三条へ行かなくちゃ三条へ行かなくちゃ 三条堺町のイノダっていう コーヒー屋へね あの娘に逢いに なに好きなコーヒーを 少しばかり | 小室等 | 高田渡 | 高田渡 | | 三条へ行かなくちゃ 三条堺町のイノダっていう コーヒー屋へね あの娘に逢いに なに好きなコーヒーを 少しばかり |
三途川ロックここは地獄の一丁目 三途の河の舟の上 彼は誰どきを振り返る 死出の山道 その果ての 夕焼け火事の沙婆世界 なつかしいとも したわしいとも 生まれかわり 死にかわり 煩悩の血のりにぬめり 色欲の火むらにあえぎ のたうちたしや のたうちたしや 百万遍 | 小室等 | 高橋陸郎 | 小室等 | | ここは地獄の一丁目 三途の河の舟の上 彼は誰どきを振り返る 死出の山道 その果ての 夕焼け火事の沙婆世界 なつかしいとも したわしいとも 生まれかわり 死にかわり 煩悩の血のりにぬめり 色欲の火むらにあえぎ のたうちたしや のたうちたしや 百万遍 |
詩人とつばめまどべに よりそう 影ふたつ ツバメとぼくと いつも 暮らしてた パンを焼き 花をかざり 歌い ものがたりのように 暮らしてた バイバイ 小さな丸い目よ お前は 高く 飛んでゆけ 春がゆき 夏もすぎて 今は ふたりだけの 部屋に 秋が来た かざりも おせじもなく 生きて 幸せだった時を ありがとう バイバイ 小さな丸い目よ お前は 高く 飛んでゆけ バイバイ カバンを 肩にかけ ぼくは ひとり 船に乗る | 小室等 | 若谷和子 | 小室等 | 乾裕樹 | まどべに よりそう 影ふたつ ツバメとぼくと いつも 暮らしてた パンを焼き 花をかざり 歌い ものがたりのように 暮らしてた バイバイ 小さな丸い目よ お前は 高く 飛んでゆけ 春がゆき 夏もすぎて 今は ふたりだけの 部屋に 秋が来た かざりも おせじもなく 生きて 幸せだった時を ありがとう バイバイ 小さな丸い目よ お前は 高く 飛んでゆけ バイバイ カバンを 肩にかけ ぼくは ひとり 船に乗る |
詩人の死あなたはもういない 立ち去ったのではない 連れ去られたのでもない 人間をやめただけ 八月のあの炎天下 プラカードを掲げながら 国民でも人民でも市民でもなかった詩人 ただの自分でしかなかったあなた あなたを読むことができる 否定することもできる でももう傷つけることができない 思い出へと追いやらずに私は生き続ける ただひとりのあなたとともに 大勢の呟きと合唱と怒声に逆らって | 小室等 | 谷川俊太郎 | 小室等 | | あなたはもういない 立ち去ったのではない 連れ去られたのでもない 人間をやめただけ 八月のあの炎天下 プラカードを掲げながら 国民でも人民でも市民でもなかった詩人 ただの自分でしかなかったあなた あなたを読むことができる 否定することもできる でももう傷つけることができない 思い出へと追いやらずに私は生き続ける ただひとりのあなたとともに 大勢の呟きと合唱と怒声に逆らって |
賞状勤続十年の賞状を はげた頭の 会長とやらから 頭上高く 差し上げられた時 俺のつらから 涙があふれた 俺の背中で 俺が笑う ケラケラ 俺が笑う 向学に燃えた 少年の心を 引き裂くように 裸行李 一つ 母の顔を見ずに 雪の夜道を兄と歩いた 男なら志を立てよ 十年辛抱しろ 十五もちがう 兄の言葉に やっとの心で 涙を押えた その日からの 俺の ふるさとは 俺の心に はいった 金に困りたくない そんなちっぽけな気持を 向学心にかえて 持ち続けた 胸を突きさす 陽の道を 肌をも凍てる 夜寒の道を 身をかたよらせ 出前を運んだ 幾年も 年は過ぎても 俺の心に 正月の やって来たのは 幾度 幾度だったか はげた頭の 会長とやらの 「右の者は店員の 模範として……」 大きな声が 俺の背中に つんつんしみる | 小室等 | 滝沢耕平 | 小室等 | | 勤続十年の賞状を はげた頭の 会長とやらから 頭上高く 差し上げられた時 俺のつらから 涙があふれた 俺の背中で 俺が笑う ケラケラ 俺が笑う 向学に燃えた 少年の心を 引き裂くように 裸行李 一つ 母の顔を見ずに 雪の夜道を兄と歩いた 男なら志を立てよ 十年辛抱しろ 十五もちがう 兄の言葉に やっとの心で 涙を押えた その日からの 俺の ふるさとは 俺の心に はいった 金に困りたくない そんなちっぽけな気持を 向学心にかえて 持ち続けた 胸を突きさす 陽の道を 肌をも凍てる 夜寒の道を 身をかたよらせ 出前を運んだ 幾年も 年は過ぎても 俺の心に 正月の やって来たのは 幾度 幾度だったか はげた頭の 会長とやらの 「右の者は店員の 模範として……」 大きな声が 俺の背中に つんつんしみる |
死んだ男の残したものは死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子ども 他には何も残さなかった 墓石ひとつ残さなかった 死んだ女の残したものは しおれた花とひとりの子ども 他には何も残さなかった 着もの一枚残さなかった 死んだ子どもの残したものは ねじれた脚と乾いた涙 他には何も残さなかった 思い出ひとつ残さなかった 死んだ兵士の残したものは こわれた銃とゆがんだ地球 他には何も残せなかった 平和ひとつ残せなかった 死んだかれらの残したものは 生きてるわたし生きてるあなた 他には誰も残っていない 他には誰も残っていない 死んだ歴史の残したものは 輝く今日とまた来る明日 他には何も残っていない 他には何も残っていない | 小室等 | 谷川俊太郎 | 武満徹 | | 死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子ども 他には何も残さなかった 墓石ひとつ残さなかった 死んだ女の残したものは しおれた花とひとりの子ども 他には何も残さなかった 着もの一枚残さなかった 死んだ子どもの残したものは ねじれた脚と乾いた涙 他には何も残さなかった 思い出ひとつ残さなかった 死んだ兵士の残したものは こわれた銃とゆがんだ地球 他には何も残せなかった 平和ひとつ残せなかった 死んだかれらの残したものは 生きてるわたし生きてるあなた 他には誰も残っていない 他には誰も残っていない 死んだ歴史の残したものは 輝く今日とまた来る明日 他には何も残っていない 他には何も残っていない |
