一筆しめし参らせ候津村謙 | 津村謙 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 一筆しめし参らせ候 そなたの去った 長崎は 恋のむくろの 港街 暮れて出島に 灯る燈(ひ)も 泣いているよに 泣いているよに あゝ うるみ候 そなたと聞いた 浦上の 鐘が消えゆく 夜の空 燃える想いを とどけてと サンタマリヤに サンタマリヤに あゝ 祈り候 そなたを呼べば 丸山に 今日も降る降る 涙霧 せめて愛(いと)しい 面影を 抱いてあきらめ 抱いてあきらめ あゝ 暮し候 あらあらかしこ |
月夜の笛津村謙 | 津村謙 | 横井弘 | 吉田矢健治 | | 村はお祭り お山は月夜 私はぴいひゃら 笛自慢 高い櫓(やぐら)で 笛吹くときは 三里ひびいて ええ風となる 旅の一座の お下髪(さげ)の娘 紫蘇(しそ)の実かみかみ 月をみる 吹いてあげよか 故郷の唄を そばの花咲く ええ里の唄 村はお祭り こころは月夜 祭がすんだら 嫁も来る 月に横笛 浮かれて吹けば 思いばかりか ええ灯も揺らぐ |
あなたと共に津村謙・吉岡妙子 | 津村謙・吉岡妙子 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | あなたと共に 行きましょう 恋の甘さと 切なさを はじめて教えて くれた人 それが 私の運命(さだめ)なら あなたと共に 行きましょう あなたと共に 泣きましょう 辛い浮世の 波風に 破れた翼の はぐれ鳥 それが 女の弱さなら あなたと共に 泣きましょう あなたと共に 呼びましょう 胸に灯(とも)った このあかり 消さずにかばって 抱きしめて それが 本当の希望(のぞみ)なら あなたと共に 呼びましょう |
お呼びじゃないのね二宮ゆき子 | 二宮ゆき子 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | | あの手この手で 私を口説き いつかその気に させといて なんでこの頃 お見限り 今日のおめあて ネエ 誰なのさ アラ お呼びじゃないのネ お呼びじゃないなら いいのよ どうせ私は 刺身のつまよ 海老で鯛釣る つもりでしょ ずばり図星ネ ずぼしでしょ ちゃんとお顔に ネエ 書いてある アラ お呼びじゃないのね ネ お呼びじゃないなら いいのよ 君と一緒に なれたら僕は なんて幸せ者だろう 甘い言葉は でまかせね 今日のおめあて ネエ 誰なのさ アラ お呼びじゃないのね ネ お呼びじゃないなら いいのよ 昨夜あなたに 寄り添いながら 酔った振りして 甘えてた あの娘あなたの いい人ね ちゃんとお顔に ネエ 書いてある アラ お呼びじゃないのネ お呼びじゃないなら いいのよ |
少年の悲しい唄バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | | ひとりぼっちで 裏通り 夢を爪弾く フラメンコギター アー 少年の淋しい唄は かあさん かあさんを呼ぶ 涙ちょっぴり 夜のうた 愛を求めて 今日も又 町をさまよう フラメンコギター アー 少年のかすれる声は とうさん とうさんを呼ぶ 淋しがりやの 夜のうた 唄い疲れて 夜が更けりゃ 影が泣いてる フラメンコギター アー 少年の悲しい唄は にいさん にいさんを呼ぶ 細いトレモロ 夜のうた |
加奈子の雨バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 加奈子 加奈子よ あの夜は雨 そぼ降る雨 別れにゃならぬと 知りながら ただひとことの さよならを 言えずに 濡れて歩いたな 加奈子 加奈子よ 今夜も 加奈子の雨が降る 加奈子 加奈子よ あの夜は雨 つめたい雨 からんでそむけた 瞳の中で にじんで溶けた 街の灯が せつなく俺を 呼んでいる 加奈子 加奈子よ 今夜も 加奈子の雨が降る 加奈子 加奈子よ あの夜は雨 涙の雨 愛しているから 好きだから つれないそぶり したけれど 泣いてはせぬか 今ごろは 加奈子 加奈子よ 今夜も 加奈子の雨が降る |
