 誰かが言ってた逢うのは 別れのはじめだなんて まァ聴いて下さい 愚痴だけど どんなに一途に愛しても 恋の終わりは 悲しくはかないものね | 原田悠里 | 本郷志保・補作詞吉田玲子 | 松島道男 | | お店のママさんに 言われたわ たまには明るい歌でも 唄ったらって でも心にしみるの 女心の悲しい節が 誰にも一度は覚えのありそ な 筋書きだけど まァ聴いて下さい しんみりと 死ぬ程愛して 捨てられて 生きるあてない 女の身の上話 馴じみの兄さんに 言われたわ そんなに飲むのはおよしよ 体に悪いって だめ優しくしないで 別れたあの人思い出すから どこにも落ちてる男と女の さだめだけれど まァ聴いて下さい 泣き言を 命の限りに 尽くしても 帰らなかった 涙の恋物語り スナックのマスターに 言われたわ 死んだつもりでもう一度 やり直したらって あゝいくつもころんで ころんで流した女の涙 誰かが言ってた逢うのは 別れのはじめだなんて まァ聴いて下さい 愚痴だけど どんなに一途に愛しても 恋の終わりは 悲しくはかないものね |
無情の波止場むせぶ汽笛を おきざりに あなたの船が出る 雨の桟橋 一人立てば なにもかすんで見えない 行くなと胸に すがりつき 泣けばよかったの 涙 涙 涙 あゝ枯れても 待っていますと 叫ぶ声 無情の波止場 人にかくれた 暮らしでも 命の春でした 甘い言葉も 海の彼方 みんな消えてく幻 別れがいつか 来るようで 心おびえてた 涙 涙 涙 あゝちぎれて 白いかもめに なれたなら 無情の波止場 恋は儚い さだめだと いまさら知るなんて 雨の燈台 遥か遠く にじむ灯りが哀しい あなたと二人 海峡を 越えてみたかった 涙 涙 涙 あゝ凍えて 夢を散らした 雪になる 無情の波止場 | 原田悠里 | 石原信一 | 岡千秋 | 伊戸のりお | むせぶ汽笛を おきざりに あなたの船が出る 雨の桟橋 一人立てば なにもかすんで見えない 行くなと胸に すがりつき 泣けばよかったの 涙 涙 涙 あゝ枯れても 待っていますと 叫ぶ声 無情の波止場 人にかくれた 暮らしでも 命の春でした 甘い言葉も 海の彼方 みんな消えてく幻 別れがいつか 来るようで 心おびえてた 涙 涙 涙 あゝちぎれて 白いかもめに なれたなら 無情の波止場 恋は儚い さだめだと いまさら知るなんて 雨の燈台 遥か遠く にじむ灯りが哀しい あなたと二人 海峡を 越えてみたかった 涙 涙 涙 あゝ凍えて 夢を散らした 雪になる 無情の波止場 |
むらさき小唄(歌謡浪曲入り)流す涙が お芝居ならば 何の苦労も あるまいに 濡れて燕(つばめ)の 泣く声は あわれ浮名の 女形 (歌謡浪曲) 「お江戸の夜の 紫は 色もゆかりの 花川戸 助六さんに たてた義理 主(ぬし)に血道(ちみち)を揚げ巻きは 花形 中村 雪之丞 叩く涙の 牡丹刷毛」 (セリフ) 「浪路様 おこころざし嬉しゅうは存じますれど、 雪之丞めがお伝葉に従わぬは、 共に天を載かぬ、あなたと私の運命(さだめ)ゆえ、 お許しなされてくださりませ、 どうにもならぬ、 長崎以来の因縁でござりまする」 嘘か真(まこと)か 偽(にせ)むらさきか 男心を 誰か知る 散るも散らぬも 人の世の 命さびしや 薄ぼたん (セリフ) 「浪路様 こりや何ゆえのご生涯、 たとえこの世で添えずとも、 未来できっと、 添い遂げましょう」 | 原田悠里 | 佐藤惣之助 | 阿部武雄 | | 流す涙が お芝居ならば 何の苦労も あるまいに 濡れて燕(つばめ)の 泣く声は あわれ浮名の 女形 (歌謡浪曲) 「お江戸の夜の 紫は 色もゆかりの 花川戸 助六さんに たてた義理 主(ぬし)に血道(ちみち)を揚げ巻きは 花形 中村 雪之丞 叩く涙の 牡丹刷毛」 (セリフ) 「浪路様 おこころざし嬉しゅうは存じますれど、 雪之丞めがお伝葉に従わぬは、 共に天を載かぬ、あなたと私の運命(さだめ)ゆえ、 お許しなされてくださりませ、 どうにもならぬ、 長崎以来の因縁でござりまする」 嘘か真(まこと)か 偽(にせ)むらさきか 男心を 誰か知る 散るも散らぬも 人の世の 命さびしや 薄ぼたん (セリフ) 「浪路様 こりや何ゆえのご生涯、 たとえこの世で添えずとも、 未来できっと、 添い遂げましょう」 |
雪割草遅い春でも根雪は溶ける 冬の寒さに耐えて咲く 雪割草は私の花よ 暗い谷間のせせらぎを 聞いて咲く日を夢にみる 梅や桜の派手さはないが そっと咲きたい山の蔭 雪割草は私の願い 秘めた愛ならあの人に 咲いて想いを届けたい 春を招いて小さな花を 咲かす命の愛らしさ 雪割草は私のこころ 夢をささやく花びらに 愛の運命をたくしたい | 原田悠里 | 石本美由起 | 三木たかし | | 遅い春でも根雪は溶ける 冬の寒さに耐えて咲く 雪割草は私の花よ 暗い谷間のせせらぎを 聞いて咲く日を夢にみる 梅や桜の派手さはないが そっと咲きたい山の蔭 雪割草は私の願い 秘めた愛ならあの人に 咲いて想いを届けたい 春を招いて小さな花を 咲かす命の愛らしさ 雪割草は私のこころ 夢をささやく花びらに 愛の運命をたくしたい |