死んでから死んでからもうずいぶんたつ 痛かった思い出が死後はむず痒くなった 私という存在が何かに紛れてゆくが その何かを呼びたくとも 言葉はもう意味をなさない 見えてはいないのに青空が身近だ 生きていた頃はなにかと騒がしかったが いまは静かになった 前は聞こえなかった音が聞こえる どこか遠くでオーケストラが調弦している と思ったらそれは虹の音だった 私の骨は粉になったらしい それを海に撒き散らしたらしい 私の好みでは草原でもよかったのだが 老いては子に従えと格言は言う これから何が起きるのか もう何も起こらないのか もうちょっと死んでみないと分からない 私は良い人間だっただろうか もうおそいかもしれないが考えてしまう 死んでからも魂は忙しい | 小室等 | 谷川俊太郎 | 小室等 | | 死んでからもうずいぶんたつ 痛かった思い出が死後はむず痒くなった 私という存在が何かに紛れてゆくが その何かを呼びたくとも 言葉はもう意味をなさない 見えてはいないのに青空が身近だ 生きていた頃はなにかと騒がしかったが いまは静かになった 前は聞こえなかった音が聞こえる どこか遠くでオーケストラが調弦している と思ったらそれは虹の音だった 私の骨は粉になったらしい それを海に撒き散らしたらしい 私の好みでは草原でもよかったのだが 老いては子に従えと格言は言う これから何が起きるのか もう何も起こらないのか もうちょっと死んでみないと分からない 私は良い人間だっただろうか もうおそいかもしれないが考えてしまう 死んでからも魂は忙しい |
しーんしずかなのがいい おおごえはききたくない でもかみなりはきらいじゃない しずかなのがいい せかせかはすきじゃない おっとりしてるとほっとする しずかなのがいい げらげらわらうのもわるくないけど にこにこのほうがおちつく しずかなのがいい ばくはつのおとはききたくない ひめいもうめきごえも しずかなのがいい そよかぜがふいてきて ふうりんがなったりするのがすき しずかなのがいい いびきもおならもねごともかわいいけど しーんとしたほしぞらにはかなわない | 小室等 | 谷川俊太郎 | 小室等 | | しずかなのがいい おおごえはききたくない でもかみなりはきらいじゃない しずかなのがいい せかせかはすきじゃない おっとりしてるとほっとする しずかなのがいい げらげらわらうのもわるくないけど にこにこのほうがおちつく しずかなのがいい ばくはつのおとはききたくない ひめいもうめきごえも しずかなのがいい そよかぜがふいてきて ふうりんがなったりするのがすき しずかなのがいい いびきもおならもねごともかわいいけど しーんとしたほしぞらにはかなわない |
12階建てのバスどこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる あれは昨晩おそく 彼女に会いたくなった だから会いに行った 彼女は明るく言った あたしに何ができるの おしえてほしい 私達は花火のようになった どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる 今朝 いつもの時間に 私は新聞を読んでいた 電話のベルがなった やさしい彼女からだった そっとしておいてほしい さようなら 私はなんにも答えなかった どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる 午後はコーヒーを入れて 数枚の手紙をかいた きのうのことや 今日のことや 彼女にこう書いてやった こんにちは 君は美しい それから私は街をでた どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる 知ってる人や知らない人 色んな人が乗っている 12階建てのバスが 12階建てのバスが 12階建てのバスが 12階建てのバスが バスがやってくる バスがやってくる | 小室等 | 小島武 | 小室等 | | どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる あれは昨晩おそく 彼女に会いたくなった だから会いに行った 彼女は明るく言った あたしに何ができるの おしえてほしい 私達は花火のようになった どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる 今朝 いつもの時間に 私は新聞を読んでいた 電話のベルがなった やさしい彼女からだった そっとしておいてほしい さようなら 私はなんにも答えなかった どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる 午後はコーヒーを入れて 数枚の手紙をかいた きのうのことや 今日のことや 彼女にこう書いてやった こんにちは 君は美しい それから私は街をでた どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる 知ってる人や知らない人 色んな人が乗っている 12階建てのバスが 12階建てのバスが 12階建てのバスが 12階建てのバスが バスがやってくる バスがやってくる |