真赤なバラよバーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 愛しているって 言ったなら あんたはきっと 笑うだろ それでも これだけは 本当なのさ お酒で荒れた わたしの胸に 間違えて咲いたわ 真赤なバラよ 愛しているって 同じよに あんたが言って くれたって とっても そんなこと 信じるもんか だまされつけた わたしの胸を こりもせず焦す 真赤なバラよ 愛しているって 言えないで あんたをじっと 見てるのが どんなに 苦しいか わかっておくれ 黙って抱いた わたしの胸で 散ってゆくだけの 真赤なバラよ |
船漕ぎ歌バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | | 揺れる舳先(へさき)を 朝日に向けて 歌で漕(こ)ぎ出す あの島へ ニシン来るときゃ ホーホラ ホイ 海の鱗(うろこ)の 波が立つ ホーホラ ホーホイ ホーホラ ホーホイ この岬かわせば まだ岬やござる イヤサイ ホーホイ ホーホラ ホーホイ ホーホラ ホーホイ 赤い夕陽の あの浜あたり さぞや待つだろ 恋女房 ニシンみやげに ホーホラ ホイ 櫂(かい)を漕ぐ手に 光る汗 |
恋椿バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 横井弘 | 吉田矢健治 | | もしも愛して いたのなら 夜に別れて 欲しかった 縋りたくても 縋れずに 街の真昼に 散って行く 女の胸の あゝ 恋椿 ひとり暮しが 侘びしくて 甘い台詞に 弱かった 尽し続けた だけなのに なんであなたは 遠くなる 紅さえ薄い あゝ 恋椿 街で見つけた 倖せは 消える運命(さだめ)の 虹だった 酒で傷(いた)みは 堪(こら)えても 肌のほてりに また泣ける 女の胸の あゝ 恋椿 |
忘れ雪バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 横井弘 | 吉田矢健治 | | 逢えば別れが 言えなくて 留守に旅だつ 北の駅 みんな夢だよ あいつには 苦労させても 明日(あす)がない 未練に耐(た)えて 背を向けりゃ 雪が降る降る 忘れ雪 指にこよりを 巻きながら 愛の指輪と 呼んでいた みんな夢だよ 二人には 夫婦(めおと)ごっこは 似合わない 爪まで切って くれた日も 所詮はかない 恋まつり 遠く夜汽車で 行く先は 花の明かりも ないところ みんな夢だよ これきりで 姿消すのが いたわりさ 想い出ばかり 追ってくる 窓に降れ降れ 忘れ雪 |
カクテル小唄バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | おれとおまえの ふたつのグラス 離れ離れは 淋(さび)しいネ 振ってみようか シェーカーに入れて 恋のカクテル 甘い味 そっとふれれば すぐ散りそうな かわいあの娘の 片えくぼ だますつもりが ついだまされて 乗ったあぶない サイドカー 恋の終わりは お金の切れ目 ノック・アウトで さようなら やけであおった ミリオン・ダラー せめてさめるな いつまでも 東京_大阪 ふたりをつなぐ 恋のルートの 新幹線 遠く別れて 一日だって とてもマティニー 深い仲 燃えるお酒と 冷たい氷 なかで身をもむ この私(わたし) ほれちゃいけない バーテンさんに どうせ振るのは お手のもの おいら土産子(どさんこ) おまえは博多 今じゃ東京の どまん中 ピンク・レディーと マンハッタンの グラス合わせて 夢を見る |