湯島の白梅(歌謡浪曲入り)湯島通れば 思い出す お蔦主税(つたちから)の 心意気 知るや白梅 玉垣(たまがき)に のこる二人の 影法師(かげほうし) (セリフ) 「えッ 別れろって… 早瀬さん、別れろ切れろは、 芸者のときにいうものよ、 私(あたし)にゃ死ねと云(い)って下さいな、 蔦には蔦には枯れろと、 おっしゃいましな…」 (歌謡浪曲) 「すべて いうのじゃ ありません 未練でいうのじゃ ありません いとしい夫の ためならば 死ぬよりつらいことだとて 女房が聞かれぬ わけはない それを聞かなきゃ 早瀬さん 婦(おんな)の系図(けいず)に 傷がつく」 (セリフ) 「お蔦、すまん許してくれ せめて最後に好きな我がままを 云ってくれ」 「はい、じゃ、手を引いて」 青い瓦斯燈(ガスとう) 境内(けいだい)を 出れば本郷 切通(きりどお)し あかぬ別れの 中空に 鐘は墨絵(すみえ)の 上野山 | 原田悠里 | 佐伯孝夫 | 清水保雄 | | 湯島通れば 思い出す お蔦主税(つたちから)の 心意気 知るや白梅 玉垣(たまがき)に のこる二人の 影法師(かげほうし) (セリフ) 「えッ 別れろって… 早瀬さん、別れろ切れろは、 芸者のときにいうものよ、 私(あたし)にゃ死ねと云(い)って下さいな、 蔦には蔦には枯れろと、 おっしゃいましな…」 (歌謡浪曲) 「すべて いうのじゃ ありません 未練でいうのじゃ ありません いとしい夫の ためならば 死ぬよりつらいことだとて 女房が聞かれぬ わけはない それを聞かなきゃ 早瀬さん 婦(おんな)の系図(けいず)に 傷がつく」 (セリフ) 「お蔦、すまん許してくれ せめて最後に好きな我がままを 云ってくれ」 「はい、じゃ、手を引いて」 青い瓦斯燈(ガスとう) 境内(けいだい)を 出れば本郷 切通(きりどお)し あかぬ別れの 中空に 鐘は墨絵(すみえ)の 上野山 |
夢ひとすじこの俺捨てて 行くのかと 言われて泣いた 故郷(ふるさと)の駅 返す言葉も ないままに 薄い切符を 抱きしめた 女の 女の 幸せよりも 夢を選んだ 私です 城跡(しろあと)残る あの町で 暮らす約束 していたものを 女心の わがままを 詫びて見上げる 夜の空 あなたの あなたの 優しさよりも 夢を選んだ 私です 都会の雨の 冷たさに 夢が凍えて また遠くなる たとえどんなに つらくても 負けはしません 負けないわ 女の 女の 幸せよりも 夢を選んだ 私です | 原田悠里 | 麻こよみ | 九条遙 | | この俺捨てて 行くのかと 言われて泣いた 故郷(ふるさと)の駅 返す言葉も ないままに 薄い切符を 抱きしめた 女の 女の 幸せよりも 夢を選んだ 私です 城跡(しろあと)残る あの町で 暮らす約束 していたものを 女心の わがままを 詫びて見上げる 夜の空 あなたの あなたの 優しさよりも 夢を選んだ 私です 都会の雨の 冷たさに 夢が凍えて また遠くなる たとえどんなに つらくても 負けはしません 負けないわ 女の 女の 幸せよりも 夢を選んだ 私です |
若狭の月おもかげは 青い月 心にゆらゆら 浮かびます 若狭 つねがみ 水月湖(すいげつこ) ここまで来たのに 想い切れない… 本気になっては いけないひとと 知っていました 初めから ひとり注(つ)ぐ 盃(さかずき)は お酒の色した 涙です 若狭 ざんざの 波しぶき 私を流して 深い海まで… このまま死んだら いい記憶(こと)だけを 抱いて天(そら)まで 行(ゆ)けますか 虹色の 夢なんか 見られるでしょうか 万華鏡 若狭 つねがみ 終(つい)の郷(さと) 残り火燃やして 紅く咲きたい… あのひと不倖に ならないように 月にあしたも 祈ります | 原田悠里 | つじ伸一 | 岸本健介 | 前田俊明 | おもかげは 青い月 心にゆらゆら 浮かびます 若狭 つねがみ 水月湖(すいげつこ) ここまで来たのに 想い切れない… 本気になっては いけないひとと 知っていました 初めから ひとり注(つ)ぐ 盃(さかずき)は お酒の色した 涙です 若狭 ざんざの 波しぶき 私を流して 深い海まで… このまま死んだら いい記憶(こと)だけを 抱いて天(そら)まで 行(ゆ)けますか 虹色の 夢なんか 見られるでしょうか 万華鏡 若狭 つねがみ 終(つい)の郷(さと) 残り火燃やして 紅く咲きたい… あのひと不倖に ならないように 月にあしたも 祈ります |