12月のうた熊は もう 眠りました 栗鼠も うつら うつら 土も木々も 大きな眠りに はいりました ふと 思い出したように 声のない 子守唄 それは こな雪 ぼたん雪 師も走る などと言って 人間だけが息つくひまなく 動きまわり 忙がしさと ひきかえに 大切なものを ポトポトと落して行きます | 小室等 | 茨木のり子 | 小室等 | | 熊は もう 眠りました 栗鼠も うつら うつら 土も木々も 大きな眠りに はいりました ふと 思い出したように 声のない 子守唄 それは こな雪 ぼたん雪 師も走る などと言って 人間だけが息つくひまなく 動きまわり 忙がしさと ひきかえに 大切なものを ポトポトと落して行きます |
すきになるとすきになるのがぼくはすき だれかがぼくをきらいでも ぼくはだれかをすきでいたい すきなきもちがつよければ きらわれたってすきでいられる なにかをすきになるのもぼくはすき すきになるともっとそれをしりたくなる しればしるほどおもしろくなる それがうつくしいとおもえてくる それがそこにあるのがふしぎなきもち だれかをなにかをすきになると こころとからだがあったかくなる かなしいこともわすれてしまう だれともけんかをしたくなくなる すきなきもちがぼくはすき | 小室等 | 谷川俊太郎 | 小室等 | | すきになるのがぼくはすき だれかがぼくをきらいでも ぼくはだれかをすきでいたい すきなきもちがつよければ きらわれたってすきでいられる なにかをすきになるのもぼくはすき すきになるともっとそれをしりたくなる しればしるほどおもしろくなる それがうつくしいとおもえてくる それがそこにあるのがふしぎなきもち だれかをなにかをすきになると こころとからだがあったかくなる かなしいこともわすれてしまう だれともけんかをしたくなくなる すきなきもちがぼくはすき |
その日-August6苦しみという名で 呼ぶことすらできぬ苦しみが あなたの皮膚から内臓へ 内臓からこころへ こころから私が決して 行き着くことのできぬ深みへと 歴史を貫いていまも疼きつづける その日私はそこにいなかった 今日 子どもたちの 傷ひとつない皮膚が その日と同じ太陽に輝き 焼けただれた土を養分に 木々の緑が夏を歌う 記憶は無数の文字の上で 鮮度を失いかけている その日私はそこにいなかった 私はただ信じるしかない 怒りと痛みと悲しみの土壌にも 喜びは芽生えると 死によってさえ癒されぬ傷も いのちを滅ぼすことはないと その日はいつまでも 今日でありつづけると | 小室等 | 谷川俊太郎 | 小室等 | | 苦しみという名で 呼ぶことすらできぬ苦しみが あなたの皮膚から内臓へ 内臓からこころへ こころから私が決して 行き着くことのできぬ深みへと 歴史を貫いていまも疼きつづける その日私はそこにいなかった 今日 子どもたちの 傷ひとつない皮膚が その日と同じ太陽に輝き 焼けただれた土を養分に 木々の緑が夏を歌う 記憶は無数の文字の上で 鮮度を失いかけている その日私はそこにいなかった 私はただ信じるしかない 怒りと痛みと悲しみの土壌にも 喜びは芽生えると 死によってさえ癒されぬ傷も いのちを滅ぼすことはないと その日はいつまでも 今日でありつづけると |
黙って黙っていたい 木のように 黙っていたい 蟻のように 黙っていたい 空のように ただ聞くだけ 風を 川音を 人の沈黙を 幼子の 笑い声を 黙っている 花々とともに 一枚の白紙とともに 動きやまない 雲を追って 今 | 小室等 | 谷川俊太郎 | 小室等 | | 黙っていたい 木のように 黙っていたい 蟻のように 黙っていたい 空のように ただ聞くだけ 風を 川音を 人の沈黙を 幼子の 笑い声を 黙っている 花々とともに 一枚の白紙とともに 動きやまない 雲を追って 今 |
翼風よ雲よ光よ 夢をはこぶ翼 遥かなる空に描く 希望という字を 人は夢見 旅して いつか空を飛ぶ 風よ雲よ光よ 夢を運ぶ翼 遥かなる空に描く 自由という字を | 小室等 | 武満徹 | 武満徹 | | 風よ雲よ光よ 夢をはこぶ翼 遥かなる空に描く 希望という字を 人は夢見 旅して いつか空を飛ぶ 風よ雲よ光よ 夢を運ぶ翼 遥かなる空に描く 自由という字を |
デッドヒート全体 何が欲しいの 一体 何が欲しいの 街角のごみ箱あさって こねくりまわした おとぎ話 それとも 唇あわせて ぬりたくる嘘に嘘 またひとつ嘘が欲しいのかい? でも見ておくれ 僕のポケットからは もう もう何も 何も出てこない ぼくの頭は ディンドン ディンドン 逃げて追いかけて ディンドン ディンドン 全体 何が欲しいの 一体 何が欲しいの 覚めてくりかえす 昨日の夜の夢のつづき 3121、1234 (真夜中の扉の鍵の番号) 3212 (真夜中の扉の鍵の番号) 明日はどうにかなるだろうって でも見ておくれきっと ゼンマイがきれてるんだ 僕の時計はとまったきり 僕の頭は ディンドン ディンドン 逃げて追いかけて ディンドン ディンドン | 小室等 | 田槙道子 | 小室等 | | 全体 何が欲しいの 一体 何が欲しいの 街角のごみ箱あさって こねくりまわした おとぎ話 それとも 唇あわせて ぬりたくる嘘に嘘 またひとつ嘘が欲しいのかい? でも見ておくれ 僕のポケットからは もう もう何も 何も出てこない ぼくの頭は ディンドン ディンドン 逃げて追いかけて ディンドン ディンドン 全体 何が欲しいの 一体 何が欲しいの 覚めてくりかえす 昨日の夜の夢のつづき 3121、1234 (真夜中の扉の鍵の番号) 3212 (真夜中の扉の鍵の番号) 明日はどうにかなるだろうって でも見ておくれきっと ゼンマイがきれてるんだ 僕の時計はとまったきり 僕の頭は ディンドン ディンドン 逃げて追いかけて ディンドン ディンドン |