女心の唄バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | | あなただけはと 信じつつ 恋におぼれて しまったの 心変わりが せつなくて つのる思いの しのび泣き どうせ私を だますなら だまし続けて ほしかった 酔っている夜は 痛まぬが さめてなおます 胸の傷 うわべばかりと つい知らず ほれてすがった 薄情け 酒がいわせた ことばだと なんでいまさら 逃げるのよ 女ですもの 人並みに 夢を見たのが なぜ悪い 今夜しみじみ 知らされた 男心の うらおもて 逃げた人なぞ 追うものか 追えばなおさら つらくなる 遠いあの夜の 思い出を そっと抱くたび ついほろり 散って砕けた 夢の数 つなぎあわせて 生きてゆく いつか来る春 幸福(しあわせ)を のぞみすてずに ひとり待つ |
さよなら故郷さん三船浩 | 三船浩 | 東條寿三郎 | 吉田矢健治 | | ながながお世話に なりました 悲しいけれど 今日限り あなたの側を 離れます 後は何んにも 何んにも言えません さようなら ふるさとさん さようなら 涙をみせて ごめんなさい 夕焼け雲を 見るにつけ どこかに母が いるようで 胸のつぶれる つぶれる想いです さようなら ふるさとさん さようなら お便りきっと ねがいます はなれて遠く 暮らす日に 昔の歌の かずかずを どうかそれでは それではご機嫌よう さようなら ふるさとさん さようなら |
寒流春日八郎 | 春日八郎 | 高橋掬太郎 | 吉田矢健治 | 吉田矢健治 | 海の暗さが 侘(わ)びしゅうてならぬ 風は冷たく ほほたたく 胸に浮かぶは あの娘(こ)の港 ほれて ほれて ほれていりゃこそ 思い出す 波が牙(きば)立つ 寒流はるか 行かにゃならない かじ枕 凍りつくよな 星影見れば なぜか なぜか なぜか心が 痛くなる 待っていなよと いうては来たが いつの日にまた 逢える身か 船が揺れれば 思いも揺れる 泣けて 泣けて 泣けてくるよな 海の果て |
故郷は遠い空春日八郎 | 春日八郎 | 東條寿三郎 | 吉田矢健治 | 吉田矢健治 | 熱い涙に頬を濡(ぬら)し じっと見つめてる 忘れもしない 淋しいひとみ 何故にこうまで 故郷は遠い 雨の都の片隅は 片隅は 暗い嘆(なげ)きの 夢ばかり 誰が忘りょう 指を結び誓った一言(ひとこと)を 変らず今も 待ってるのやら 丁度(ちょうど)あの日も 小雨の降る夜 我慢してくれ今暫(しば)し 今暫(しば)し 胸に希望を 抱く日まで 遠い故郷の空は いつも重たいなまりいろ 想いはめぐる 幼い日ごろ どおせ戻らぬ 夢とは知れど 更けて都(みやこ)に降る雨に 降る雨に 俺もかくれて 泣いている |
ギター流し春日八郎 | 春日八郎 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 春が来たとて 行ったとて 旅の流しにゃ 知らぬこと ギター泣かせて 俺も泣く どうせはかない 恋の歌 好いちゃいけない 好けぬ身は いっそせつない 胸のうち 閉じた瞼(まぶた)の 裏側に せめておまえを 抱いて行こ 故郷(くに)を出たときゃ この俺も 夢も希望(のぞみ)も あったもの 街(まち)のあかりが 消えるよに 今じゃやつれた 影ひとつ |
街の燈台春日八郎 | 春日八郎 | 高橋掬太郎 | 吉田矢健治 | | 夜の巷(ちまた)の 小ぬか雨 なぜに男の 胸濡(ぬ)らす 流れ流れの しがない生命(いのち) せめて一夜(いちや)は 愛の灯(ひ)に 折れた翼に 風が吹く そんな気がする はぐれ鳥 どこが心の やどり木なのか 涙ばかりが ただ熱い よるべなければ なお淋し 街(まち)のあかりよ なぜうるむ 愛の燈台 照らしておくれ せめて希望の わが夢を |