東京君ならどこへ行っても きっとうまくよれると そう 信じてるよ そして 東京 東京 僕は残るよ ここに 君 知っているだろう 僕の気持 だからなにも言わないね 最後の 最後まで 車のつづれ織り ぬければ もうすぐだよ 君を見送る そして 見送った空港 君ならどこへ行っても きっとうまくやれると そう 信じてるよ そして 東京 東京 僕は残るよ ここに サヨナラとコンニチハが こぼれそうな駅 もう 君の思いで楽しむ やわらかな影 人の流れの中 朝をみかけた この都会(マチ)を 捨てきれないのは なぜなんだろう 君ならどこへ行っても きっとうまくやれると そう 信じてるよ そして 東京 東京 僕は残るよ ここに | 小室等 | 白石ありす | 小室等 | | 君ならどこへ行っても きっとうまくよれると そう 信じてるよ そして 東京 東京 僕は残るよ ここに 君 知っているだろう 僕の気持 だからなにも言わないね 最後の 最後まで 車のつづれ織り ぬければ もうすぐだよ 君を見送る そして 見送った空港 君ならどこへ行っても きっとうまくやれると そう 信じてるよ そして 東京 東京 僕は残るよ ここに サヨナラとコンニチハが こぼれそうな駅 もう 君の思いで楽しむ やわらかな影 人の流れの中 朝をみかけた この都会(マチ)を 捨てきれないのは なぜなんだろう 君ならどこへ行っても きっとうまくやれると そう 信じてるよ そして 東京 東京 僕は残るよ ここに |
逃亡の河高いあの山への道 通い道 愛、愛 遠いふるさとの河 氾濫河(あばれかわ) 夢、夢 三つの顔をもつ俺たち 今日の寝ぐらはあの娘の胸 肩に背に乱れる山桜 高いあの山への道 通い道 雨、雨が降る 遠いふるさとの河 氾濫河(あばれがわ) 霧、霧にかすむ 明日にはぐれた俺たち 誰白波の無縁仏 風に風に揺れる母子草 明日にはぐれた俺たち 誰白波の無縁仏 風に風に揺れる母子草 | 小室等 | 田槙道子 | 小室等 | | 高いあの山への道 通い道 愛、愛 遠いふるさとの河 氾濫河(あばれかわ) 夢、夢 三つの顔をもつ俺たち 今日の寝ぐらはあの娘の胸 肩に背に乱れる山桜 高いあの山への道 通い道 雨、雨が降る 遠いふるさとの河 氾濫河(あばれがわ) 霧、霧にかすむ 明日にはぐれた俺たち 誰白波の無縁仏 風に風に揺れる母子草 明日にはぐれた俺たち 誰白波の無縁仏 風に風に揺れる母子草 |
遠い昔の春の日の遠い昔の春の日の れんげ咲く 田んぼのあぜに やわらかに 陽はふりそそぐ 女たちは笑っていた 男たちも笑っていた 草も木も石っころも カエルも笑っていた 腹を抱えて ころげまわって 涙流して 生きることの 喜びを笑っていた 遠い昔の春の日の あれは かげろう 遠い昔の春の日に もう帰れない ぼくは もう帰れない ぼくは あいつが笑っていた あいつも笑っていた あいつはどこへ行った あいつはどこへ消えた 大き過ぎる街の 暗すぎる夜の 夜の空に向って 笑って笑って笑って せいいっぱい笑ってみるのですが 遠い昔の春の日の 音は聞こえない | 小室等 | 伊東嘉雄 | 小室等 | | 遠い昔の春の日の れんげ咲く 田んぼのあぜに やわらかに 陽はふりそそぐ 女たちは笑っていた 男たちも笑っていた 草も木も石っころも カエルも笑っていた 腹を抱えて ころげまわって 涙流して 生きることの 喜びを笑っていた 遠い昔の春の日の あれは かげろう 遠い昔の春の日に もう帰れない ぼくは もう帰れない ぼくは あいつが笑っていた あいつも笑っていた あいつはどこへ行った あいつはどこへ消えた 大き過ぎる街の 暗すぎる夜の 夜の空に向って 笑って笑って笑って せいいっぱい笑ってみるのですが 遠い昔の春の日の 音は聞こえない |
都会の朝厚いガラスのむこうに 白い河のような高速道路 音を刻まない街のかなたに 今日がただ急ぐよ 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく 淋しいからこそ微笑み 始発のバスにゆられてみれば やがてざわめきとかわる街に やさしい人々がよみがえる 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく 赤錆びた橋の上をふたり 今日もわかれる人がいる 鳥は又いつか飛んでくるよ この空を見直したときに 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく | 小室等 | 白石ありす | 小室等 | | 厚いガラスのむこうに 白い河のような高速道路 音を刻まない街のかなたに 今日がただ急ぐよ 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく 淋しいからこそ微笑み 始発のバスにゆられてみれば やがてざわめきとかわる街に やさしい人々がよみがえる 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく 赤錆びた橋の上をふたり 今日もわかれる人がいる 鳥は又いつか飛んでくるよ この空を見直したときに 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく |
年輪・歯車ふとかれに出あって ふとキスされて ふとかれが好きになって ふとすばらしいとおもって ふとほほえんで ふと大きな声をあげて ふと未来を夢みて ふと美しい生活をはじめて ふと子どもに見とれて ふとかれの変化に気づいて ふと捨てられたことをしって ふと涙をながして ふとひとりぼっちになって ふと身よりをたずねて ふと顔のしわをみつめて ふと眼を閉じて 靴にありついて ほっとしたかと思うと そうズボンがぼろになっている ズボンがぼろに ズボンにありついて ほっとしたかと思うと 上着がぼろぼろになっている 上着がぼろぼろに 上着にありついて ほっとしたかと思うと そうもとに戻ってまた もとに戻ってまた ぼろ靴をひきづって ぼろ靴をひきづって ぼろ靴をひきづって 靴を探しまわっている ふとひとりぼっちになって ふと身よりをたずねて ふと顔のしわをみつめて ふと眼を閉じて | 小室等 | 有馬敲・山之口獏 | 高田渡 | | ふとかれに出あって ふとキスされて ふとかれが好きになって ふとすばらしいとおもって ふとほほえんで ふと大きな声をあげて ふと未来を夢みて ふと美しい生活をはじめて ふと子どもに見とれて ふとかれの変化に気づいて ふと捨てられたことをしって ふと涙をながして ふとひとりぼっちになって ふと身よりをたずねて ふと顔のしわをみつめて ふと眼を閉じて 靴にありついて ほっとしたかと思うと そうズボンがぼろになっている ズボンがぼろに ズボンにありついて ほっとしたかと思うと 上着がぼろぼろになっている 上着がぼろぼろに 上着にありついて ほっとしたかと思うと そうもとに戻ってまた もとに戻ってまた ぼろ靴をひきづって ぼろ靴をひきづって ぼろ靴をひきづって 靴を探しまわっている ふとひとりぼっちになって ふと身よりをたずねて ふと顔のしわをみつめて ふと眼を閉じて |
のみくらべサアサア皆さん集まって 飲み較べをしようじゃないか 飲み較べをしようじゃないか そこの酒場でやつぎばや 外は早足長雨地雨 私の心は最上川 あの娘の船を海送り 悲しいけれど海送り サアサア飲んで飲み較べ 飲んで飲んで飲み明かし どうだい升酒つぎ込んで グイッと一息いきますか グイッと一息いきますか あんたは強いと聞いてます 流しの音頭で長唄地唄 私は下手な別れ唄 あの娘の振り袖色ぼかし 恋のあやまち色ぼかし サアサア飲んで飲み較べ 飲んで飲んで飲み明かし | 小室等 | 白石ありす | 小室等 | | サアサア皆さん集まって 飲み較べをしようじゃないか 飲み較べをしようじゃないか そこの酒場でやつぎばや 外は早足長雨地雨 私の心は最上川 あの娘の船を海送り 悲しいけれど海送り サアサア飲んで飲み較べ 飲んで飲んで飲み明かし どうだい升酒つぎ込んで グイッと一息いきますか グイッと一息いきますか あんたは強いと聞いてます 流しの音頭で長唄地唄 私は下手な別れ唄 あの娘の振り袖色ぼかし 恋のあやまち色ぼかし サアサア飲んで飲み較べ 飲んで飲んで飲み明かし |
橋朝が橋をつくる 心ときめくひとときに ゆるやかな流れは 街をへだて始める 小さなころ見なれた 三角屋根の家並が ほんの少しばかり 姿をかえ河岸づたい たちどまる足元を いたずらな風が 誘うように吹きぬける あの橋わたれ あの橋わたれ 橋に出逢えば 旅がしたいなと 誰かのひとこと あの橋わたれ あの橋わたれ あの橋わたれ …… | 小室等 | 白石ありす | 小室等 | | 朝が橋をつくる 心ときめくひとときに ゆるやかな流れは 街をへだて始める 小さなころ見なれた 三角屋根の家並が ほんの少しばかり 姿をかえ河岸づたい たちどまる足元を いたずらな風が 誘うように吹きぬける あの橋わたれ あの橋わたれ 橋に出逢えば 旅がしたいなと 誰かのひとこと あの橋わたれ あの橋わたれ あの橋わたれ …… |
バラはあこがれ永遠の誓いにそむいた心が 君を捨ててゆくときも 隠しきれない悩みを誰にも 打ち明けられないときも バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 くらしに追われあちこちと街を さまよいあるくときも はらがへっておまけにおけらで 夜風がわびしいときも バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 冬が長すぎあしたに小さな 望みももてないときも ひえた心をあたためる為の 友達もいないときも バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 あなたが聞いてる僕のこの歌を あげましょうあなたに少し あなたのおもいに あなたのあこがれに 香りをつけましょうバラの バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 | 小室等 | 早川清至 | ジルベール・ベコ― | | 永遠の誓いにそむいた心が 君を捨ててゆくときも 隠しきれない悩みを誰にも 打ち明けられないときも バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 くらしに追われあちこちと街を さまよいあるくときも はらがへっておまけにおけらで 夜風がわびしいときも バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 冬が長すぎあしたに小さな 望みももてないときも ひえた心をあたためる為の 友達もいないときも バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 あなたが聞いてる僕のこの歌を あげましょうあなたに少し あなたのおもいに あなたのあこがれに 香りをつけましょうバラの バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 バラはあこがれバラはあこがれ バラは僕たちの夢 |