青い月夜だ春日八郎 | 春日八郎 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 波止場(はとば)離れりゃ 未練は捨てな 陸にゃ住めない 海の鳥 あすはどこかの 異国の港 待っているだろ 一夜(ひとよ)の夢が 青い月夜だ 甲板(デッキ)で語ろ 呼んでいたのか 故郷の空を わかるおぼえが ないじゃなし 帰りたいとも 思わぬくせに たまにゃ夢見て いまでも泣ける 青い月夜だ 甲板で語ろ 濡(ぬ)れてしょんぼり 小雨(こさめ)の浜で 送るあの娘(こ)を 俺(おれ)も見た 昔しのんで ついつまされて やけに痛むぜ 心のきずが 青い月夜だ 甲板で語ろ |
月の嫁入り舟春日八郎 | 春日八郎 | 横井弘 | 吉田矢健治 | | 舟がゆくゆく 嫁入り舟が 祭り囃子の その中を おさななじみが 思いをこめて 打てば太鼓も 月の流れを 泣いて行く 木の実ふるふる 社(やしろ)のかげで きいた子守の 唄のかず ばちの重さを 悲しくこらえ 打てば太鼓に 浮ぶあの日の 風ぐるま 舟がゆくゆく 嫁入り舟が つらい伏目の 人のせて 月に涙を さらしたままで 打てば太鼓は 川面(かわも)三里を 流れゆく |
旅の燈台春日八郎 | 春日八郎 | 高橋掬太郎 | 吉田矢健治 | | どうせ波間の 渡り鳥 啼(な)き啼き行くのが 旅ならば 呼ぶな他国の 燈台あかり 男瞼が なお濡れる 海の暗さよ 夜(よ)の寒さ マストが揺れれば 身も揺れる 裂いて捨てよか 形見の写真 それで未練が 消えるなら そらを仰げば 流れ星 流れて消えれば また哀し 呼ぶなよふけの 燈台あかり 思い切る気で 行くものを |
あなたと共に倍賞千恵子 | 倍賞千恵子 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | 小川寛興 | あなたと共に 行きましょう 恋の甘さと 切なさを はじめて教えて くれた人 それが 私の運命(さだめ)なら あなたと共に 行きましょう あなたと共に 泣きましょう 辛い浮世の 波風に 破れた翼の はぐれ鳥 それが女の 弱さなら あなたと共に 泣きましょう あなたと共に 呼びましょう 胸に点った このあかり 消さずにかばって 抱きしめて それが 本当の 希望(のぞみ)なら あなたと共に 呼びましょう |
鳥辺山心中二葉百合子 | 二葉百合子 | 横井弘 | 吉田矢健治 | | 浮かれ囃子の 祇園の町に 誠ひとすじ 咲いた花 夢もむらさき 春待つ袖に 別れ川風 なぜに泣く 西と東に 袂を分かちゃ 結ぶあてない 恋の帯 酒に意気地の 白刃を抜けば 月の河原に 泣く千鳥 半九郎「ひく三味線は祇園町」 お染「茶屋のやま衆が色酒に」 半九郎「みだれて遊ぶ騒ぎ合い」 お染「あの面白さ見る時は」 「あゝ今更それを言うも、 愚痴でござんす。 さあ、ちっとも早よう」 半九郎「お染」 お染「半さま」 命ふたつを ひとつに寄せりゃ なんで怖かろ 死出の旅 対(つい)の晴着で 踏み出す道に 鐘が鳴る鳴る 鳥辺山 |
我が人生はなみだ川二葉百合子 | 二葉百合子 | 杉紀彦 | 吉田矢健治 | | (セリフ) 「生きるすべてを、語りつづけ、 うたいつづける事に、ささげて来た私。 その思い出を拾いあつめてみるならば、 人生をぬって流れる、なみだの川になる ようでございます。」 照る日曇る日 吹雪の日 芸がいのちと 仕込まれて 泪うかべる ひまもなく おさな芸人 流れ旅 幾年月(いくとしつき)を幾年月を あゝ……流れ旅 むしろがこいの かけ小屋が 娘浪曲 晴れ舞台 たった一つの 衣裳着て 十九 二十(はたち)を 汗まみれ 恋すら忘れ恋すら忘れ あゝ……汗まみれ (セリフ) 「ひもじさと貧しさを道づれに、ひ たすら修業の歳月をすごした私には、いつ の間にか、ふれあうお方一人一人の、つらいく るしい人生が分かって参りました。人の泪 は私の泪……、共に泣き共に応(こた)えて筒井 筒、私に命ある限り、歌い続けて参ります。」 生きるつらさを わけあえば 他人(ひと)の泪も わが泪 つきぬこの世の 哀しみを 拾いあつめる なみだ川 我が人生は我が人生は あゝ……なみだ川 |