比叡おろし風は山から降りてくる レタスのかごをかかえて 唇はくびれていちご 遠い夜の街を越えて来たそうな うちは比叡おろしですねん あんさんの胸を 雪にしてしまいますえ 風は琵琶湖に落ちてくる 北山杉を下に見て 夕焼けはよそゆきマント 光る銀の靴をはいていたそうな うちは比叡おとしですねん あんさんの胸を 雪にしてしまいますえ 風は今夜も吹いている 死んでは駄目よといいながら さよならは小さなみぞれ そっと京都の闇に 捨てて来たそうな うちは比叡おろしですねん あんさんの胸を 雪にしてしまいますえ うちは比叡おとしですねん あんさんの胸を 雪にしてしまいますえ | 小室等 | 松岡正剛 | 松岡正剛 | | 風は山から降りてくる レタスのかごをかかえて 唇はくびれていちご 遠い夜の街を越えて来たそうな うちは比叡おろしですねん あんさんの胸を 雪にしてしまいますえ 風は琵琶湖に落ちてくる 北山杉を下に見て 夕焼けはよそゆきマント 光る銀の靴をはいていたそうな うちは比叡おとしですねん あんさんの胸を 雪にしてしまいますえ 風は今夜も吹いている 死んでは駄目よといいながら さよならは小さなみぞれ そっと京都の闇に 捨てて来たそうな うちは比叡おろしですねん あんさんの胸を 雪にしてしまいますえ うちは比叡おとしですねん あんさんの胸を 雪にしてしまいますえ |
独り立ちの歌遠い空が晴れた朝には 地平さして 鳥が飛ぶよ ふるい友よ 君にさよなら 雨の日には 手紙書くさ 涙をぬぐい 訪ねてゆこう はるかな空の まだ見ぬ あの人 長い夜の 夢に目覚めて 出かけようと心に決めた 遠い空が晴れた朝には いつもの山脈 ひときは高く | 小室等 | 田槙道子 | 小室等 | | 遠い空が晴れた朝には 地平さして 鳥が飛ぶよ ふるい友よ 君にさよなら 雨の日には 手紙書くさ 涙をぬぐい 訪ねてゆこう はるかな空の まだ見ぬ あの人 長い夜の 夢に目覚めて 出かけようと心に決めた 遠い空が晴れた朝には いつもの山脈 ひときは高く |
フライング山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 沙羅双樹の木蔭に憩う 老いたひとりの男に出会った 日暮れし里へのその道を聞けば 遠く指さし 静かに笑った 初めてぼくは知ったのさ 人の命の哀しさを 初めてぼくは知ったのさ 白く続く道の涯てを 山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 緑の樹々に陽はそそぐ 光りの中でぼくは飛ぶ 梢を渡って風が吹く 風の背中でぼくは走る 山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 石の温もり 夕べの市場 行き交う人々の賑わい 呼び声きいて 翼返せば 光と影がまどろんでいた 初めてぼくは知ったのさ 人の命のみじめさを 初めてぼくは知ったのさ 風と語る石の言葉 山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 | 小室等 | 田槙道子 | 小室等 | | 山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 沙羅双樹の木蔭に憩う 老いたひとりの男に出会った 日暮れし里へのその道を聞けば 遠く指さし 静かに笑った 初めてぼくは知ったのさ 人の命の哀しさを 初めてぼくは知ったのさ 白く続く道の涯てを 山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 緑の樹々に陽はそそぐ 光りの中でぼくは飛ぶ 梢を渡って風が吹く 風の背中でぼくは走る 山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 石の温もり 夕べの市場 行き交う人々の賑わい 呼び声きいて 翼返せば 光と影がまどろんでいた 初めてぼくは知ったのさ 人の命のみじめさを 初めてぼくは知ったのさ 風と語る石の言葉 山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 |
ぼくたちのラストダンスもうなにも 話すことはないと きみの瞳が語ってる 取り返しのつかない 時が流れて 今 ぼくたちのさようなら 開け放つ窓の やわらかな風は 愛の後を やさしく撫でる ゆらめくカーテン 窓際のベッドに 横たわるきみと やすらかな寝息 ああ 今は遠い あの日の景色 もう戻れないあの日の 愛の日々 ああ 鳥たちはすでに 歌うのをやめて 夕闇の梢で 羽を休めてる もうなにも 話すことはないと きみの瞳が 語ってる 取り返しのつかない 時が流れて 今 ぼくたちのさようなら ぼくの言葉が きみを傷つけて きみの涙が ぼくを追いつめる 愛の歯車と 時の歯車が 知らず知らずに ずれてしまった 言い争いは もうやめよう 涙を拭いて 笑ってくれないか 誰のせいでも ありはしない ぼくらは少し 若かった もうなにも 出来ることはないけど きみとぼくのラストダンス 踊り明かそう 踊って踊って 踊り明かして そして ぼくたちのさようなら 変わらないのは あの日のままの きみが笑った ぼくのステップ 今きみはぼくの 腕の中で あの日のように 笑ってる もうなにも 出来ることはないけど きみとぼくのラストダンス 踊り明かそう 踊って踊って 踊り明かして そして ぼくたちのさようなら まるで出会いの 時のようだね きみとぼくのラストダンス 踊り明かそう もっともっと激しく 踊り明かして 今 ぼくたちのさようなら | 小室等 | 小室等 | 小室等 | | もうなにも 話すことはないと きみの瞳が語ってる 取り返しのつかない 時が流れて 今 ぼくたちのさようなら 開け放つ窓の やわらかな風は 愛の後を やさしく撫でる ゆらめくカーテン 窓際のベッドに 横たわるきみと やすらかな寝息 ああ 今は遠い あの日の景色 もう戻れないあの日の 愛の日々 ああ 鳥たちはすでに 歌うのをやめて 夕闇の梢で 羽を休めてる もうなにも 話すことはないと きみの瞳が 語ってる 取り返しのつかない 時が流れて 今 ぼくたちのさようなら ぼくの言葉が きみを傷つけて きみの涙が ぼくを追いつめる 愛の歯車と 時の歯車が 知らず知らずに ずれてしまった 言い争いは もうやめよう 涙を拭いて 笑ってくれないか 誰のせいでも ありはしない ぼくらは少し 若かった もうなにも 出来ることはないけど きみとぼくのラストダンス 踊り明かそう 踊って踊って 踊り明かして そして ぼくたちのさようなら 変わらないのは あの日のままの きみが笑った ぼくのステップ 今きみはぼくの 腕の中で あの日のように 笑ってる もうなにも 出来ることはないけど きみとぼくのラストダンス 踊り明かそう 踊って踊って 踊り明かして そして ぼくたちのさようなら まるで出会いの 時のようだね きみとぼくのラストダンス 踊り明かそう もっともっと激しく 踊り明かして 今 ぼくたちのさようなら |
ぽつねん公園の陽だまりに おばあさんひとりぽつねん やがて極楽でも今地獄 膝は痛むし目はかすむ 富士山だって崩れてく もういいかい まあだだよ 孫たちの顔おぼろ おばあさんひとりぽつねん やがて極楽でも今地獄 桜ばっかり花ざかり いろはにほへとなんまいだ もういいかい まあだだよ 来し方も行く末も おばあさんひとりぽつねん やがて極楽でも今地獄 することもなし退屈だ 救急車でも呼ぼうかね もういいかい まあだだよ | 小室等 | 谷川俊太郎 | 武満徹 | | 公園の陽だまりに おばあさんひとりぽつねん やがて極楽でも今地獄 膝は痛むし目はかすむ 富士山だって崩れてく もういいかい まあだだよ 孫たちの顔おぼろ おばあさんひとりぽつねん やがて極楽でも今地獄 桜ばっかり花ざかり いろはにほへとなんまいだ もういいかい まあだだよ 来し方も行く末も おばあさんひとりぽつねん やがて極楽でも今地獄 することもなし退屈だ 救急車でも呼ぼうかね もういいかい まあだだよ |
守らずにいられないおまえをみつめていると 私は男らしさをとりもどす おまえの手はひびがきれ おまえのくちびるのわきには 小さなしわがきざまれている おまえの心は日々の重みに 少しゆがんでいるかもしれない けれどおまえをみつめていると 私はやさしさをとりもどす 一日の新鮮さをとりもどす おまえをみつめていると おまえを守らずにいられない あらゆる暴力から あらゆる不幸からおまえを守り こんなにも女らしいおまえを こんなにもゆたかなおまえを 私は愛さずにいられない | 小室等 | 谷川俊太郎 | 小室等 | | おまえをみつめていると 私は男らしさをとりもどす おまえの手はひびがきれ おまえのくちびるのわきには 小さなしわがきざまれている おまえの心は日々の重みに 少しゆがんでいるかもしれない けれどおまえをみつめていると 私はやさしさをとりもどす 一日の新鮮さをとりもどす おまえをみつめていると おまえを守らずにいられない あらゆる暴力から あらゆる不幸からおまえを守り こんなにも女らしいおまえを こんなにもゆたかなおまえを 私は愛さずにいられない |
結詞浅き夢 淡き恋 遠き道 青き空 今日をかけめぐるも 立ち止まるも 青き、青き空の下の出来事 迷い雲 白き夏 ひとり旅 長き冬 春を想い出すも 忘れるも 遠き、遠き道の途中での事 浅き夢 淡き恋 遠き道 青き空 | 小室等 | 井上陽水 | 井上陽水 | | 浅き夢 淡き恋 遠き道 青き空 今日をかけめぐるも 立ち止まるも 青き、青き空の下の出来事 迷い雲 白き夏 ひとり旅 長き冬 春を想い出すも 忘れるも 遠き、遠き道の途中での事 浅き夢 淡き恋 遠き道 青き空 |
無題いつも いつも ぼくが きみを 見ててあげるから 安心して おやすみ 傷つけあうことに 慣れてしまった この世界 そこで ぼくらは 生まれ 育った | 小室等 | 小室等 | 小室等 | | いつも いつも ぼくが きみを 見ててあげるから 安心して おやすみ 傷つけあうことに 慣れてしまった この世界 そこで ぼくらは 生まれ 育った |