なみだ星大月みやこ | 大月みやこ | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | 小町昭 | 星が泣いてる 泣いている 涙をほろり 湖に 大きくひろがる 水輪の中に 愛していると 書きながら 星が呼んでる 呼んでいる 想いをこめて 何回も 小さな光りを 夜どうし点(とも)し 面影そっと 偲ぶのか 星が消えてく 消えてゆく 夜明けの空に しょんぼりと そよならさよなら 哀しい声が かすれていつか 遠ざかる |
雪の桜田門~あゝ井伊大老鏡五郎 | 鏡五郎 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | 白石十四男 | 黒船前にして 江戸城は 攘夷開国(じょういかいこく) 揺れ動く たとえ刺客に 出逢うとも 男大老 決意する あ…… 明日の日本を 救える道は 開国以外に 道はなし (セリフ) 宵節句というに季節外れの雪ではござらぬか。 水戸の白梅が彦根の赤鬼を斬るには持ってこいの雪だ。 おのおの方、革新の大義をはたすには……「雨でもない」 ……「風でもない」……大雪あるのみじゃ めざすは大老(たいろう) ただ一人 水戸の浪士(ろうし)は 斬るという 時は三(さん)月 登城日と かたい約束 誓う酒 あ…… 菊は二度咲く 葵は枯れる 西からくつわの 音がする (セリフ) 諸大名の行列がと絶えたあとである。 めざす彦根の一隊が一本道具を先に立て、 およそ同勢六十人、いずれも赤合羽にかぶり笠、 「下にー下にー」と進み出た。 見物するように 見せかけて 彦根行列 駕籠(かご)を待つ 不意をつかれた 大老は 桜田門の 雪と散る あ…… 花の生涯 白刃の舞いに むなしく天誅(てんちゅう) 受けて死す |
サハリンの空は遠く高英男 | 高英男 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | 若松正司 | サハリンの冬は別離のように長く サハリンの夏は恋に似て短い いつになったら帰れるの 異国になったあの島へ サハリンへ帰りたい サハリンへ帰りたい フレップの花の咲く頃 チエーホフの町で涙に濡れた人と チエーホフの町でもう一度逢いたい 愛はいまでも燃えている 心の中にあかあかと サハリンへ帰りたい サハリンへ帰りたい 幸せに逢えるふるさと 忘れられない いつまでも ホロナイ川のあの誓い サハリンへ帰りたい サハリンへ帰りたい この願いみのる日はいつ |
玄海太郎新川二朗 | 新川二朗 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | 白石十四男 | しぶきの牙が 船底に がぶりかみつきゃ 夜が明ける ドブを飲み干せ 玄海太郎 女と別れる 覚悟はいいか 朝日が昇りゃ 出船だぞ 行かにゃならない 対馬沖 みれんきれたか 玄海太郎 荒波育ちの 土根性見せろ はげしく船を 揺らす海 足を滑らしゃ 地獄ゆき 波にかじ取れ 玄海太郎 命を張るのは 承知じゃないか |
男心の唄二宮ゆき子 | 二宮ゆき子 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | 小町昭 | 愛しているさ 君だけを 信じておくれ これだけは 僕の瞳に 少しでも 嘘のくもりが どこにある ぜったい君は 僕のもの 離しはしない 握った手 いつも一緒に いるときが 僕はとっても 幸せさ やさしく肩を 抱き寄せりゃ ふるえているね 今日の君 たまにゃやきもち やきながら すねて甘えりゃ なお可愛い わきめもふらず 君ひとり 真底慕う この心 僕の気持を 写し出す 恋のテレビが いま欲しい 逢うたびごとに 思うのさ 前よりずっと きれいだよ 嬉しがらせで なぜ言える こんな言葉を いまさらに 好き好き好きさ 大好きさ 誰より君を 愛してる そっと合わせる くちづけの 男心に 裏はない |
さよならも言わないで松島詩子 | 松島詩子 | 東條寿三郎 | 吉田矢健治 | | さよならも言わないで 笑顔(えがお)を見せて 思いきらせた あなたはさすが いきな男 ふり向けば ふりかえり 気まぐれなものね さよならも 言わないで さよならも言わないで つれないそぶり 胸で呼んでる わたしはしょせん やぼな女 手を振れば 手をあげて 憎らしい人ね さよならも 言わないで ふり向けば ふりかえり 憎らしい人ね さよならも 言わないで |
枯葉よ語ろう松島詩子 | 松島詩子 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 木枯(こがら)しの笛の音に 誘われて ペーブを踊って行く 枯葉よ 枯葉 若いみどりの あの夢は どこになくして しまったか わたしといっしょに あてもなく 探して行こう 枯葉よ 枯葉 街で別れた あの人の うしろ姿が 忘られず わたしはひとりで 泣きながら いつまで待つやら 枯葉よ 枯葉 暗い小路(こうじ)の 吹きだまり しばし休んで 寄せ合って わたしとおまえの 消え去った 嘆きを語ろう 枯葉よ 枯葉 |
スペインの恋唄松島詩子 | 松島詩子 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 燃えて開いた 紅(くれない)の バラの花よ ああ カルメン 刺すとげの 痛さ知れど ああ この胸を 誘う香(かお)りよ 君ともに踊らん 狂おしき ハバネラの調べに 夢をたたえて さかずきに よどむ酒か ああ カルメン メフィストの わなと知れど ああ 飲みほして 悔いぬ想(おも)いよ 君ともに語らん さめやすき 青春のよろこび ギター鳴らして セレナーデ 窓におくる ああ カルメン ドン・ホセの 運命(さだめ)知れど ああ わが命 かけし願いよ 君ともに歌わん なやましき スペインの恋唄 |
山の吊橋西方裕之 | 西方裕之 | 横井弘 | 吉田矢健治 | 伊戸のりお | 山の吊橋(つりはし)ァ どなたが通る せがれなくした 鉄砲うちが 話相手の 犬つれて 熊のおやじを みやげにすると 鉄砲ひとなで して通る ホレ ユーラユラ 山の吊橋ァ どなたが通る 遠い都へ 離れた人を そっとしのびに 村娘 谷の瀬音が 心にしむか 涙ひとふき して通る ホレ ユーラユラ 山の吊橋ァ どなたが通る 酒がきれたか 背中をまるめ のんべェ炭焼き 急ぎ足 月をたよりに 枯れ葉のように くしゃみ続けて して通る ホレ ユーラユラ |
ごめんよかんべんナ西方裕之 | 西方裕之 | 伊吹とおる | 吉田矢健治 | 小町昭 | 待っていたのか きょうまでひとり そんなか細い からだで胸で そうかい そうだろう せつなかったろネ ほんとにごめんヨ かんべんナ 勝手気ままな おいらの意地が 好きとひと言 いわせなかった そうかい そうだろう 泣きたかったろネ ほんとにごめんヨ かんべんナ 待っておいでよ 死ぬんじゃないぜ きっとおいらが なおしてみせる そうかい そうだろう 淋しかったろネ ほんとにごめんヨ かんべんナ |