ユイ・コムロこの子のすること 見てごらん もう 自分が女だってこと 知ってるような 僕の思惑や 心配など この子にとっては何でもないが それでいいさ 僕の愛のふるさとに なったこの子に 僕は僕のすべてを 投げだしてしまうだろう 怒ったり笑ったり 一人前だね くやし泣きすることも 今に覚えるさ この子が結婚 ましてや母に… そのとき 僕はどんな顔して いるのだろう 僕の愛のふるさとに なったこの子に 僕は僕のすべてを 投げだしてしまうだろう | 小室等 | 白石ありす | 小室等 | | この子のすること 見てごらん もう 自分が女だってこと 知ってるような 僕の思惑や 心配など この子にとっては何でもないが それでいいさ 僕の愛のふるさとに なったこの子に 僕は僕のすべてを 投げだしてしまうだろう 怒ったり笑ったり 一人前だね くやし泣きすることも 今に覚えるさ この子が結婚 ましてや母に… そのとき 僕はどんな顔して いるのだろう 僕の愛のふるさとに なったこの子に 僕は僕のすべてを 投げだしてしまうだろう |
ゆきの季節凍てついた窓 彼方に 幻のような河 あたたかなココア ゆるゆるこしらえ こんな日の 空にせつなく 鳥は雪 吐息は雪 降りてくるはずの 愛の ゆくえを追っている まばらな人影に ひとりきりで私 こんな日の 空にせつなく 鳥は雪 吐息は雪 | 小室等 | 白石ありす | 小室等 | | 凍てついた窓 彼方に 幻のような河 あたたかなココア ゆるゆるこしらえ こんな日の 空にせつなく 鳥は雪 吐息は雪 降りてくるはずの 愛の ゆくえを追っている まばらな人影に ひとりきりで私 こんな日の 空にせつなく 鳥は雪 吐息は雪 |
夢のまた夢夢のまた夢なんの夢 あの街この街日が暮れて 赤いぞうりの緒が切れた 夢のまた夢なんの夢 夢のまた夢いつの夢 回り燈籠辿るような ひとりぼっちの隠れん坊 夢のまた夢いつの夢 夢のまた夢おそい夢 落ちてくたそがれ追っかけて はぐれた片手のお人形と 夢のまた夢おそい夢 夢のまた夢誰の夢 お背戸の藪の指切りを いつか忘れた花嫁の 夢のまた夢誰の夢 夢のまた夢遠い夢 あの子と二人海の中 それともひとりで船に乗ろ 夢のまた夢遠い夢 夢のまた夢なんの夢 あの街この街日が暮れて 赤いぞうりの緒が切れた 夢のまた夢なんの夢 | 小室等 | 北村魚・及川恒平 | 及川恒平 | | 夢のまた夢なんの夢 あの街この街日が暮れて 赤いぞうりの緒が切れた 夢のまた夢なんの夢 夢のまた夢いつの夢 回り燈籠辿るような ひとりぼっちの隠れん坊 夢のまた夢いつの夢 夢のまた夢おそい夢 落ちてくたそがれ追っかけて はぐれた片手のお人形と 夢のまた夢おそい夢 夢のまた夢誰の夢 お背戸の藪の指切りを いつか忘れた花嫁の 夢のまた夢誰の夢 夢のまた夢遠い夢 あの子と二人海の中 それともひとりで船に乗ろ 夢のまた夢遠い夢 夢のまた夢なんの夢 あの街この街日が暮れて 赤いぞうりの緒が切れた 夢のまた夢なんの夢 |
ラブソング今はおまえと別れようと こころに決めて 見送るはずの細い肩先 そっとふれたとき 忘れようとしたすべてが 無駄になってしまう ふたりで見た愛の映画 そのままに いつもと変わらぬ微笑み残し 死ねたらいいと 季節の美しさがよけいに おまえを悲しませる 降りしきる雪さえも 窓辺の飾りにして 暖かな火 囲みながら おまえが唄ったラブ・ソング 数えきれない溜息に 満たされた街を 冬に身をまかせたように 歩きつづける おまえが泣いていることを 知ってしまったから 降りしきる雪さえも 窓辺の飾りにして 暖かな火 囲みながら おまえが唄ったラブ・ソング | 小室等 | 白石ありす | 小室等 | | 今はおまえと別れようと こころに決めて 見送るはずの細い肩先 そっとふれたとき 忘れようとしたすべてが 無駄になってしまう ふたりで見た愛の映画 そのままに いつもと変わらぬ微笑み残し 死ねたらいいと 季節の美しさがよけいに おまえを悲しませる 降りしきる雪さえも 窓辺の飾りにして 暖かな火 囲みながら おまえが唄ったラブ・ソング 数えきれない溜息に 満たされた街を 冬に身をまかせたように 歩きつづける おまえが泣いていることを 知ってしまったから 降りしきる雪さえも 窓辺の飾りにして 暖かな火 囲みながら おまえが唄ったラブ・ソング |
流星花火「下町は田舎みたいだ」って 車に乗り合わせた女の子が言う 下町育ちの小室さんは 「成程……」 と、うなずく 道産児の僕は 「そうかな……」 と、首をかしげる 田舎の縁日には 肌寒い夏の空を 流星花火が 飛び交っていた そいつが違うと 思うのだ | 小室等 | 及川恒平 | 小室等 | | 「下町は田舎みたいだ」って 車に乗り合わせた女の子が言う 下町育ちの小室さんは 「成程……」 と、うなずく 道産児の僕は 「そうかな……」 と、首をかしげる 田舎の縁日には 肌寒い夏の空を 流星花火が 飛び交っていた そいつが違うと 思うのだ |
私は月には行かないだろう私は月にはいかないだろう わたしは領土をもたないだろう わたしは唄をもつだろう 飛び魚になり あのひとを追いかけるだろう わたしは炎と洪水になり わたしの四季を作るだろう わたしはわたしを ぬぎ捨てるだろう 血と汗のめぐる地球の岸に わたしは月にはいかないだろう | 小室等 | 大岡信 | 小室等 | | 私は月にはいかないだろう わたしは領土をもたないだろう わたしは唄をもつだろう 飛び魚になり あのひとを追いかけるだろう わたしは炎と洪水になり わたしの四季を作るだろう わたしはわたしを ぬぎ捨てるだろう 血と汗のめぐる地球の岸に わたしは月にはいかないだろう |