夕焼とんび西方裕之 | 西方裕之 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | 小町昭 | 夕焼け空が マッカッカ とんびがくるりと 輪を描(か)いた ホーイのホイ そこから東京が 見えるかい 見えたらここまで 降りて来な 火傷(やけど)をせぬうち 早くこヨ ホーイホイ 上りの汽車が ピーポッポ とんびもつられて 笛吹いた ホーイのホイ 兄(あん)ちゃはどうして いるんだい ちょっぴり教えて くんないか 油揚げ一丁 進上(しんじょう)ヨ ホーイホイ 一番星が チーカチカ とんびは意地悪 知らぬ顔 ホーイのホイ 祭りにゃ必ず 帰るって 俺らをだまして 置いてった 兄ちゃもおまえも ばかっちょヨ ホーイホイ |
青いアンブレラ大津美子 | 大津美子 | 横井弘 | 吉田矢健治 | 小町昭 | 青いちっちゃな アンブレラ ちょいとかざせば いそいそと 浮気男が 声かける 「お嬢さん どちらまで 雨の散歩は 如何です」 いいえ男は 恐いもの なンで傘なぞ 貸せましょう わたしは つンとお澄ましで くるりと傘を 廻すだけ それでとても お得意だったの 青いちっちゃな アンブレラ いれてあげましょ あなただけ ぬれたソフトが 気にかかる 「お嬢さん ありがとう 僕はあなたを 忘れない」 いいえ恐いと 知りながら いつか夢みる この心 わたしは ひとりこっそりと 冷たい傘に 頬よせた それでとても 幸せだったの 青いちっちゃな アンブレラ いらなくなった アンブレラ 野暮で可愛い あの人は 虹と一緒に 消えちゃった 涙あふれる 水たまり 数えて街を 歩くだけ |
深川しぐれ橋鏡五郎 | 鏡五郎 | 松井由利夫 | 吉田矢健治 | | 帯の結び目 逆手で締めて 霧をひと吹き 潔め酒 情け着流し 男の道は 胸に三寸 ぶちこんだ 義理の楔が 義理の楔が 守り札 (セリフ)生きるのも けじめ 死ぬのも けじめ けじめだけはきっちりとつけて 男の道を歩いて行こうと思っております 男いのちの 観音開き 好いた惚れたじゃ 閉じられぬ 酒の力を 借りてじゃないが すがる片袖 ふりはらい 涙ひとつぶ 涙ひとつぶ 反古にする (セリフ)涙は瞼でとめて 言いたいことは呑みこんで それでいいんだ それがあいつのあいつのためなんだ 一度かぎりで 二度ない浮世 濡れりゃ躓く 戻り雨 花は散るから その実が残る 意地のけじめは きっちりと つけて辰巳の つけて辰巳の しぐれ橋 |
大阪無情バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | たなかゆきを | 吉田矢健治 | | 好きでかなわぬ 女(ひと)だとて 思い出したら あかんでギター 新地暮しと 暖簾(のれん)に生きる 身分違いの こいさんは 所詮とどかぬ 恋やもの お為ごかしの御寮はんに どない言わりょと 恨むなギター 返す言葉も ぎようさんあるが 明日は嫁入る こいさんの 晴れの衣裳に しみがつく わては泣いたり しやへんに なんで泣くんや 弱虫ギター こないしがない 流しの身でも 心あずけた こいさんに 夢で船場へ 逢いに行く |
あの雲の下島津悦子 | 島津悦子 | 八島義郎 | 吉田矢健治 | | 辛く尾を引く別れの汽笛 押さえる程にはらはらと 掌濡らす切ない涙 私の心捧げ尽した あなたが遠くかすみ行く 胸に無情の潮風が 二人っきりの小部屋の中で 語り明かした思い出を 印して行くよ心の底へ あなたのいないこれからの日を 幻だけを追って行く 恋しい名をば呼び乍ら かすかに残る航跡追いて 眺める行手淡路島 あの雲さえもあなたの姿 飛んで行き度い鴎の様に 又逢う日迄唯一人 冷たい風に染む涙 |